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ブッダが見つけた四つの真実
- 初版年月日
- 2021年5月20日
- 書店発売日
- 2021年5月24日
- 登録日
- 2021年3月9日
- 最終更新日
- 2021年5月31日
紹介
著者は現代チベット仏教界における中堅世代の一人。1961年ブータン生まれ。7歳の頃、ケンツェの系譜を受け継ぐ転生者の一人として認定される。ダライ・ラマなど偉大な師から教えを受け、またロンドン大学東洋アフリカ学院で比較宗教学を学ぶ。チベット、インド、ブータンの僧院で指導にあたるほか、世界各国にダルマセンターを設立して修行者を指導、欧米、オーストラリア、ラテン・アメリカ等でも精力的に法話会を開催し、文化や伝統などの枠組みにとらわれず仏教の本質への理解を深めるための活動を行っている。また映画『ザ・カップ――夢のアンテナ』(1999年)をはじめこれまでに5本の映画制作を行ってきた異色の仏教僧。
本書は、仏教の基本の概念として知られる四法印(しほういん)を、仏教の初心者にもわかりやすく概説した書である。四法印は、これまで「諸行無常」「一切皆苦」「諸法無我」「涅槃寂静」として知られているが、本書ではそのような難しい仏教用語の使用を避け、次のように、平易な言葉づかいで説明されている。(1)あらゆるものは組み合わせによって成り立っている無常な現象であり、それらに執着し続けることはできない。(2)感情は究極的にはすべて苦しみである。自己こそ苦しみの元凶である。(3)すべてのものは本質的には存在しない。それに気付けば執着することの無益さがわかる。(4)悟りとは心に宿る様々な概念を超越することである。
本書では、ウィットやユーモアを交えながら、現代の身近なたとえ話を多く用いることで、ともすると「とっつきにくい」印象を与えがちな仏教の教えをわかりやすく伝えるとともに、仏教の教えが時代遅れなものではなく、現代の私たちに賢く生きる知恵をあたえるものであることを示している。なお、今回の翻訳は日本での出版に合わせて改訂されたもので、安室奈美恵など日本のことが随所に登場するため、日本の読者も親近感が感じられるだろう。
原書は2006年に英語版が出版されて以来、フランス語、ドイツ語といったヨーロッパ言語のみならず、中国語、ヘブライ語、インドネシア語など20以上の言語に翻訳され、合計18万6千部発行されている。
目次
目次
序章
第1章 作り上げられたものと無常
赤ちゃんのガラガラのように私たちの気をそらすもの
真実の探求は悪いことのように見えるときがある
ブッダが見つけたもの
「今のところは」ということ
それでも私たちは無視し続ける
不安定さ
原因と条件――茹だってしまった卵はどうすることもできない
無常は私たちにうまく作用する
美は見る人の目の中にある
無常はいい知らせである
第2章 感情と痛み
個々の幸福を定義する
制度化された「幸福」の定義
無数にある感情の分類
根源を探る――(存在しない)自己
習慣:自己の味方
自己との戦い
愛はどうでしょう?
第3章 すべては空性である
空性をとらえようとする
私たちの限られた論理
昨日の川――不完全な論理を受け入れること
ブッダはマゾヒストだったわけではない
相対的な真実――「ある程度」存在しているということ
「あなたを縛るものは執着である」
真実――寓話でも、魔法でも、致命的でもない
ネクタイ、そして感情の輪縄
ブッダはどう教えを説いたのか――偽薬としての仏法
理解することの利点
第4章 涅槃とは概念を超越したものである
天国――究極のバカンス?
幸福はゴールではない
幸福の罠
希望と根本的な清らかさ
嵐の闇に走る光
どう感じる?
空間と時間を超越することの利点
区別もなく、概念もなく、束縛もない
放棄――空のように果てしなく
結 論
見方が最終的な基準点となる
四法印の美しい論法
カルマ、清らかさ、非暴力のより深い理解
四法印――取捨選択のできない一括協定
放棄の中にある豊かさ
智慧を取り入れ、歪んだ道徳を手放す
お茶とティーカップ――文化の中の智慧
調和の実践
用語の翻訳に関するあとがき
上記内容は本書刊行時のものです。