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夢分析の治療ポイント
心の病に苦しむ人に役立つ実践と事例
- 初版年月日
- 2020年6月30日
- 書店発売日
- 2020年6月26日
- 登録日
- 2020年4月14日
- 最終更新日
- 2020年6月18日
紹介
好評の《治療ポイントシリーズ》第8弾。
夢は、心の病を抱えて苦しむ患者の治療を助け、希望を与え、また患者自身が意識していない重要な何かに気づかせてくれます。ただし、そのためには、患者にとって適切な夢の解釈や治療をする必要があります。著者はこれまで1万5千人以上の患者に接し、聴取した夢の数は5万以上にのぼります。その経験から、本書では心理療法における夢治療のポイントを専門家だけでなく、夢に関心のある一般の方々にもわかりやすく解説します。
せっかく素晴らしい夢を見ても、それを有益に利用できないことは多いものです。「夢を活かす」には、夢の価値を知り、意味を理解し、自分の人生に有益なかたちで活かすのを助ける援助者が必要なのです。
本書の第1章では、夢の治療ポイントの理論と、実際の臨床における夢の利用のしかたについて述べます。
第2章と第3章では、さまざまな心の病において、夢がどのような治療的役割を果たすのかを事例をもとに詳しく見てゆきます。
第4章では、夢を利用するためにはどうすればよいかを解説します。
第5章では、夢の表している象徴の意味と重要性について述べます。
本書は、「わかりやすさ」「有用さ」「面白さ」の3点を目指し、実際に夢がどのように役立ったのか、心の病に苦しむ人が夢によってどのように救われ、立ち直っていったのかを、多くの実例とともに示しています。
夢に関心のある人はもちろん、人生の岐路に立ったり、心の病で苦しんでいる人、夢分析をしたり夢を心の治療に利用したいと思っている臨床家、あるいはこれから心の臨床家を目指そうとしている人などにも、ぜひお薦めしたい一冊です。
目次
まえがき
第1章 臨床における夢~夢の治療的役割
1 心理治療における夢の役割
1 夢の治療的意味
2 夢治療の技法(夢をどう治療に役立てるか)
1 治療の基本原則と夢利用
2 治療の基本作業
3 夢治療の実際
【夢治療の始まり】
【夢の扱い方】
【ユングの弁証法的対話治療と共同連想】
【初回夢の重要性】
【夢が多すぎる場合】
【夢治療が治療の抵抗になる場合】
【夢分析を禁止した方がいい場合】
3 夢治療の実例に関して
1 患者の夢
【行為の夢】
【感情の夢】
【場所、自然、風景の夢】
【金銭、飲食物、小道具、乗り物、身近な物、大事な物】
【人物、身体の夢】
【動植物の夢】
【空想、超自然】
第2章 夢治療事例1~要約的事例
1 夢治療の実例について
1 患者の夢について~夢は「意識に至る王道」
【事例A 自己愛パーソナリティ障害とうつ症状の男性】
【事例B うつ状態と男性恐怖症の大学生】
【事例C 不安神経症(全般性不安障害)の夢治療】
【事例D 重症うつ病からの生還】
【事例E 治療意欲が出てきた統合失調症】
【事例F 夢分析を禁止した統合失調症事例】
【事例G 夢により行動化が抑えられている例】
【事例H 心因性疼痛に悩む女性の夢】
第3章 夢治療事例2~詳細事例
1 強迫とうつ状態を呈した女性の例
【事例Ⅰ 前景に脅迫症状のあった慢性うつ病の事例】
2 離人症状を伴う遷延うつ病治療者における夢利用
【事例J 離人神経症(うつ状態が背後にあった)の事例】
3 長期の腰痛を伴う遷延うつ病治療における夢利用
【事例K 慢性腰痛を訴え続けた女性の十五年の治療過程】
4 境界例治療と水の夢
【事例L 水の夢と壮絶な告白体験を通して治療が好転した境界例事例】
5 夢の治癒力~魅力的な夢を多く算出した例
【事例M うつ病からの脱出を助けた十二の夢】
第4章 夢利用(役立つ夢占い)のために
1 夢占いの本
1 夢占い師や夢解読者の夢に対する見解
【夢は素晴らしい、大事なもの】
【夢のもたらすもの、夢が大事である根拠】
2 夢占い(夢解釈、夢判断)の仕方
1 正しい夢占いとは?
2 夢を見る方法、夢の思い出し方
3 夢の記録の仕方
4 夢に関する連想を引き出す方法
5 夢占いの目的・梅見手の状況を知る
第5章 象徴と自己実健(他者実現)
1 象徴の問題は複雑で重要
1 象徴の複雑さ
2 象徴とは?
3 象徴の役割
4 夢は何故象徴の形を取るのか?
2象徴と症状、治癒、自己実現(他者実現)との関係
1 治癒とは自己実現
2 自己実現とは?
3 自己実現を妨害するもの
4 自己実現を助けるもの
5 自己実現は他者実現(世界実現・関係性実現)
6 象徴と自己実現
【事例O 行き詰った学者の自己実現】
7 象徴や自己実現はいたるところにある
上記内容は本書刊行時のものです。