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北に渡った言語学者 板垣 竜太(著/文) - 人文書院
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北に渡った言語学者 金壽卿1918-2000

歴史・地理
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発行:人文書院
四六判
縦194mm 横135mm 厚さ30mm
重さ 495g
370ページ
定価 4,500円+税
ISBN
978-4-409-52087-1   COPY
ISBN 13
9784409520871   COPY
ISBN 10h
4-409-52087-3   COPY
ISBN 10
4409520873   COPY
出版者記号
409   COPY
Cコード
C3021
専門 単行本 日本歴史
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2021年7月29日
書店発売日
登録日
2021年5月21日
最終更新日
2021年5月21日
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紹介

北朝鮮に生きた天才言語学者の生涯を通して描く、壮大な20世紀史

ソシュールの翻訳で知られる小林英夫の教えを受け、朝鮮語学の確立に貢献した天才言語学者、金壽卿(キム スギョン)。しかしその人生は、戦火と冷戦に翻弄され波瀾に満ちたものであった。若くして10数ヵ国語を操り、構造主義をはじめとする最新の学術に精通したその才能がたどる苦難には、20世紀のすべてが凝縮されている。知への情熱、家族との離散、社会主義体制下での制約と創造。歴史と思想がなだれ込む圧倒的評伝。

金壽卿(キム スギョン)/1918年、朝鮮の江原道で出生。1940年に京城帝大(哲学科)を卒業後、東京帝大大学院(言語学講座)進学。1944年に京城帝大・嘱託。朝鮮解放後の1946年に越北し、創立したばかりの金日成綜合大学の教員となる。若くして朝鮮語学講座長となり、国の正書法や朝鮮語文法の確立に中心的な役割を果たす。1950年、朝鮮戦争の勃発後に家族と離散。1968年に学界から一度姿を消すが、約20年後に復帰。名誉が回復され、本人を主人公とした実話小説まで出される。2000年逝去。

第1章 植民地のポリグロット
 1 為すより先に在る
 2 言語学への道
 3 ことばと思想

I 構造と歴史――金壽卿言語学のはじまり
 1 構造言語学と史的言語学
 2 訓民正音と音韻論
 3 朝鮮語史を現代に接続する

第2章 解放と越北
 1 三八度線を越えるまで
 2 越北後の活動
 3 言語政策と政治

Ⅱ 朝鮮語の〈革命〉――規範を創出する
 1 新たな文字体系と金枓奉の文字思想
 2 正書法改革と形態主義
 3 朝鮮語文法の構築
 4 ソビエト言語学受容の脈絡

第3章 リュックのなかの手帖――朝鮮戦争と離散家族
 1 回顧録の生成――家族離散の原点を回想する
 2 文体とリアリティ
 3 手記に刻まれた戦場

第4章 朝鮮戦争下の学問体制再編
 1 戦時下の綜合大学
 2 科学院の出帆
 3 スターリン言語学論文のインパクト

Ⅲ 民族の言語とインターナショナリズム
 1 スターリン論文の受容
 2 朝鮮語学の再定立――ラディカルな品詞論
 3 形態主義のポリティクス

第5章 政治と言語学
 1 文字改革の政治的位相
 2 政治的批判と言語学的批判
 3 金壽卿、学界から姿を消す

Ⅳ 〈主体〉の朝鮮語学
 1 文法理論の〈主体〉確立をめぐって
 2 朝鮮語文体論の構築
 3 朝鮮語学の〈主体化〉

第6章 再会と復権
 1 移住と定住、離散とつながり
 2 再び見いだされた時間

目次

はじめに

第1章 植民地のポリグロット
1 為すより先に在る
2 言語学への道
3 ことばと思想

I 構造と歴史――金壽卿言語学のはじまり
1 構造言語学と史的言語学
2 訓民正音と音韻論
3 朝鮮語史を現代に接続する

第2章 解放と越北
1 三八度線を越えるまで
2 越北後の活動
3 言語政策と政治

Ⅱ 朝鮮語の〈革命〉――規範を創出する
1 新たな文字体系と金枓奉の文字思想
2 正書法改革と形態主義
 2‐1 頭音の固定表記
 2‐2 絶音符の導入
 2‐3 新六字母の導入
 2‐4 形態主義の二つの系譜
3 朝鮮語文法の構築
 3‐1 『朝鮮語文法』の成立過程
 3‐2 『朝鮮語文法』の特色
4 ソビエト言語学受容の脈絡

第3章 リュックのなかの手帖――朝鮮戦争と離散家族
1 回顧録の生成――家族離散の原点を回想する
2 文体とリアリティ
3 手記に刻まれた戦場
 3‐1 南へ
 3‐2 北への後退
 3‐3 再びの「南進」

第4章 朝鮮戦争下の学問体制再編
1 戦時下の綜合大学
2 科学院の出帆
3 スターリン言語学論文のインパクト

Ⅲ 民族の言語とインターナショナリズム
1 スターリン論文の受容
2 朝鮮語学の再定立――ラディカルな品詞論
3 形態主義のポリティクス

第5章 政治と言語学
1 文字改革の政治的位相
2 政治的批判と言語学的批判
3 金壽卿、学界から姿を消す

Ⅳ 〈主体〉の朝鮮語学
1 文法理論の〈主体〉確立をめぐって
 1‐1 吐をめぐる論争
 1‐2 形態論における〈主体〉
2 朝鮮語文体論の構築
 2‐1 文体と文風
 2‐2 金壽卿の文体論
3 朝鮮語学の〈主体化〉
 3‐1 正書法の再改革
 3‐2 朝鮮語学史の革命伝統化
 3‐3 理論的権威の一元化

第6章 再会と復権
1 移住と定住、離散とつながり
 1‐1 朝鮮戦争前の移住と家族
 1‐2 朝鮮戦争と離散
 1‐3 南への定着と北米への移民
 1‐4 文通と再会の実現
2 再び見いだされた時間
 2‐1 活動再開と復権
 2‐2 朝鮮語史への回帰
 2‐3 黄昏

おわりに

著作目録・年譜
参考文献

著者プロフィール

板垣 竜太  (イタガキリュウタ)  (著/文

板垣 竜太(いたがき・りゅうた)
1972年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科文化人類学コース・博士(学術)。現在、同志社大学社会学部教授。著書に『朝鮮近代の歴史民族誌:慶北尚州の植民地経験』(明石書店、2008年)、共編著に『東アジアの記憶の場』(河出書房新社、2011年)、『Q&A 朝鮮人「慰安婦」と植民地支配責任』(増補版、御茶ノ水書房、2018年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。