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神々は真っ先に逃げ帰った
棄民棄兵とシベリア抑留
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2020年5月8日
- 書店発売日
- 2020年5月8日
- 登録日
- 2020年3月31日
- 最終更新日
- 2021年10月8日
書評掲載情報
2020-06-27 |
日本経済新聞
朝刊 評者: 川崎賢子(文芸評論家) |
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紹介
日ソ戦争、抑留、そして戦後。捕虜たちはどう生き延び自分と社会をみつめたか?
著者は歴史家として、シベリア抑留を北東アジアの歴史と地政学のなかに置き直し、分析に有効な例として香月泰男、高杉一郎、石原吉郎を選び出した。苛酷な抑留体験をした彼らの戦中戦後をセンシティブにたどりながら、喪失の意味をさぐる。国家が責任をとらずに、特権階級だけが真っ先に難を逃れる構造はいまもかわらない。
目次
謝辞
日本語版への謝辞
用語解説と凡例
地図
序章:神々は真っ先に逃げ帰った
第二章 歴史の中のシベリア抑留
皇族宮の話/日ソ戦争の実態/日本降伏の決定的要因は?/熱戦から冷戦へ/日ソ紛争:前史から本史へ
捕虜のソ連移送・抑留へ/動機としての労働力不足/記憶される抑留
第三章 香月泰男とラーゲリの世俗的世界
世俗的なもののイコン/赤い屍体/「私のヴィジョンは十倍にもなった」/「シベリア・スタイル」/イメージからテキストへ/芸術家の責任/私しかとらえられない美しさ
第四章 苦しんで得られた知―高杉一郎とシベリアの「民主運動」
ヨシフ・ヴィッサリオーノヴィチ〔スターリン〕に感謝する!/ヒューマニストがラーゲリを解釈する/シベリア、民主主義の学校/小川五郎が高杉一郎に/極光のかげに/地獄の門/洞察に向かって/帰還へ向けて/苦しんで得られた知
第五章 石原吉郎―最も良き私自身は帰って来なかった
プロローグ:石原吉郎とヴィクトル・フランクル/生き残った者の疑問/記憶の原始的蓄積/
石原の前半生/ラーゲリ生活/石原の最低点への落ち込み/鹿野武一、謎の男/これがダモイか?
終章 藤原ていー引揚者たちの苦難
スターリンが配慮しなかった人民/生きるための戦い:『流れる星は生きている』
生き残りの意味とメッセージ
註
文献
訳者あとがき
付表---何人捕われ、何人死んだか?
上記内容は本書刊行時のものです。