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核の恐怖全史
核イメージは現実政治にいかなる影響を与えたか
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2017年7月20日
- 登録日
- 2017年6月6日
- 最終更新日
- 2021年10月14日
紹介
核のイメージは、いかに思考を左右し、政治を動かしたか。アメリカを代表する科学史家が、膨大な資料探索と広範な知見をもとに、フィクションから国際政治まで含め、壮大なスケールで描き出す核表象の歴史。福島第一原発事故とその後の動きを踏まえ、全面的に改稿された決定版。
目次
はじめに
第1章 放射線を帯びた希望
核エネルギーへの畏怖と希望/元素転換の発見/錬金術、そして黙示録との関わり
第2章 放射線を帯びた恐怖
「最終兵器」をめぐる議論/世界の終わりの想像力/科学技術への愛憎
第3章 ラジウムは万能薬か? あるいは毒か?
ラジウムへの熱狂/生命に関する神話/
光線をめぐる信仰/不安を凌駕したラジウムへの期待
第4章 秘密・全能者・怪物
禁断の秘密への接触/科学者と怪物の同一性/ステレオタイプ化された科学者たち
第5章 世界の破壊者
核分裂の発見とマンハッタン計画/原爆投下への経緯/史上初の核実験
第6章 広島からのニュース
原爆投下の衝撃/原爆の身体的・心理的影響/原子科学者たちの戦後構想/核を管理せよ!
第7章 国防
民間防衛への取り組み/国防の手段としての水爆開発
第8章 平和のための原子力
初の水爆実験/科学技術のユートピア/実業家たちの動向
第9章 良い原子力、悪い原子力
平和利用キャンペーンの内実/キャンペーンの物語構造
第10章 新たな冒涜
核実験と放射性降下物/核の恐怖と特撮映画/巨大生物とマッド・サイエンティスト
第11章 死の灰
日本の反核運動/遺伝子損傷の不安/放射性降下物のリスク/恐怖の「置き換え」
第12章 生存の想像力
『渚にて』と世界の終わり/廃墟のイメージと田園風景への憧憬/核戦争を描いたフィクション
第13章 生存の政治学
反核運動の再高揚/シンクタンクと核戦略の狂気
第14章 シェルターを求めて
核シェルターの「ブーム」/キューバ危機/関心の急激な低下
第15章 フェイル・セイフ
小説『フェイル・セイフ』/原子炉の管理/高速増殖炉への期待と不安
第16章 原子炉の恩恵と弊害
原発設置反対運動/多様な原発PR
第17章 過熱する論争
ABM論争/原子炉から出る放射性物質をめぐる論争
核兵器の恐怖から原発の恐怖へ/環境保護運動の台頭
第18章 エネルギーの選択
リスクとベネフィット/原発と他産業との比較/
若者たちの異議申し立て/ヴィ―ル原発反対闘争
第19章 文明か解放か
対立が二極化する要因/スリーマイル島での原発事故
第20章 時代の転換
新冷戦と反核運動/スター・ウォーズ計画/チェルノブイリ
第21章 第二の核時代
「原子力ルネッサンス」と最終処分場/退潮する核のテーマ
フクシマがもたらしたもの/原発と原爆
第22章 核兵器の脱構築
継承された核の物語/核のリアリティーの希薄化
ポストモダンの核イメージ
第23章 暴君とテロリスト
独裁者によるテロリスト集団への支援
冷戦終戦後の新たな敵/テロリストとスパイ
九・一一の衝撃/「大量破壊兵器」の嘘とイラク侵攻
第24章 現代の秘薬
秘薬となった核エネルギー/UFO現象が意味したもの
核エネルギーを表す様ざまなシンボル
第25章 美的な元素転換
「不安の時代」の到来/地球温暖化という新たな不安
訳者あとがき
著者の個人的ノート
原注
索引
上記内容は本書刊行時のものです。