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感染症社会
アフターコロナの生政治
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2020年7月7日
- 書店発売日
- 2020年7月7日
- 登録日
- 2020年5月27日
- 最終更新日
- 2021年10月8日
紹介
混乱の本質とは何か、そしてこの先にある世界とは
新型コロナウイルスは何度も繰り返されてきたパンデミックに過ぎないのか? 医師であり注目の医療社会学者でもある著者が、COVID-19に関する医学的知見と発生以来の経緯、そして社会学的分析をふまえ、事態を総合的に捉える迫真の論考。
「もし、COVID-19が諸国民の間を徘徊して恐怖をかき立てる妖怪なのだとすれば、〈感染症〉とは何よりも政治学の対象であって、医学と生物学の対象ではない。それは、チェルノブイリ原発、地球温暖化、エイズ、金融不安、テロ・ネットワークなど、次々に出没しては人々の脳髄を恐怖によって押さえつけて支配するスペクタクルの歴史にこそ位置づけられるべきものなのであり、医学史や環境史の一頁ではないのだ。」(本書より)
◎目次
第一章 感染症という妖怪
第二章 COVID‐19の誕生――パンデミック以前
第三章 コロナウイルスは存在する
第四章 感染源の図像学――クラスター対策とスーパースプレッダー
第五章 感染までのディスタンス
第六章 隔離・検疫の哲学と生政治
エピローグ 二〇〇九年には喜劇として、二〇二〇年には悲劇として
補論 感染症映画をみる
目次
第一章 感染症という妖怪
パンデミックと人文知/ゼンメルヴァイスと医療崩壊/孤絶が終わったとき大量死が始まる/二一世紀のコロンブス的交換?/本書の構成(コンスティテューション)
第二章 COVID‐19の誕生――パンデミック以前
グラウンド・ゼロ武漢、二〇二〇年一月初旬/公式確認前の新型肺炎のようなもの、二〇一九年末/病原体コロナウイルスの起源、ゼロ年代/武漢「封城」と世界への拡大、二〇二〇年一月中旬から下旬/隔離・検疫から国境の強化へ、二〇二〇年二月から三月/COVID‐19肺炎パンデミック、二〇二〇年三月一二日
第三章 コロナウイルスは存在する
病原体コロナウイルスの発見、二〇二〇年一月二四日/二つの論文を並べ読みする/新型肺炎コロナウイルス/アクターとしての新型コロナウイルス/ウイルスの認識論/存在か痕跡か、それが問題だ/不顕性感染という問題
第四章 感染源の図像学――クラスター対策とスーパースプレッダー
病気と逸脱/犠牲者非難の二つの形/クラスター対策という犯人捜し/クラスターと三密/SARSの歴史・物語/SARS拡大とスーパースプレッダー/クラスター対策の起源
第五章 感染までのディスタンス
中国封じ込め「成功」とは/非製薬的介入(NPI)とは/歴史が教えてくれること/イギリスでの集団免疫論争/ポスト封じ込めのシナリオ/NPIと生政治/NPIの条件
第六章 隔離・検疫の哲学と生政治
感染症が「近代」をつくる/公衆衛生と社会防衛/生政治と社会的排除/感染症と他者/生政治と人種主義/隔離・検疫の変容と身体情報の生政治/モニタリング監視の未来
エピローグ 二〇〇九年には喜劇として、二〇二〇年には悲劇として
今そこになかった危機、新型インフルエンザ二〇〇九/グローバル生政治のなかでのWHOと中国/パンデミックの政治経済学/感染症はリスクのように構造化されている
補論 感染症映画をみる
意味としての感染症/『アンドロメダ…』に始まる/感染症の制圧『アウトブレイク』/米国に侵入したエボラ出血熱/『感染列島』/超リアル感染症映画『コンティジョン』/ワクチン実用化をめぐる問題/反体制派の言い分/略奪の町と『ザ・クレイジーズ』/『28日後…』と『28週後…』/『ブラインドネス』の疫病/『見ること』の政治
あとがき
参考文献
上記内容は本書刊行時のものです。