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やっと訪れた春に
発行:祥伝社
四六判
定価
1,600円+税
- 初版年月日
- 2022年7月20日
- 書店発売日
- 2022年7月13日
- 登録日
- 2022年6月21日
- 最終更新日
- 2022年6月27日
書評掲載情報
2022-10-01 |
日本経済新聞
朝刊 評者: 末國善己(文芸評論家) |
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紹介
男は、生きるのがどこまでも下手だ。
二人の藩主を擁する橋倉藩。
割れて当たり前の藩を割れさせぬ――
重すぎる命を課された近習目付たちの命運は。
名もなき武家と人々の生を鮮やかな筆致で映し出す。
橋倉藩の近習目付を勤める長沢圭史と団藤匠はともに齡六十七歳。本来一人の役職に二人いるのは、本家と分家から交代で藩主を出す――藩主が二人いる橋倉藩特有の事情によるものだった。だが、次期藩主の急逝を機に、百十八年に亘りつづいた藩主交代が終わりを迎えることに。これを機に、長らく二つの派閥に割れていた藩がひとつになり、橋倉藩にもようやく平和が訪れようとしていた。加齢による身体の衰えを感じていた圭史は「今なら、近習目付は一人でもなんとかなる」と、致仕願を出す。その矢先、藩の重鎮が暗殺される。いったいなぜ――隠居した身でありながらも、圭史は独自に探索をはじめるが……。
上記内容は本書刊行時のものです。