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ドイツ文学と映画
- 初版年月日
- 2024年11月30日
- 書店発売日
- 2024年11月6日
- 登録日
- 2024年9月19日
- 最終更新日
- 2024年10月24日
紹介
ドイツ文学と映画の関係を、アダプテーション研究の視点から深く読み解く一冊。映画監督たちは、文学作品にどのように向き合い、それを映像として表現したのかを検討。『ニーベルンゲン』や『ファウスト』、『ベニスに死す』、『変身』、『ブリキの太鼓』、『愛を読むひと』など、ドイツ語圏の名作を厳選し、その映画化作品を分析します。
目次
はしがき
『ニーベルンゲンの歌』(13世紀初頭)
同時代的神話の創造
フリッツ・ラング監督『ニーベルンゲン』(1924):中世英雄叙事詩の戦間期におけるアダプテーション
山本 潤
ハインリヒ・フォン・クライスト『О侯爵夫人』(1808/10)
眼に映る天使と見えない悪魔
エリック・ロメール監督『О侯爵夫人』(1976)における性暴力と公共圏
西尾宇広
ヨーハン・ヴォルフガング・ゲーテ『ファウスト』(1808/1832)
権力者ファウストの物語
アレクサンドル・ソクーロフ監督『ファウスト』(2011)
山本賀代
ゲオルク・ビューヒナー『ヴォイツェク』(1836執筆)
貧しい民衆のドラマ
ヴェルナー・ヘルツォーク監督『ヴォイツェク』(1979)
市川 明
テオドーア・フォンターネ『エフィ・ブリースト』(1894)
プロイセン社会の硬直性を描く
ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督『フォンターネ エフィ・ブリースト』(1974)
竹田和子
トーマス・マン『ヴェネツィアに死す』(1912)
海辺の写真機
ルキノ・ヴィスコンティ監督『ベニスに死す』(1971)
山本佳樹
フランツ・カフカ『変身』(1912執筆)
演劇と映画のあいだで「虫けら」を表現する
ヴァレーリー・フォーキン監督『変身』(2002)
川島 隆
アルトゥア・シュニッツラー『夢小説』(1925)
機械のまなざしが顔に出会うとき
スタンリー・キューブリック監督『アイズ・ワイド・シャット』(1999)
満留伸一郎
ベルトルト・ブレヒト/クルト・ヴァイル『三文オペラ』(1928)
音楽劇『三文オペラ』の映画化
ゲオルク・ヴィルへルム・パプスト監督『3文オペラ』(1931)
市川 明
アルフレート・デーブリーン『ベルリン・アレクサンダー広場』(1929)
ファスビンダーにおける文学映画化の特殊性
ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督『ベルリン・アレクサンダー広場』(1979-80)を例に
渋谷哲也
エーリヒ・ケストナー『エーミールと探偵たち』(1929)ほか
映画化とリメイクの力学
ケストナー児童文学の映画化にみる社会学
山本佳樹
アンナ・ゼーガース『トランジット』(1944)
トランジット空間に生きる人々
クリスティアン・ペツォルト監督『未来を乗り換えた男』(2018)
香月恵里
フリードリヒ・デュレンマット『老貴婦人の訪問』(1956)
アフリカ版『老貴婦人の訪問』
ジブリル・ジオップ・マンベティ監督『ハイエナ』(1992)
増本浩子
ギュンター・グラス『ブリキの太鼓』(1959)
オスカルはなぜ子どものまま、成長しなかったのか?
フォルカー・シュレンドルフ監督『ブリキの太鼓』(1979):文学と映画の対話
依岡隆児
クリスタ・ヴォルフ『引き裂かれた空』(1963)
分断が消滅する映像的瞬間
コンラート・ヴォルフ監督『引き裂かれた空』(1964)
宮崎麻子
ペーター・ハントケ『不安 ペナルティキックを受けるゴールキーパーの……』(1970)
ブロッホは何を見たか
ヴィム・ヴェンダース監督『ゴールキーパーの不安』(1972)
山本佳樹
エルフリーデ・イェリネク『ピアニスト』(1983)
ピアノ教授に一本の赤い薔薇は手渡されない
ミヒャエル・ハネケ監督『ピアニスト』(2001)
中込啓子
パトリック・ジュースキント『香水 ある人殺しの物語』(1985)
嗅覚を視覚化する試み
トム・ティクヴァ監督『パフューム ある人殺しの物語』(2006)
増本浩子
ベルンハルト・シュリンク『朗読者』(1995)
ミヒャエルは「愛」を読んだのか?
スティーヴン・ダルドリー監督『愛を読むひと』(2009)
松永美穂
上記内容は本書刊行時のものです。