書店員向け情報 HELP
出版者情報
書店注文情報
イギリス文学と映画
- 初版年月日
- 2019年10月15日
- 書店発売日
- 2019年10月1日
- 登録日
- 2019年9月5日
- 最終更新日
- 2019年9月5日
紹介
〈文学〉と〈映画〉との長く複雑な関係性、二者の交錯と葛藤が生み出した、クリエイティヴな〈翻案〉の歴史を読み解く。イギリス文学と映画との多様な関係を、アダプテーション研究の立場から精密に読解する。代表的イギリス文学作品とその映画版との比較研究を行う第1部と、一定のテーマやジャンルの観点から複数の作品を論じる第2部、そして全12のコラムから構成。『ハムレット』、『高慢と偏見』、『嵐が丘』などの古典から、近年の『わたしを離さないで』や『SHERLOCK』まで、多くの作品を紐解く。
目次
序章 いま、新たに「イギリス文学と映画」を学ぶために[秦 邦生]
第1部
1. オリヴィエの『ハムレット』とシェイクスピアのことば[桒山 智成]
コラム1 近年のシェイクスピア映画[岩田 美喜]
2. 疾走するフライデー、あるいは映像の誘惑
ルイス・ブニュエルによるダニエル・デフォー『ロビンソン・クルーソー』のアダプテーション[武田 将明]
コラム2 スコットランドの文学と映画[松井 優子]
3. 反復と差異の歴史性
ヘンリー・フィールディングの『トム・ジョウンズ』とトニー・リチャードソンの『トム・ジョーンズの華麗な冒険』[吉田 直希]
コラム3 詩と詩人と映画[岩田 美喜]
4. ポストフェミニズム時代の文芸ドラマ
ジェイン・オースティン『高慢と偏見』と1995年版BBCドラマ[高桑 晴子]
コラム4 文学アダプテーションとテレビドラマ[高桑 晴子]
5.呼びかける声に応えて/抗って
シャーロット・ブロンテとキャリー・フクナガの『ジェイン・エア』[木下 誠]
6. 二種の音楽によるエミリー・ブロンテ『嵐が丘』のラブストーリー化
ウィリアム・ワイラー監督『嵐が丘』[川崎 明子]
7. 「古さ」と「新しさ」のせめぎ合い
チャールズ・ディケンズとデイヴィッド・リーンの『大いなる遺産』[猪熊 恵子]
コラム5 D・H・ロレンスと映画[武藤浩史]
8.手の物語
アーサー・コナン・ドイル『緋色の研究』と『SHERLOCK』 第 1 話「ピンク色の研究」[大久保 譲]
9.メロドラマ性とメタ・メロドラマ性の相克
トマス・ハーディ『ダーバヴィル家のテス』とロマン・ポランスキー監督『テス』[松本 朗]
コラム6 ヘリテージ映画[松本 朗]
10. 盗まれた写真
オスカー・ワイルド『ウィンダミア卿夫人の扇』のルビッチ版における性愛と金銭[田中 裕介]
コラム7 LGBTと文学・映画[長島 佐恵子]
11. 複製技術時代の〈作者の声〉
ジョウゼフ・コンラッドの『闇の奥』からフランシス・コッポラ監督の『地獄の黙示録』へ[中井 亜佐子]
12. イライザの声とそのアフターライフ
ジョージ・バーナード・ショー『ピグマリオン』から『マイ・フェア・レディ』に至るヒロイン像の変遷[岩田 美喜]
コラム8 イギリス映画のなかの移民たち[板倉 厳一郎]
13. 死(者)の労働
ジョン・ヒューストンの『ザ・デッド』はジェイムズ・ジョイスの「死者たち」のテクスチュアリティにどこまで忠実であるのか[中山 徹]
14. 擦れ違いの力学
グレアム・グリーンの『権力と栄光』とジョン・フォードの『逃亡者』[小山 太一]
コラム9 南アフリカ英語文学は「南アフリカ英語映画」になる?[溝口 昭子]
15. 敵のいない戦場、死者のいない都市
J・G・バラードとスティーヴン・スピルバーグの『太陽の帝国』[秦 邦生]
16. 遅れてきた作家主義者
『贖罪』(イアン・マキューアン)の翻案としての『つぐない』(ジョー・ライト監督)[板倉 厳一郎]
第二部
1. 舞台から映画へ
ミッシング・リンクとしての19世紀大衆演劇[岩田 美喜]
コラム10 現代劇作家と映画脚本[岩田 美喜]
2. 時間旅行から「ポストヒューマン」まで
イギリスSF小説の伝統と映画の交錯[秦 邦生]
コラム11 中世英文学を題材にした映画に見られる「中世性」[唐澤 一友]
3. ゴシック小説からゴシック映画へ
《怪物》の示しうるもの[小川 公代]
コラム12 中世英文学とファンタジー文学・映画[唐澤 一友]
資料
映画用語集
索引(作品名、人名)
上記内容は本書刊行時のものです。