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「自分時間」を生きる
在日の女と家族と仕事
- 初版年月日
- 2020年4月24日
- 書店発売日
- 2020年4月22日
- 登録日
- 2020年2月21日
- 最終更新日
- 2020年4月15日
紹介
◉金石範(作家)氏推薦◉
ジェンダーを超えた人間解放を、しなやかで水晶体のような文体で示してくれる衝撃の書である。
「在日」のなかの女の位置、男の家庭内暴力。 日本社会の「在日」差別と抑圧のメカニズム。
それらは近代の植民地支配、帝国主義(男性優位)と“入れ子”構造になっていると、著者はジェンダーの視点で問い詰める。
一世の在日の男たちは、民族や国民や国家といった「大きな物語」を紡ぎながら、日本社会における在日の状況を考察し、不当な扱いに声をあげ、果敢に闘うことで在日が生きていける場(共同体)を死守してきた。
そうした男たちの闘いには正当性があり、大勢の在日が勇気づけられてきた。
一世の女たちは、日本国家を相手に闘う男たちを、「銃後の妻」よろしく、家庭を守ることで支えてきた。だが時代につれて在日の社会も変わる。表層的ではあっても「民主主義」の薫陶を受けた二世・三世の女たちは、等身大の自分たちが登場しない「大きな物語」に疑問を抱くようになっていった。
男たちの「大きな物語」に映しだされる「女」たちは、男たちに都合よく捏造された幻想(ファンタジー)の「女」でしかないことにも気づきはじめる。男たちの壮大な物語には、女たちの存在と現実がありのままに描かれていないというなら、生身の女たちの日常を照らしだす「小さな物語」を、自らの手で紡いでいくしかないと思いはじめたのだ。(序章より)
目次
序章:
1章:在日朝鮮人女一人会
・怒ってくれてありがとう――― 「あたりまえ」を問い直す
・女と家族と仕事
・出産と参政権
2章:在日の母語と母国語
・「国家語」の呪縛を超えて――舌のもつれを解く
3章: 旅のつれづれに
・アラート・ベイへの旅―― カナダ先住民の儀式「ポットラッチ」に参加して
・韓国済州島を訪ねて
4章:映画を巡る旅
・「その後」のその後 ―― 映画『バックドロップ・クルディスタン』を観て
・物語るわたしたち――Stories We Tell
・終章:「自分時間」を生きる
・コラム:在日の女たち
上記内容は本書刊行時のものです。