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自動車産業を支え続けて100年 黒子のモノづくり 長谷川 士郎(著/文) - 幻冬舎
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自動車産業を支え続けて100年 黒子のモノづくり (ジドウシャサンギョウヲササエツヅケテヒャクネン クロコノモノヅクリ)

ビジネス
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発行:幻冬舎
四六判
196ページ
定価 1,600円+税
ISBN
978-4-344-94748-1   COPY
ISBN 13
9784344947481   COPY
ISBN 10h
4-344-94748-7   COPY
ISBN 10
4344947487   COPY
出版者記号
344   COPY
Cコード
C0034  
0:一般 0:単行本 34:経営
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2024年10月30日
書店発売日
登録日
2024年10月30日
最終更新日
2024年10月30日
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紹介

檜舞台を陰から支える脇役の矜持とは?

日本車の躍進とともに成長を続けてきた部品メーカーの誇りと挑戦の物語

日本の基幹産業として、経済成長を牽引してきた自動車産業――。
 1970年代以降は日本車が世界を席巻し、日本が世界有数の経済大国へと上り詰める原動力となりました。その陰には、「Made in JAPAN」ブランドを守るため、世界一ともいえる高い要求に応え続けてきた多くの部品製造企業の存在があります。
2021年の調査によると、トヨタ自動車グループの下請け企業は全国で4万社以上にのぼります。これらの企業は、自動車産業という大舞台を支える「黒子」として重要な役割を果たしているのです。「黒子」は歌舞伎の黒衣に由来する言葉ですが、歌舞伎における黒衣は単なる裏方でなく、舞台進行を熟知し演者を補助する重要な役割を担っています。黒衣が演者とともに舞台全体の成功に責任を負うように、「黒子」である下請け企業も自動車メーカーとともに自動車という製品の品質に責任を負い、ともに作り上げているのです。
 著者が経営してきた「メイドー」もそんな自動車産業を支える下請け企業の一つです。同社はトヨタ自動車の創業以来、一次下請けとしてエンジンやブレーキといった重要なパーツに用いるボルトの製造を担い、自動車産業の成長を支えてきました。そして、一次下請けでありながら人材や資本をトヨタ自動車に頼らない自立したメーカーとしてモノづくりに取り組み、ともに歩むという立場で成長を続けてきました。現在ではボルト業界でトップクラスのシェアを誇っています。
 同社の作るボルトは、自動車の心臓ともいえる部分を支える部品ですが、もし生産したボルトの中にたった1本でも不良品があり、それが重大な事故につながったとしたら、何千万台の自動車に影響を及ぼしてしまいます。著者は、この責任を負い、魂を込めて最高の品質を追求し続ける姿勢がなければ、今日までの成長も、大手との信頼関係もあり得なかったと話します。
 本書では、トヨタ自動車をおよそ100年にわたって支え続け、ともに成長を続けてきた"黒子"の歩みを、「品質管理」「技術」「海外展開」「人材育成」といった切り口から一つひとつ紐解いていきます。
著者は、「“下請け企業だから”といって向上心を失うことなく、黒子であることの矜持をもって研鑽を続けてこそ、企業として成長できる」と訴えます。下請け企業のあるべき姿を見つめ直し、持続的な成長への道筋を探るための示唆に富んだ一冊となっています。

目次

はじめに

PART1 日本の自動車産業を支える陰の立役者
100年に一度の大変革期に入った自動車産業
国産自動車の黎明期から自動車用のねじを製造
軍需景気に沸くも空襲で工場が消失
経営危機のトヨタと取引を続ける覚悟
法人化に踏み切り生産規模を拡大
オリジナルのオートバイを販売するも失敗
伊勢湾台風で、工場が半壊
トヨタのおひざ元に工場を建設
貿易の自由化をきっかけに、品質管理を強化
オイルショックにより仕事が激減
下請けであっても、自らの会社は自分たちで守る
表面処理へ進出、事業の幅を広げる
トヨタが言っているわけではなく、担当者が言っているのに過ぎない
バブル崩壊を機に、人材獲得に注力
目指すは売上1000億円、「NO.1戦略」を発表

PART2 たった一つの不良品が何千万台の自動車に影響を及ぼす 一本のボルトに魂を込めて最高品質を追求する
毎日の改善の積み重ねが、未来を創る
トヨタ自動車が世界に誇る生産方式
下請け企業もトヨタ生産方式を導入し効率化を図る
賞を目標に、社員一丸となって改革に取り組む
TPMの意識が浸透し、生産性が30%向上
日頃の改善活動を支える、創意工夫提案とトップ点検
豊田章一郎氏の勧めで出会ったデミング賞
世界最高峰の品質管理賞、デミング賞への挑戦
品質は、工程によって作り込む
トヨタの下請け500社のなかで、2年連続MVPを受賞

PART3 技術革新なくして新製品は生まれない 次世代自動車の誕生を支えるために技術を磨き続ける
5つの技術工程を経て生まれる、最高のねじ
高品質なねじを量産できるのが技術の証明
冷間鍛造技術を活かし、自動車小物部品に進出
工場改革により、生産リードタイム24時間を実現
工場は外部の人に見てもらうべきである
技術の枠を集めた、メイドーの製品群
自社の発展だけではなく、同業他社との「共存共栄」を考える

PART4 MADE IN JAPANの自動車がグローバル市場で勝つために 海外の生産拠点を築き、スピーディーな納品でサポートする
国内産業の空洞化により、進んだグローバル展開
取引先からの依頼を受けアメリカに進出
「どうせやるなら、夢のある選択をしよう」
アメリカのボルト事業が軌道に乗らず、大赤字
ヨーロッパの環境規制で、表面処理事業に暗雲
企業理念の浸透こそ、海外進出成功の鍵

PART5 すべてのモノづくりはヒトづくりがあってこそ 最終製品のために仕事を磨き、仕事を磨くためにヒトを磨く
メイドーの成長を支えた、人材教育
メイドーフィロソフィで理念の浸透を図る
フィロソフィを示す、7つの具体例
「決められたことを守る」ための活動を推進
相手の心理に寄り添える営業担当者を育成
アメーバ経営の導入で、経営目線をもった社員を増やす

PART6 100年に一度の大変革期を迎えるモビリティー産業 常に変化し続けることで日本のモノづくりを牽引する
もはや止まらない「電気自動車シフト」
ピンチをチャンスに変え、これまでの殻を破る
目指すは世界一のイノベーション・コネクティング・カンパニー
下請けマインドではなくメーカーマインドをもつ
時代の先を見つめ、新たな市場に打って出る
MADE IN JAPANのモノづくりの誇りを胸に

おわりに

メイドーの沿革

著者プロフィール

長谷川 士郎  (ハセガワシロウ)  (著/文

長谷川 士郎(はせがわ・しろう)
株式会社メイドー代表取締役名誉会長
名城大学法商学部商学科を第6回生として卒業。兄の款一が2代目社長に就任した頃から社内の経営方針・経営戦略などをすべて執り行う。
名城大学スポーツ・文化後援会の初代会長を務め、その後学校法人名城大学理事会顧問、学校法人日本体育大学名誉顧問も務める。株式会社メイドーのほか、株式会社MCシステムズでも代表取締役名誉会長を務めている。

上記内容は本書刊行時のものです。