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医療に活かす生体医工学 日本生体医工学会(編集) - コロナ社
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医療に活かす生体医工学 (イリョウニイカスセイタイイコウガク)

工業・工学
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発行:コロナ社
A5判
縦210mm 横148mm
224ページ
定価 3,200円+税
ISBN
978-4-339-07247-1   COPY
ISBN 13
9784339072471   COPY
ISBN 10h
4-339-07247-8   COPY
ISBN 10
4339072478   COPY
出版者記号
339   COPY
Cコード
C3047  
3:専門 0:単行本 47:医学・歯学・薬学
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2020年11月30日
書店発売日
登録日
2020年9月24日
最終更新日
2020年11月11日
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紹介

医学生や高等教育機関における医工学専攻科,および工学部の学生が生体医工学に興味を持ち将来自分の研究専門分野にしたいと思ってもらえるよう,写真や図を使い工学技術の医療応用分野をわかりやすく興味が持てるよう解説。

【本書の内容】
第1章では,再生医療に用いる細胞と,その細胞または組織の製造に関する考え方,および培養工学の観点から特徴を解説。
第2章では,循環器系を例にとり,計測に基づく現象論的理解を主体とする医療と,力学解析に基づく理論的理解に重点を置くバイオメカニクスを結び付ける生体力学シミュレーションについて解説。
第3章では,医用画像を介して「人体の総合的理解」を深めることを目的とした新学術領域である多元計算解剖学を解説。
第4章では,多岐にわたる医療機器のうち生体計測機器に関して解説。
第5章では,外科的に切開することなく,カテーテルを用いて体の中の治療を行うインターベンションについて解説。特に循環器内科の領域である心血管系のインターベンションにフォーカスを当てて解説。
第6章では,ドラッグデリバリーシステムの中で近年注目を浴びているナノ粒子について,生体適合性の付与,血中滞留性や標的指向性などのターゲティングシステムについて紹介。
第7章では,外科手術において術野の解剖学的情報,機能情報などをその3次元位置情報と関連付けて術野に提示することで,術者による患部の位置,領域の正確な把握,損傷してはならない重要血管,重要組織などの正確な空間認識を支援し,外科手術を安全かつ確実に実施するためのナビゲーション技術について解説。
第8章では,医工連携に携わってきた外科医の立場から消化器領域の内視鏡外科手術について解説。
第9章では,泌尿器科領域における内視鏡手術と腹腔鏡手術について最近の知見を踏まえて紹介。
第10章では,世界でも卓越した内視鏡外科手術の技術を有するわが国の外科手術において,ロボット手術の果たす役割と今後の展望,および普及に向けた課題について解説。
第11章では,さまざまな人工臓器の現状を概説し,加齢による疾患で機能が廃絶されてしまった内臓の機能を代行し,あるいは支援することで,患者の生命予後を向上させ,QOLを改善する試みについて記載。
第12章では,埋植型電子機器の人工内耳および人工網膜について概説。
第13章では,ブレインマシンインタフェース(brain-machine interface,BMI)の出力型の体内埋込み型BMIについて概説。
第14章では,医療情報システムの中で電子カルテから医療評価・研究のためのデータ収集に焦点を当てて記載。
第15章では,医療機器承認審査の基本的な考え方を理解し,それに開発者としての適切な考え方について考察することを目指す。
第16章では,医学,医療の営みと親和性が高い計測と制御という工学的考え方の中から医師や医療従事者の方に知っておいていただきたい事項を選び,そのエッセンスを概説。

目次

1.再生医療
1.1 再生医療と組織工学(ティッシュエンジニアリング)
1.2 再生医療に用いる細胞
 1.2.1 多能性幹細胞
 1.2.2 間葉系幹細胞
1.3 細胞培養の特徴
1.4 細胞製造の考え方
1.5 おわりに
引用・参考文献

2.生体力学シミュレーション
2.1 計算モデルと解析手法
2.2 個別化医療支援に向けた生体力学シミュレーション
 2.2.1 4次元CT画像データに基づく左心房内血流解析
 2.2.2 脳動脈瘤治療支援のための計算力学シミュレーション
 2.2.3 血流のマルチスケールおよびマルチフィジックスシミュレーション
 2.2.4 全脳血液循環シミュレーション
引用・参考文献

3.多元計算解剖学:人体を総合的に理解する
3.1 新学術領域「多元計算解剖学」の確立
 3.1.1 新学術領域としての目的
 3.1.2 多元計算解剖学の概念
 3.1.3 多元計算解剖学の四つの軸と多元化
 3.1.4 生命理論の基盤構築
 3.1.5 解決すべき学術的課題
 3.1.6 国内外の計算モデルを用いた研究
3.2 将来への展開
 3.2.1 自然科学への展開
 3.2.2 人材育成
3.3 おわりに
引用・参考文献

4.医療機器
4.1 数値提供型生体計測機器
4.2 画像提供型生体計測機器
引用・参考文献

5.インターベンション
5.1 心臓カテーテルの歴史
5.2 インターベンションの歴史
5.3 冠動脈インターベンションの歴史
5.4 バルーンからステントへ
5.5 DES(薬剤溶出性ステント)の時代へ
5.6 post stentの時代へ
5.7 インターベンションにおけるimaging modality
5.8 冠動脈インターベンションから心血管インターベンションへ
5.9 インターベンショナリストのためのトレーニング
5.10 おわりに
引用・参考文献

6.ドラッグデリバリーシステム
6.1 生体適合性
6.2 ナノ粒子を用いたドラッグデリバリーシステム
6.3 ターゲティングシステム
6.4 外部刺激を組み合わせたターゲティングシステム
引用・参考文献

7.手術ナビゲーションシステム
7.1 手術ナビゲーションとは
7.2 手術ナビゲーションのための技術
 7.2.1 手術ナビゲーションに必要となる一般的処理
 7.2.2 手術ナビゲーションに求められる医用画像処理技術
 7.2.3 3次元位置姿勢計測技術
 7.2.4 剛体レジストレーションと非剛体レジストレーション
7.3 手術ナビゲーションシステムの利用形態
7.4 手術ナビゲーション技術の展開
引用・参考文献

8.内視鏡手術(消化器)
8.1 内視鏡外科手術の歴史と概要
8.2 内視鏡外科手術支援工学の発展と課題
8.3 内視鏡外科手術による外科臨床の変化と課題
8.4 内視鏡外科手術の教育と人間工学的課題
8.5 おわりに
引用・参考文献

9.内視鏡手術(泌尿器)
9.1 経尿道的尿管砕石術f-TUL
9.2 経尿道的切除術:TURとレーザ治療
 9.2.1 TUR手術の概要
 9.2.2 TURの原理
 9.2.3 レーザを用いた経尿道前立腺手術
9.3 腹腔鏡手術
 9.3.1 腹腔鏡手術の概要
 9.3.2 腹腔鏡手術に必要な機器
 9.3.3 腹腔鏡手術の利点と欠点
 9.3.4 根治的腎摘除術
 9.3.5 副腎摘除術
9.4 おわりに
引用・参考文献

10.ロボット手術
10.1 手術支援ロボットda Vinci®
10.2 術式の拡大
10.3 外科疾患に対するツールとしての手術支援ロボット
10.4 内視鏡外科手術適応拡大に対するメリット
10.5 高難易度手術に対するメリット
10.6 医療機器承認後から保険収載まで
10.7 今後の手術支援ロボットの開発
10.8 おわりに
引用・参考文献

11.人工臓器
11.1 各種人工臓器
11.2 人工心臓と補助循環
 11.2.1 大動脈内バルーンポンピング
 11.2.2 ECMO
 11.2.3 人工心臓
11.3 人工腎臓
11.4 人工食道
11.5 人工括約筋
11.6 ナノテク人工心筋
11.7 おわりに
引用・参考文献

12.埋植型電子機器
12.1 人工内耳
12.2 人工視覚
 12.2.1 網膜の構造
 12.2.2 人工視覚システムの構成
 12.2.3 人工視覚で知覚される映像
 12.2.4 人工視覚システムの種類
12.3 人工網膜の課題
12.4 おわりに
引用・参考文献

13.体内埋込み型ブレインマシンインタフェース
13.1 刺入針電極型と脳表電極型
13.2 脳情報の解読と制御皮質脳波を用いた運動内容の解読と制御
 13.2.1 脳情報の効率的抽出
 13.2.2 重症ALS患者に対する皮質脳波を用いたBMIの臨床研究
13.3 工学技術と医学応用の関連
引用・参考文献

14.医療情報システム:電子カルテによるデータ収集から人工知能応用へ
14.1 医療データ収集の必要性
14.2 医療データの電子化の経緯
14.3 医療の評価のためのデータ収集
 14.3.1 テンプレートによる構造化データ登録
 14.3.2 自然言語処理による非構造化データの構造化データへの変換
 14.3.3 分析用のデータベース(データウェアハウス)の構築
14.4 多施設での横断的なデータの収集
14.5 個人を軸とする縦断的なデータの収集
14.6 人工知能(AI)の医療への応用
14.7 おわりに
引用・参考文献

15.医療機器審査に関わる医療機器評価の考え方
15.1 医療機器承認要件とは
15.2 医療機器のリスク分類と規制
15.3 医療機器の評価に関する考察
 15.3.1 医療機器の性能評価において重要な視点
 15.3.2 GLP,GCP,GMP:医療機器安全規格はなぜあるのか
 15.3.3 医療機器の効果に関する明確化の重要性
 15.3.4 リスクマネジメントの重要性と進め方
 15.3.5 非劣勢という考え方
 15.3.6 市販後調査の重要性
15.4 おわりに
引用・参考文献

16.工学的基礎
16.1 静的システムと動的システム
16.2 線形システムと非線形システム
16.3 フーリエ解析:時間軸と周波数軸
16.4 フィードバック制御とフィードフォワード制御
16.5 生体システムの確率的振る舞い
引用・参考文献

索引

上記内容は本書刊行時のものです。