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水理学 山上 路生(著/文) - コロナ社
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水理学 (スイリガク) 試験対策から水理乱流現象のカラクリまで (シケンタイサクカラスイリランリュウゲンショウノカラクリマデ)

工業・工学
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発行:コロナ社
A5判
縦210mm 横148mm
230ページ
定価 3,000円+税
ISBN
978-4-339-05277-0   COPY
ISBN 13
9784339052770   COPY
ISBN 10h
4-339-05277-9   COPY
ISBN 10
4339052779   COPY
出版者記号
339   COPY
Cコード
C3051  
3:専門 0:単行本 51:土木
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2021年10月21日
書店発売日
登録日
2021年8月20日
最終更新日
2021年9月30日
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紹介

本書の読者の方々は,水理学の単位がほしい学生から,現象の本質まで詳しく知りたい学部生や大学院生,そして水工学の研究や実務の参考としたい研究者や技術者までさまざまであることを想定し,その目的に応じて学習がしやすいように2部構成とした。

第I部は水理学の全体像をつかんでもらえるよう,1章「静水力学」,2章「完全流体の力学」,3章「管路流れ」,4章「開水路流れ」,5章「次元解析・相似則」,6章「ポテンシャル流理論」の順に,それぞれポイントを整理し,例題を通して理解を深めることができるようにした。また,章末の演習問題には詳細な解答,解説を用意し,習熟度の確認および自習がしやすいよう配慮した。水理学の単位取得が目的であれば,この第I部を「水理学の試験対策編」として活用していただくのが有効である。

第II部は「水理学のカラクリ編」として,7章「静水の科学」,8章「完全流体の微分形表示」,9章「粘性流体の微分形表示」,10章「積分型水理公式の導出」,11章「層流と乱流」,12章「管路乱流」,13章「開水路乱流」,14章「複素速度ポテンシャルによる流れの数学的表現」の順に,流体力学的な視点から水理学で扱う公式や現象を詳しく解説した。例えばベルヌーイの定理など通常は暗記で済ます式形も,その導出や学術背景について述べ,水理学の理解をさらに深める内容とした。また乱流の基本的な考え方について,基礎方程式やその発生メカニズムなどについても扱った。とくに付録も含めて式展開も記載しているので,卒業研究や修士論文の一助にもなるだろう。第I部だけでは物足りない読者の方々には,関心のある章だけでも読んでいただくなど,第II部をおおいに活用していただきたい。

目次

第Ⅰ部 水理学の試験対策編
1.静水力学
1.1 静水圧
 1.1.1 静水圧とは
 1.1.2 鉛直平板に作用する静水圧
 1.1.3 曲面に作用する静水圧
1.2 相対的静止
1.3 浮体の安定
 1.3.1 浮体の傾きと傾心(メタセンター)
 1.3.2 浮体安定性の判定式
演習問題
2.完全流体の力学
2.1 完全流体とは
2.2 完全流体の3大保存則
 2.2.1 完全流体の保存則
 2.2.2 連続式(質量保存則)
 2.2.3 ベルヌーイの定理(エネルギー保存則)
 2.2.4 運動量式(運動量保存則)
演習問題
3.管路流れ
3.1 管路流れとは
3.2 定常管路流れの基礎式
 3.2.1 連続式
 3.2.2 エネルギー式
 3.2.3 運動量式
3.3 損失水頭
 3.3.1 形状損失
 3.3.2 摩擦損失
3.4 壁面せん断応力とエネルギー勾配
3.5 流速公式
3.6 並列管路
演習問題
4.開水路流れ
4.1 開水路流れとは
4.2 基礎方程式
 4.2.1 開水路の連続式
 4.2.2 比エネルギーとエネルギー損失
 4.2.3 比力と運動量保存則
4.3 等流
 4.3.1 等流とは
 4.3.2 抵抗則と流速公式
4.4 不等流1―漸変流と水面形―
 4.4.1 水面形方程式
 4.4.2 等流水深
 4.4.3 限界水深
 4.4.4 常流と射流
 4.4.5 限界水深と水面形の分類
4.5 不等流2―急変流と跳水―
演習問題
5.次元解析・相似則
5.1 次元解析
 5.1.1 レイリーの方法
 5.1.2 バッキンガムのπ定理
5.2 相似則
 5.2.1 実物と模型の相似
 5.2.2 水理学でよく使う無次元数
演習問題
6.ポテンシャル流理論
6.1 流れの可視化と流線
6.2 渦度と速度ポテンシャル
6.3 流れ関数と連続式
6.4 複素速度ポテンシャルによる流れの表現
 6.4.1 複素速度ポテンシャルの定義
 6.4.2 極座標表示
演習問題
第Ⅱ部 水理学のカラクリ編
7.静水の科学
7.1 静水に作用する力
7.2 静水圧の大きさと方向
7.3 表面張力
 7.3.1 界面
 7.3.2 ぬれと接触角
 7.3.3 毛細管現象
8.完全流体の微分形表示
8.1 流体運動の微視的表現
8.2 連続式の微分形表示
 8.2.1 縮約表記と座標系
 8.2.2 連続式の微分形表示
8.3 運動方程式の微分形表示(オイラー方程式)
 8.3.1 流体運動の観察と加速度の表現
 8.3.2 運動方程式の微分形表示
9.粘性流体の微分形表示
9.1 粘性流体の運動方程式
9.2 せん断応力
9.3 垂直応力
9.4 微小流体塊に作用する粘性応力
9.5 ナビエ・ストークス方程式
9.6 粘性係数と動粘性係数
9.7 粘性と渦なしの解釈
10.積分形水理方程式の導出
10.1 ベルヌーイ式の導出
 10.1.1 質点系のエネルギー保存則に基づく方法
 10.1.2 運動方程式からの導出(定常仮定)
10.2 水深積分方程式(浅水方程式)の導出
 10.2.1 準備
 10.2.2 浅水方程式の導出
 10.2.3 非定常ベルヌーイ式の導出
参考文献
11.層流と乱流
11.1 層流と乱流について
11.2 乱流の基本的特性
 11.2.1 乱流の性質
 11.2.2 乱流の発生
 11.2.3 乱流の拡散
 11.2.4 乱流のスケーリング事例
 11.2.5 マルチスケール特性と最小渦
11.3 乱流の運動
 11.3.1 エネルギー勾配と流速の関係
 11.3.2 乱流の運動方程式(RANS方程式)
 11.3.3 レイノルズ応力
 11.3.4 渦動粘性モデル
11.4 境界層理論1―壁面の影響がどこまで及ぶか?―
 11.4.1 レイリーの問題(一定速度で動き出す平板上の流れ)
 11.4.2 層流境界層への応用
11.5 境界層理論2―境界層近似―
 11.5.1 境界層厚さの定義
 11.5.2 境界層近似と境界層方程式
 11.5.3 カルマンの積分方程式
11.6 境界層理論3―乱流境界層と乱れの発生―
 11.6.1 層流境界層から乱流境界層への遷移
 11.6.2 乱流境界層の発達
 11.6.3 乱流の発生―オア・ゾンマーフェルド方程式とレイリーの変曲点
不安定理論―
 11.6.4 ケルビン・ヘルムホルツ不安定理論
12.管路の乱流
12.1 管路の流速分布
 12.1.1 層流の場合
 12.1.2 乱流の場合
12.2 乱れによる摩擦損失
 12.2.1 層流の場合
 12.2.2 乱流の場合
12.3 乱れによる形状損失
 12.3.1 急拡の場合
 12.3.2 急縮の場合
13.開水路の乱流
13.1 開水路と境界層
13.2 開水路乱流の基礎式(鉛直2次元)
13.3 混合距離モデル
13.4 流速分布
 13.4.1 壁法則
 13.4.2 内層
 13.4.3 外層
13.5 乱れの構造
 13.5.1 乱れ統計量の水深方向分布
 13.5.2 平均流と乱れの輸送方程式
 13.5.3 水深方向の乱れエネルギー平衡
13.6 組織構造
参考文献
14.複素速度ポテンシャルによる流れの表現
14.1 流れの数学的表現
14.2 複素関数とコーシー・リーマンの関係
 14.2.1 あらためて複素数とは?
 14.2.2 数直線
 14.2.3 複素平面
 14.2.4 オイラーの公式
 14.2.5 複素関数の描画
 14.2.6 複素関数の微分可能性とコーシー・リーマンの関係式
14.3 流線の定義と流れ関数
14.4 渦度の定義と速度ポテンシャル
 14.4.1 渦度の概念
 14.4.2 速度ポテンシャル
 14.4.3 渦度と速度ポテンシャルの関係
 14.4.4 等ポテンシャル線と流線の関係
14.5 複素速度ポテンシャルによる流れの表現
 14.5.1 複素速度ポテンシャル
 14.5.2 基本的な流れ場の例
 14.5.3 重ね合わせによる複雑流れの例
付録
A.1 断面2次モーメント
A.2 せん断応力とひずみ角の関係
A.3 ライプニッツ則
A.4 ケルビン・ヘルムホルツ不安定理論
A.5 レイノルズ分解
 A.5.1 レイノルズ平均
 A.5.2 連続式のレイノルズ平均
 A.5.3 ナビエ・ストークス方程式のレイノルズ平均(RANS方程式の導出)
 A.5.4 縮約表記
演習問題解答
索引

上記内容は本書刊行時のものです。