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自動車の操縦安定性 菅沢 深(著/文) - コロナ社
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書店員向け情報

自動車の操縦安定性 運動性能の力学的理解

工業・工学
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発行:コロナ社
A5判
縦210mm 横148mm
240ページ
定価 3,500円+税
ISBN
978-4-339-04674-8   COPY
ISBN 13
9784339046748   COPY
ISBN 10h
4-339-04674-4   COPY
ISBN 10
4339046744   COPY
出版者記号
339   COPY
Cコード
C3053
専門 単行本 機械
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2021年10月17日
書店発売日
登録日
2021年8月21日
最終更新日
2021年9月17日
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紹介

【本書の特徴】
本書が扱う内容は,自動車の操縦安定性(以下「操安性」)です。優れた同類書籍が出版されている中,あえて本書を執筆した理由は,読者の方々に操安性を『深く理解=学んだ内容を実務で活かせる』ようになっていただきたいとの願いからです。その際重要なことは,『問題に対して,数式を解くだけにととどまらず,解の力学的な意味まで理解する』ということです。そのための例としては,「車が不安定になるときの力学的つりあい状態」まで丁寧に説明をしている点などが特徴として挙げられます。そのレベルまで『深く理解』できていれば,問題発生時にどうすれば良いかは容易に判断できます。
次の特徴はコラムです。「式の解釈から見えてくる新しい見方」や「意外と勘違いしている人が多い内容」など,知っておいて損はないと思われることをまとめました。
本書は基礎から解説していますが,実務経験を積んだ方々にも参考になるように,できるだけ踏み込んだ解説を心がけました。第7章の「車線変更時に小さな車体横すべり角の方が良い理由」などはその例です。また,線形域での解析を主としていますが,飽き足らない読者のために,非線形解析手法も解説しており,著者らが提案している「状態速度ベクトル図法」や「等高線法」等も加えました。

【各章の概要】
第0章では,操安性の考え方の基本となる「旋回運動に必要な力の理想形」を復習し,第1章では,理論の基本となる「モデルと運動方程式」について解説。
第2章では,車両諸元から直に読み取れる「車両固有の性質を表す各種評価指標」について,第3章では,さらに運動を詳しく見るために伝達関数から導いた「車両の応答特性」を整理して,各々解説。
第4章では,各種の運動制御システムについて,操安性理論を背景に,その「狙いと具体的な制御方法,力学的な意味」を解説。
第5章以降は非線形域での話に入り,「タイヤが出す力の発生メカニズム」について解説し,第6章では,「タイヤ非線形域での車両の運動を解析する手法」について,代表的な手法の特徴と解析できる内容を解説。
第7章では,それまでに解説してきたより良い操安特性が,「ドライバの運転しやすさ」にどのように作用しているかについて解説。

【著者からのメッセージ】
本書は「操安性の全体像を俯瞰的に眺めたい」,「なぜそうなるのかの理由も知りたい」方々にも役立つ内容も盛り込みました。また,旋回運動を三つの係数で表現した「宮田の式」という,本書独自のものも入れてあります。「これから操安性を学ぼうとしている」方はもちろん,「既に担当業務で活躍している」エンジニアも含めて多くの方々に読んでいただきたいと考えています。執筆する上で著者らは「細部までできる限り,深く・詳しく解明しよう」と努力して来ました。減衰比ζが負となる振動領域を3D図で表した図3.14は,著者らの姿勢を端的に表しているものですので,ぜひご覧いただけたら幸いです。
本書を読むことで,研究開発の現場での次の一歩を,的確に見出せるようになれることを願っています。

目次

0.イントロダクション
0.1 操安性に期待されている性能
0.2 時間応答波形
0.3 タイミング
0.4 系の安定性
1.運動方程式
1.1 座標系,名称,記号
1.2 車両固定座標系
1.3 タイヤが出すコーナリングフォース
1.4 二輪モデル
1.5 運動方程式の導出
 1.5.1 剛体の運動を表す式
 1.5.2 コーナリングフォースを表す式
 1.5.3 横加速度を表す式
 1.5.4 運動方程式
1.6 操安性におけるメカニカルなフィードバックループの構成
1.7 運動方程式の行列表現
 1.7.1 ヨーレイトが各運動に及ぼす影響(a11とa21)
 1.7.2 車体横すべり角が各運動に及ぼす影響(a12とa22)
章末問題
第1章コラム
コーナリングスティフネス等を左右二輪分にしている理由
タイヤ横すべり角の符号の定義
\.{β}のもつ別の物理的な意味
なぜγとβを使って,a_yを使わないのか?
a_21の中にある「-1」のもつ意味
2.車両固有の力学的性質
2.1 評価指標の概要
2.2 スタビリティファクタ
2.3 ステア特性
2.4 ニュートラルステアポイントとスタティックマージン
2.5 操安キャパシティ
2.6 収束係数
2.7 制振係数
2.8 旋回応答係数
2.9 評価指標のまとめ
章末問題
第2章コラム
カウンタステア走行中タイヤはどちらを向いているか
加速円旋回試験と定常円旋回試験の違いの本質
慣性モーメントの前後非連成近似
宮田の式(旋回を支配する三つの基本物理量)
安定性を力学的つりあいで考える
3.運動方程式に基づく操舵応答特性
3.1 伝達関数
3.2 定常特性
 3.2.1 定常ヨーレイトゲイン
 3.2.2 定常車体横すべり角ゲイン
 3.2.3 定常横加速度ゲイン
3.3 過渡特性
 3.3.1 ステア特性の影響
 3.3.2 車速の影響
 3.3.3 ステア特性と振動限界
 3.3.4 車両諸元の影響
3.4 状態速度ベクトル図
章末問題
第3章コラム
車速に関連する特性値に頻出するスタビリティファクタ
特性方程式の定数項とスタビリティファクタとの関係
市販車はなぜみなUSなのか(安定性だけではない役割)
4.運動制御
4.1 制御方式の分類
 4.1.1 フィードフォワード制御
 4.1.2 フィードバック制御
 4.1.3 条件付きフィードバック制御
 4.1.4 2自由度制御系(モデルマッチング制御)
 4.1.5 フィードフォワード制御とフィードバック制御の得失
4.2 車両運動制御の一般形(操舵制御,ヨーモーメント制御を例にして)
4.3 フィードフォワード制御の例(後輪操舵システム)
 4.3.1 後輪操舵制御
 4.3.2 一般的なフィードフォワード制御器の求め方
 4.3.3 前後輪操舵制御(フィードフォワードの組み合わせ制御)
4.4 フィードバック制御
 4.4.1 ヨーレイトフィードバック(後輪操舵制御)
 4.4.2 フィードバック制御による直感的な性能設計法(ブロック線図の等価変換)
 4.4.3 車体横すべり角フィードバック(ヨーモーメント制御)
章末問題
第4章コラム小さい制御入力でも効く微分制御
5.タイヤ特性
5.1 用語の定義
5.2 タイヤが力を出すメカニズム
 5.2.1 横力およびコーナリングフォース
 5.2.2 セルフアライニングトルク
 5.2.3 制駆動力の発生メカニズム
5.3 タイヤ摩擦円
5.4 コーナリングスティフネスの変化
 5.4.1 コンプライアンスステアによる変化(等価コーナリングスティフネス)
 5.4.2 接地荷重変動による変化
5.5 キャンバによる横力の発生
第5章コラム止まるためだけではないABS
じつはすべっていないタイヤ横すべり角
6.非線形解析
6.1 ハンドリング線図法
 6.1.1 線形域(旋回半径と横加速度の関係)
 6.1.2 非線形域
6.2 車体横すべり角・モーメント線図法(bメソッド)
6.3 状態速度ベクトル図法
6.4 等高線法
6.5 ハンドリング線図法,bメソッド,等高線法の3解析法の関係
第6章コラム図による解法で俯瞰的な理解を
7.車両特性と運転しやすさ
7.1 車体横すべり角と運転しやすさ
 7.1.1 横加速度の遅れの減少
 7.1.2 運動エネルギーの減少
 7.1.3 オーバーシュートの減少
7.2 位相遅れと運転しやすさ
7.3 安定性と運転しやすさ
第7章コラムシミュレータ実験を実車走行で行えるシミュレータビークル
操安性に必要な安定性とは?(収束できればOKか)
違和感の元はロール角かロール角速度か
引用・参考文献
章末問題解答
索引

上記内容は本書刊行時のものです。