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ヒューマンコンピュータインタラクション 米村 俊一(著/文) - コロナ社
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ヒューマンコンピュータインタラクション (ヒューマンコンピュータインタラクション) 人とコンピュータはどう関わるべきか?人間科学と認知工学の考え方を包括して解説した教科書 (ヒトトコンピュータハドウカカワルベキカニンゲンカガクトニンチコウガクノカンガエカタヲホウカツシテカイセツシタキョウカショ)

コンピュータ
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発行:コロナ社
A5判
縦210mm 横148mm
238ページ
定価 3,100円+税
ISBN
978-4-339-02918-5   COPY
ISBN 13
9784339029185   COPY
ISBN 10h
4-339-02918-1   COPY
ISBN 10
4339029181   COPY
出版者記号
339   COPY
Cコード
C3055  
3:専門 0:単行本 55:電子通信
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2021年4月30日
書店発売日
登録日
2021年3月10日
最終更新日
2021年4月19日
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紹介

■書籍の特徴
本書では,ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)技術について,コンピュータに関わるソフトウェア/ハードウェアの設計者向けに基礎的な知識を広範囲に提供しています。本書では,技術者がHCIを理解しやすいことに主眼を置き,書籍の内容を,(Ⅰ)人間の基礎的な心身特性を理解する,(Ⅱ)インタラクションの設計技術を理解する,(Ⅲ)インタラクションの評価技術を理解する,という三部構成としました。

(Ⅰ)人間の基礎的な心身特性を理解する
・人間の感覚と知覚
・脳の機能と人間の情報処理モデル
・人間の行動モデル
・心身特性の計測
・人と環境との相互作用
・ヒューマンエラー

(Ⅱ)インタラクションの設計技術を理解する
・入力機器と出力機器のインタフェース
・インタラクションの設計プロセス
・人間中心設計の概念
・ユニバーサルデザイン
・CMC:コンピュータを介するコミュニケーション

(Ⅲ)インタラクションの評価技術を理解する
・行動計測
・ユーザビリティ(UI)とユーザエクスペリエンス(UX)
・プロトタイピングとユーザテスト
・質問紙とインタビュー

■本書が対象とする読者
・HCIに興味を持つ学生や初学者
・対話システムやユーザインタフェースの企画・設計に携わるエンジニア
・人とコンピュータとの関わりに興味を持つ研究者およびエンジニア

■出版の主旨
コンピュータ技術が社会に浸透すればするほど機器の挙動がわかり難くなり,コンピュータを利用して恩恵を受けられる人/受けられない人との格差,つまりデジタルデバイドが拡大しています。デジタルデバイドを生む背景には,様々な機器を設計する技術者が人間の特性をよく理解しないまま,恣意的にユーザインタフェースを設計するため,設計者と利用者との機器利用に関するメンタルモデル(機器の操作と動作のイメージ)が乖離しているという実態があります。したがって,多くの技術者が人間の特性を理解し,人とコンピュータとがどのように相互作用するのか,ユーザにとって使いやすい機器を設計するにはどうすれば良いのか,つまりHCI(Human Computer Interaction)技術を理解する必要があります。

本書は,対話システムやユーザインタフェースの企画・設計を行う上で欠かせないHCI技術について,技術者が理解しやすいように配慮しつつ広範に渡る基礎知識を体系的に記述した教科書です。人とコンピュータとの相互作用という広い観点から,HCI技術について平易に解説することで,コンピュータに関わる技術者の質的向上に貢献することを目的としています。

目次

第I部 人間の基礎的な心身特性を理解する
1.人間の感覚と知覚
1.1 人と道具との関係
1.2 人間はなぜ感覚・知覚機能を有するのか?
1.3 人間の感覚/知覚/認知に関する基本的な特性
 1.3.1 感覚/知覚/認知とは?
 1.3.2 取得した感覚情報には省略・強調・補完が施される
 1.3.3 ウェーバー・フェヒナーの法則
1.4 視覚の仕組みとその特性
 1.4.1 視覚の仕組みとその特性
 1.4.2 明順応と暗順応
 1.4.3 眼球運動
 1.4.4 明視の条件:ものが見えるための4条件
 1.4.5 視覚情報を用いることの長所と短所
1.5 聴覚の仕組みとその特性
 1.5.1 聴覚の仕組み
 1.5.2 等ラウドネス曲線:聴覚感度の周波数特性
 1.5.3 音の3要素:音の大きさ/高さ/音色
 1.5.4 聴覚情報を用いることの長所と短所

2.脳の機能と人間の情報処理モデル
2.1 脳の形態と機能
 2.1.1 ニューロン:脳神経細胞
 2.1.2 体性感覚野と体性運動野
2.2 記憶のモデル
 2.2.1 感覚記憶/短期記憶/長期記憶の概要
 2.2.2 記憶の再生と再認
2.3 知識のモデル
 2.3.1 スキーマ
 2.3.2 スクリプト
2.4 人間の情報処理形式:データ駆動型処理と概念駆動型処理
2.5 ゲシュタルトの法則
 2.5.1 ゲシュタルトの七つの法則
 2.5.2 ゲシュタルト崩壊とは?
 2.5.3 聴覚でもゲシュタルト認知が起こる

3.人間の行動モデル
3.1 行為の制御的処理と自動的処理
3.2 モデルヒューマンプロセッサ
 3.2.1 モデルヒューマンプロセッサの構成
 3.2.2 モデルヒューマンプロセッサの処理
 3.2.3 モデルヒューマンプロセッサの各システムの性能
3.3 J.ラスムッセンのSRKモデル
3.4 D.ノーマンの行為の7段階モデル
3.5 佐伯の二重接面性モデル
3.6 人間の行動に影響を及ぼす五つの要因

4.心身特性の計測
4.1 人間の心理を生理指標で測る
4.2 生理的な計測
 4.2.1 筋電図(EMG)
 4.2.2 心拍変動性(HRV)
 4.2.3 脳波(EEG)
 4.2.4 フリッカー値
4.3 心理的な計測
 4.3.1 精神物理学的測定法
 4.3.2 主観評価

5.人と環境との相互作用
5.1 環境の中の人間
5.2 気候環境
 5.2.1 気候に関わる環境要素
 5.2.2 感覚温度
 5.2.3 不快指数DIと暑さ指数WBGT
 5.2.4 温熱的中性域
5.3 照明環境
5.4 騒音

6.ヒューマンエラー
6.1 「人為ミス」といわれる事故
 6.1.1 手術患者の取り違え死亡事故(事件)
 6.1.2 ジェイコム株大量誤発注事故(事件)
 6.1.3 トランスアジア航空235便墜落事故
 6.1.4 名古屋空港中華航空140便墜落事故
6.2 ヒューマンエラーとは?
 6.2.1 ヒューマンエラーの定義
 6.2.2 ハインリッヒの法則
6.3 J.リーズンによるヒューマンエラーの分類
6.4 D.ノーマンのATSモデルによるスリップエラーの分類
 6.4.1 意図の形成段階で生じるスリップエラー
 6.4.2 スキーマの活性化段階で生じるスリップエラー
 6.4.3 スキーマのトリガリング段階で生じるスリップエラー
6.5 非注意性盲目
6.6 安全のための設計原則
6.7 ヒューマンエラーにどう対処すべきか?

第II部 インタラクションの設計技術を理解する
7.入力機器と出力機器のインタフェース
7.1 コンピュータシステムの入出力
 7.1.1 コンピュータの入出力機器
 7.1.2 インタラクション設計の難しさ
 7.1.3 インタラクション設計が製品の評価を決める
7.2 インタラクションの形態
7.3 さまざまな入出力機器とインタフェース
 7.3.1 情報の出力機器
 7.3.2 視覚的表示:ディジタル表示とアナログ表示
 7.3.3 聴覚的表示
 7.3.4 状態表示
7.4 操作具(コントロールズ)とそのデザイン原則
7.5 コーディング
7.6 フィッツの法則

8.インタラクションの設計プロセス
8.1 インタラクションをいかに設計するのか?
8.2 インタラクション設計の基本的な流れ
8.3 画面設計の違いで作業効率が変わるのか?
8.4 インタラクション設計の原則
8.5 インタラクション設計の標準

9.人間中心設計の概念
9.1 コンピュータ制御されたシステムはなぜ操作が難しいのか?
 9.1.1 ユーザビリティとは?
 9.1.2 ユーザエクスペリエンスとは?
9.2 人間中心設計という概念
 9.2.1 「人間中心設計」という考え方の起源
 9.2.2 「人間中心設計」とは?
9.3 人間中心設計のプロセス

10.ユニバーサルデザイン
10.1 なぜユニバーサルデザイン(UD)なのか?
 10.1.1 日本の生産年齢人口の減少
 10.1.2 人生100年時代で必要な生活費
10.2 ユニバーサルデザイン(UD)という考え方
 10.2.1 ユニバーサルデザインの背景
 10.2.2 バリアフリーデザインとの違い
10.3 ユニバーサルデザイン(UD)の7原則
 10.3.1 公平(equitable use)
 10.3.2 柔軟(flexibility in use)
 10.3.3 簡単(simple and intuitive)
 10.3.4 理解(perceptible information)
 10.3.5 安全(tolerance for error)
 10.3.6 省力(lowphysical effort)
 10.3.7 空間(size and space for use)
10.4 Webアクセシビリティ

11.CMC:コンピュータを介するコミュニケーション
11.1 CMCとCSCW
 11.1.1 CMCとは?
 11.1.2 CSCWとは?
11.2 コミュニケーションにはレベルがある
 11.2.1 日本語として正しいのに意味が通じない
 11.2.2 コミュニケーションのプロセス
11.3 コミュニケーションが成立するために必要な知識共有
11.4 コンピュータを介するコミュニケーションの特徴と課題

第III部 インタラクションの評価技術を理解する
12.行動計測
12.1 人間の行動計測
12.2 自然観察法
12.3 行動履歴分析(購買行動分析)
12.4 エスノグラフィー
12.5 日記法
12.6 言語プロトコル分析
12.7 談話分析

13.ユーザビリティ(UI)とユーザエクスペリエンス(UX)
13.1 ユーザビリティとはどのような意味をもつのか?
 13.1.1 ユーザビリティは「総論賛成・各論反対」の世界?
 13.1.2 優良企業の事業戦略では「便利」と「使いやすさ」がキーワード
13.2 ユーザビリティの検討例
13.3 ユーザビリティ評価の目的と効果
13.4 ユーザビリティの評価方法
 13.4.1 ヒューリスティック評価
 13.4.2 専門家によるインスペクション評価
 13.4.3 ユーザテスト
13.5 ユーザエクスペリエンス

14.プロトタイピングとユーザテスト
14.1 プロトタイピング
 14.1.1 プロトタイピングとは?
 14.1.2 プロトタイプを用いる開発のプロセス
14.2 さまざまなシステム開発モデル
 14.2.1 ウォーターフォール型モデル
 14.2.2 スパイラルモデル
 14.2.3 プロトタイピングモデル
14.3 ユーザテスト
 14.3.1 テスト計画の策定
 14.3.2 テストユーザのリクルート
 14.3.3 タスク設定
 14.3.4 パイロットテスト(予備実験)
 14.3.5 テストの実施(本番)
 14.3.6 分析・報告書の作成

15.質問紙とインタビュー
15.1 質問紙法による調査
 15.1.1 質問紙法とは?
 15.1.2 質問紙の作成
 15.1.3 対象者の選定
 15.1.4 データの収集方法(調査実施)
 15.1.5 データ分析
15.2 インタビュー法による調査
 15.2.1 インタビューの調査形態
 15.2.2 インタビューの調査形式
 15.2.3 デプスインタビュー
 15.2.4 フォーカスグループインタビュー

引用・参考文献
索引

上記内容は本書刊行時のものです。