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車両の電動化とスマートグリッド 鈴木 達也(著/文 | 編集) - コロナ社
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車両の電動化とスマートグリッド (シャリョウノデンドウカトスマートグリッド)

工業・工学
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発行:コロナ社
B5判
縦257mm 横182mm
174ページ
定価 2,900円+税
ISBN
978-4-339-02774-7   COPY
ISBN 13
9784339027747   COPY
ISBN 10h
4-339-02774-X   COPY
ISBN 10
433902774X   COPY
出版者記号
339   COPY
Cコード
C3354  
3:専門 3:全集・双書 54:電気
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2020年12月
書店発売日
登録日
2020年10月7日
最終更新日
2020年11月12日
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紹介

交通事故,渋滞,環境破壊,エネルギー資源問題などの自動車の負の側面を大きく削減し,人間社会における多方面での利便性がより増すと期待される道路交通革命がCASE化である。CはConnected(インターネットなどへの常時接続化),AはAutonomous(またはAutomated,自動運転化),SはServicized(またはShare & Service,個人保有ではなく共有によるサービス化),EはElectric(パワートレインの電動化)を意味し,自動車の大衆化が始まった20世紀初頭から100年ぶりの変革期といわれる。

第4巻「車両の電動化とスマートグリッド」は,CASE化のEに焦点を当て,電動車両自体とそれを建物や社会につなげる最新技術をまとめた稀有な内容となっている。

本書の前半(第I編)は,電動車両を復活に至らしめた最新の技術の解説に充て,1 章で車両の電動化が社会にもたらす影響を内燃機関と比較しながら明らかにするとともに,電動車両のシステム構成とその設計要求を説明した。次に,電動車両を構成するのに必要となる電子・電気工学の技術(エレクトロニクス)については,2 章で電池や充電器,電力変換装置を,3 章ではモータを,その原理から最新技術までを紹介している。

電動車両は移動手段としての自動車本来の用途を超えた利益をもたらすもの,つまり,うまく使えば電力品質の安定化や電力の有効利用につながるものとして注目を集めている。本書の後半(第Ⅱ編)では,電動車両をエネルギーマネジメントに活用することを目的とした最新の研究についての内容を扱い,次のような構成とした。4 章では電動車両とエネルギーマネジメントの関係について深掘りし,5 章では住宅やビルへの,6 章では電力系統への電動車両の活用を紹介する。7 章では,電動車両の新たな普及形態としてのシェアリングに着目し,その運用とエネルギーマネジメントの連携について解説する。8 章では,電動車両をエネルギーマネジメントに活用する上で不可欠な,利用者による使用形態の予測問題を扱った。

目次

Ⅰ編 車両の電動化
1.車両の電動化と電気動力システム
1.1 電動化のインパクト
1.2 電動車両のシステム構成
 1.2.1 電動車両と内燃機関自動車のシステム構成比較
 1.2.2 電動車両のシステム構成比較
 1.2.3 電動車両のシステム設計
引用・参考文献

2.電動車両のエレクトロニクス
2.1 電池と充電器
 2.1.1 蓄電池の原理と変遷
 2.1.2 各種充電方式
2.2 パワーエレクロトニクス
 2.2.1 DC-DCコンバータ
 2.2.2 インバータ
 2.2.3 マトリクスコンバータ
 2.2.4 整流器
引用・参考文献

3.電動車両のモータとその制御
3.1 永久磁石同期モータ
 3.1.1 構造
 3.1.2 磁石材料
 3.1.3 永久磁石同期モータの損失モデル
3.2 誘導モータ
 3.2.1 誘導モータの原理
 3.2.2 誘導モータの損失モデル
3.3 モータ制御系
 3.3.1 ベクトル制御系
 3.3.2 効率改善を目的としたトルク制御器―MTPA制御―
 3.3.3 駆動範囲の拡大を目的としたトルク制御器―弱め磁束制御―
 3.3.4 トルク制御器
引用・参考文献

Ⅱ編 スマートグリッドと電動車両
4.電動車両がもたらすインパクト
4.1 エネルギー貯蔵デバイスとしての電動車両
4.2 電動車両を活用したEMSの技術課題とⅡ編の構成
4.3 今後の展望

5.Vehicle to Home ,Vehicle to Building
5.1 モデル予測制御
5.2 Vehicle to Home
 5.2.1 システム概要
 5.2.2 最適化問題への定式化
 5.2.3 制御効果の検証
5.3 Vehicle to Building
 5.3.1 システム概要
 5.3.2 最適化問題への定式化
 5.3.3 制御効果の検証
5.4 家屋内の電力消費の予測
 5.4.1 予測とエネルギーマネジメント
 5.4.2 家庭での消費電力のデータ
 5.4.3 自己回帰モデルによる予測モデル
引用・参考文献

6.Vehicle to Gridとアンシラリーサービス
6.1 電気自動車と電力システムの協調
6.2 Vehicle to Gridの実証・研究開発事例
 6.2.1 米国での最初のV2G実証
 6.2.2 欧州への展開
 6.2.3 技術開発が進む日本
 6.2.4 その他の研究開発動向
6.3 Vehicle to Gridの制御設計と実装
 6.3.1 電気自動車によるスマートインバータ制御
 6.3.2 HILSの構成と電気自動車の制御手法
 6.3.3 試験結果
6.4 モビリティ×エネルギーの総合実証:Charge and Share
引用・参考文献

7.EVシェアリングとスマートグリッド
7.1 EVシェアリングの動向
7.2 EVシェアリングの利用形態
7.3 再生可能エネルギーを活用したEVシェアリング
 7.3.1 システム要件と問題設定
 7.3.2 車両運用計画の最適化
 7.3.3 計算量の削減と最適化の例
7.4 配電ネットワークの電圧変動へのEVシェアリングの影響評価
7.5 EVシェアリングと配電ネットワークの連携管理システム
引用・参考文献

8.車の使用履歴とマルコフモデルを用いた車の使用予測
8.1 単一拠点(家)における車1台の使用予測
 8.1.1 車の駐車と不在のパターンを表すグラフ:PDTT
 8.1.2 車の駐車と不在の時間変化を表すマルコフモデル
 8.1.3 確率の算出に使う情報:車の使用履歴と観測情報
 8.1.4 車1台のモデルにおける状態遷移確率と初期状態確率の計算
 8.1.5 動的計画法を用いたPDTTの最尤推定
 8.1.6 計算結果の例
8.2 車群の移動と駐車の予測
 8.2.1 問題設定とパーソントリップデータ
 8.2.2 状態の定義とマルコフモデル
 8.2.3 車群のモデルにおける状態遷移確率と初期状態確率の計算
 8.2.4 マルコフモデルの各状態における存在確率と期待台数の計算
 8.2.5 パーソントリップデータを用いたシミュレーション結果
引用・参考文献

索引

上記内容は本書刊行時のものです。