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生物ネットワーク解析 浜田 道昭(監修) - コロナ社
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生物ネットワーク解析 (セイブツネットワークカイセキ)

工業・工学
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発行:コロナ社
A5判
縦210mm 横148mm
222ページ
定価 3,200円+税
ISBN
978-4-339-02732-7   COPY
ISBN 13
9784339027327   COPY
ISBN 10h
4-339-02732-4   COPY
ISBN 10
4339027324   COPY
出版者記号
339   COPY
Cコード
C3355  
3:専門 3:全集・双書 55:電子通信
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2021年11月15日
書店発売日
登録日
2021年9月14日
最終更新日
2021年10月20日
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紹介

種々の生命現象や生態系の動態を理解するためには、様々な生体分子、生物そして環境がどのように相互作用しているのか、つまりネットワークを明らかにすることが重要である。いまや、バイオインフォマティクスやシステムバイオロジーの分野おいて、生物ネットワーク解析はなくてはならない存在になったといえるだろう。しかしながらその一方で、生物ネットワーク解析は確かによく目にするものの、実際に何をしているのか、あるいは結果が何を意味しているのかよくわからない、という声も多く聞く。本書では、そのような生物ネットワーク解析の基礎から応用までをいくつかの具体的な事例を交えながら説明する。

本書は、学部生および大学院生、ならびにバイオインフォマティクスやシステムバイオロジーの分野に関わる技術者や研究者を読者として想定しており、学部生や初学者でも無理なく読めるように配慮している。1章では生物ネットワーク解析を学ぶ上での基礎知識を説明し、2章ではネットワーク解析で頻出する基本的な指標、3章ではネットワーク解析の理論の中心をなすいくつかの代表的なネットワークモデルについて説明する。そして,4章から7章にかけて、代表的な生物ネットワーク解析について紹介する。具体的に、4章ではネットワークから重要なノードを順位づけするために用いられる中心性解析、5章ではネットワークを制御するための重要なノードを見つけるために用いられるネットワーク可制御性解析、6章ではネットワークをクラスタリングするために用いられるコミュニティ検出,そして7章ではオミクスデータから生物ネットワークを推定するために用いられる相関ネットワーク解析について、それぞれ説明する。

これらの内容については実際の生物ネットワーク解析を体験することでより理解を深めることができるだろう。本書で紹介した手法や解析などの一部は統計解析ソフトウェアRとそのネットワーク解析用パッケージのigraphを用いることで体験することができる。コードはコロナ社HPの本書詳細ページより利用可能である。実際の生物ネットワーク解析や新規手法の開発に役立ててもらえれば幸いである。

目次

1. 生物ネットワーク解析の基礎
1.1 なぜ生物ネットワーク解析か
 1.1.1 生物学における多様な役者たち
 1.1.2 システム的理解とネットワーク科学
1.2 ネットワーク解析の準備
 1.2.1 ネットワークの基礎
 1.2.2 ネットワークの種類
 1.2.3 行列表現
 1.2.4 経路と閉路
 1.2.5 部分ネットワーク
 1.2.6 連結性と連結成分
1.3 さまざまな生物ネットワーク
 1.3.1 遺伝子制御ネットワーク
 1.3.2 タンパク質構造ネットワーク
 1.3.3 タンパク質相互作用ネットワーク
 1.3.4 代謝ネットワーク
 1.3.5 脳ネットワーク
 1.3.6 生態系ネットワーク
 1.3.7 疾病や創薬に関連するネットワーク
2. 基本的なネットワーク指標
2.1 次数
 2.1.1 無向ネットワークの場合
 2.1.2 有向ネットワークの場合
 2.1.3 重み付きネットワークの場合
 2.1.4 次数分布
 2.1.5 スケールフリー性
2.2 次数相関
 2.2.1 同類度係数
 2.2.2 同類度係数の拡張版
2.3 クラスタ係数
 2.3.1 各ノードに対するクラスタ係数
 2.3.2 平均クラスタ係数
 2.3.3 重み付きクラスタ係数
2.4 最短経路長
 2.4.1 平均最短経路長
 2.4.2 大域効率性
3. ネットワークモデル
3.1 Erdos-Renyiのランダムネットワークモデル
 3.1.1 Erdos-Renyiモデル
 3.1.2 次数分布
 3.1.3 平均最短経路長
 3.1.4 クラスタ係数
 3.1.5 現実のネットワークとの比較
3.2 格子ネットワーク
 3.2.1 格子ネットワークとは
 3.2.2 平均クラスタ係数
 3.2.3 平均最短経路長
3.3 Watts-Strogatzのスモールワールドネットワークモデル
3.4 Barabasi-Albertのスケールフリーネットワークモデルとその改良版
 3.4.1 Barabasi-Albertモデルとそのネットワークの性質
 3.4.2 Barabasi-Albertモデルの改良版
 3.4.3 優先接続の検証
 3.4.4 優先接続の解釈
3.5 Chung-Luモデル
3.6 コンフィギュレーションモデル
3.7 ランダム化ネットワーク
3.8 ネットワーク指標の統計的有意性評価
 3.8.1 Z検定に基づく評価
 3.8.2 経験的p値に基づく評価
 3.8.3 比に基づく評価
 3.8.4 ランダムネットワークとの比較の妥当性
4. 中心性解析
4.1 中心性解析とは
4.2 次数中心性
4.3 固有ベクトル中心性
4.4 PageRank
4.5 近接中心性とその別形
 4.5.1 近接中心性
 4.5.2 点効率性
4.6 媒介中心性
4.7 そのほかの中心性指標
 4.7.1 カッツ中心性
 4.7.2 サブグラフ中心性
4.8 統計解析や機械学習における中心性
5. ネットワーク可制御性解析
5.1 可制御性
5.2 構造可制御性
5.3 最大マッチングに基づくドライバ・ノードの求め方
5.4 最小支配集合に基づくドライバ・ノードの求め方
5.5 ネットワーク可制御性に基づくノード分類
6. コミュニティ検出
6.1 コミュニティ検出とは
6.2 ノード間の類似度に基づくコミュニティ検出
 6.2.1 階層的クラスタリング
 6.2.2 構造的重複度に基づくクラスタリング
 6.2.3 そのほかの類似度に基づくクラスタリング
6.3 モジュラリティに基づくコミュニティ検出
 6.3.1 モジュラリティ
 6.3.2 重み付きネットワークや有向ネットワークにおけるモジュラリティ
 6.3.3 モジュラリティ最大化問題としてのコミュニティ検出
 6.3.4 ネットワーク間でのモジュラリティの比較
 6.3.5 モジュラリティ最大化に基づくコミュニティ検出の限界
 6.3.6 そのほかのコミュニティ分割指標
6.4 機能地図作成
6.5 コミュニティの重複を考慮する場合
 6.5.1 エッジ間の構造的重複度に基づく手法
 6.5.2 モジュラリティ最大化に基づく手法
7. 相関ネットワーク解析
7.1 相関ネットワーク解析とは
7.2 相関ネットワーク解析の基本
7.3 相関ネットワークの閾値化
 7.3.1 p値による閾値化
 7.3.2 相関係数による閾値化
7.4 重み付き相関ネットワーク解析
7.5 偏相関ネットワーク解析
 7.5.1 偏相関ネットワーク解析の基本
 7.5.2 偏相関と多重回帰
 7.5.3 偏相関ネットワーク解析の限界
 7.5.4 正則化付き偏相関ネットワーク解析
7.6 相対量を考える場合
 7.6.1 オミクスデータにおける相対量
 7.6.2 定数和制約による見せかけの相関
 7.6.3 対数比変換
 7.6.4 相対量データに対する相関ネットワーク解析
 7.6.5 相対量データに対する偏相関ネットワーク解析
7.7 相関ネットワークの比較
7.8 相関ネットワーク解析は「なに」を推定しているのか
引用・参考文献
索引

上記内容は本書刊行時のものです。