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線形システム同定の基礎 田中 聡久(監修) - コロナ社
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線形システム同定の基礎 (センケイシステムドウテイノキソ) 最小二乗推定と正則化の原理 (サイショウジジョウスイテイトセイソクカノゲンリ)

工業・工学
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発行:コロナ社
A5判
縦210mm 横148mm
256ページ
定価 3,700円+税
ISBN
978-4-339-01403-7   COPY
ISBN 13
9784339014037   COPY
ISBN 10h
4-339-01403-6   COPY
ISBN 10
4339014036   COPY
出版者記号
339   COPY
Cコード
C3355  
3:専門 3:全集・双書 55:電子通信
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2021年8月12日
書店発売日
登録日
2021年6月11日
最終更新日
2021年7月20日
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紹介

観測した信号は、どのようなシステムから生成されたのか。それを知ることは、信号処理の様々な応用で重要になる。本書は観測データから動的システム(差分方程式に従うシステム)を推定するシステム同定について、その理論的基礎と発展的な内容をまとめたものである。

■本書の特徴
 本書はモデルのパラメータ推定方法として、最小二乗法と正則化最小二乗法の二つに特化した解説を行っている。したがって各種の推定方法を網羅しているわけではないが、その分丁寧な説明を行い、統計に関する基礎的な概念を理解できるよう留意した。特に、システム同定に関する和書で、正則化最小二乗法についてここまでの解説を行うものはこれまでにない。システム同定のためのスパース正則化・カーネル正則化に興味を持たれた方は是非一読していただきたい。なお、付録としてMATLABのソースコードも掲載しているため、その有効性を直ちに検証できる点も本書の特徴の一つである。

■本書の構成
1章「システム同定とは」では、システム同定という学問が扱う内容と歴史を概観する。
2章「線形システム」では、本書で扱う線形システムの導入を行う。特に、時間進み演算子を用いた表現を導入する。
3章「線形システムのモデル」では、ノイズまで含めた線形システムのモデル構造についてまとめる。また、確率過程の基礎についても触れる。
4章「予測誤差法によるパラメータ推定」では、3章で導入した種々のモデルのパラメータを調整する方法として、予測誤差法、特に最小二乗法を導入する。また、最尤法や不偏推定などを含む統計学の概念をいくつか導入し、最小二乗法との関連について説明する。
5章「モデル選択」では、3章で導入したモデルのどれを利用するべきかについて、データから選択する規準をいくつか紹介する。
6章「逐次同定・適応フィルタリング」では、データが逐次的に与えられるという状況でパラメータを適応的に調整する手法を紹介する。
7章「正則化最小二乗法とベイズ推定」では、最小二乗法に代わるパラメータ調整法として正則化最小二乗法を導入する。特に、一般的な形式と、古典的な例としてのridge正則化について説明する。また、最尤法に対応するものとしてベイズ推定を導入する。
8章「システム同定のためのカーネル正則化」では、有限インパルス応答モデルの推定において使われるカーネル正則化を説明する。ただし紙面の都合上再生核ヒルベルト空間に関する話は省き、正則化最小二乗法の観点からの導入を行う。
9章「スパース正則化」では、同じく有限インパルス応答を対象とし、スパース正則化とそこで利用される最適化手法についての説明を行う。
付録では、本書で使用する線形代数に関する補足(逆行列補題や正定値行列の性質など)と、MATLAB実装を記す。

目次

1. システム同定とは
1.1 システムとモデル
1.2 モデリングの分類
1.3 システム同定の歴史
1.4 本書の構成
1.5 記号の定義
2. 線形システム
2.1 線形システムの表現
 2.1.1 時間進み演算子を用いた表現
 2.1.2 z変換を用いた表現
 2.1.3 状態空間を用いた表現
 2.1.4 インパルス応答と畳込みを用いた表現
 2.1.5 周波数応答によるシステムの表現
 2.1.6 本書で利用するシステム表現
2.2 極と零点
3. 線形システムのモデル
3.1 確率過程の基礎
 3.1.1 ガウス分布の基礎
 3.1.2 白色性と有色性
 3.1.3 エルゴード性
3.2 ノイズの加わり方から分類するモデル
 3.2.1 OutputErrorモデル
 3.2.2 AutoRegressiveeXogenousモデル
 3.2.3 FiniteImpulseResponseモデル
 3.2.4 有色雑音の影響を受けるモデル
 3.2.5 モデル構造のまとめ
4. 予測誤差法によるパラメータ推定
4.1 一段先予測
 4.1.1 OEモデルの場合
 4.1.2 FIRモデルの場合
 4.1.3 ARXモデルの場合
 4.1.4 その他の場合
4.2 予測誤差法
 4.2.1 OEモデルにおける最小二乗法
 4.2.2 FIRモデルにおける最小二乗法
 4.2.3 ARXモデルにおける最小二乗法
4.3 最尤推定との関連
 4.3.1 統計的推定の基礎知識
 4.3.2 最尤推定の基礎
 4.3.3 予測誤差法の統計的解析
5. モデル選択
5.1 赤池情報量規準
5.2 AICの注意点
5.3 ベイズ情報量規準
5.4 バリデーションによるモデル選択
6. 逐次同定・適応フィルタリング
6.1 勾配法を利用した手法
 6.1.1 勾配法の基礎
 6.1.2 LMSアルゴリズムとその周辺
6.2 逆行列補題を利用した手法
 6.2.1 RLSアルゴリズム
 6.2.2 忘却係数を用いたRLSアルゴリズム
7. 正則化最小二乗法とベイズ推定
7.1 過適合
7.2 バイアス-バリアンス分解と過適合
7.3 正則化最小二乗推定
 7.3.1 正則化最小二乗推定の幾何学的解釈
 7.3.2 ridge正則化の統計的性質
7.4 ベイズ推定の基礎
 7.4.1 離散確率変数でのベイズ推定
 7.4.2 連続確率変数でのベイズ推定
7.5 ベイズ推定と正則化の関連
7.6 クロスバリデーションによる正則化パラメータの調整
8. システム同定のためのカーネル正則化
8.1 本章の設定と正則化最小二乗法での定式化
8.2 ベイズ推定としての解釈
8.3 最適な二次正則化
8.4 インパルス応答推定のためのカーネル
 8.4.1 Diagonal-Correlatedカーネル
 8.4.2 Tuned-Correlatedカーネル
 8.4.3 Stable-Splineカーネル
8.5 カーネルが満たすべき諸条件
8.6 ハイパーパラメータの調整
9. スパース正則化
9.1 スパースモデリング
 9.1.1 スパースなインパルス応答
 9.1.2 スパース正則化
 9.1.3 軟しきい値作用素
 9.1.4 l1正則化の解のスパース性
9.2 最適化アルゴリズム
 9.2.1 ブロック座標緩和
 9.2.2 反復縮小しきい値アルゴリズム
 9.2.3 アルゴリズムの高速化
 9.2.4 正則化パラメータの選択
9.3 一般化エラスティックネット正則化
付録
A.1 逆行列に関する公式
A.2 対称行列の性質
A.3 正定値行列の性質
A.4 MATLABによる実装例
 A.4.1 入力信号の設計
 A.4.2 ノイズを含む出力の生成
 A.4.3 最小二乗法の実装
 A.4.4 カーネル正則化の実装
 A.4.5 スパース正則化の実装
引用・参考文献
索引

上記内容は本書刊行時のものです。