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これなら解ける 電気数学 高木 茂行(著/文) - コロナ社
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【利用不可】

これなら解ける 電気数学 (コレナラトケルデンキスウガク) 実験でアプローチ (ジッケンデアプローチ)

工業・工学
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発行:コロナ社
B5判
縦257mm 横182mm
200ページ
定価 3,200円+税
ISBN
978-4-339-00984-2   COPY
ISBN 13
9784339009842   COPY
ISBN 10h
4-339-00984-9   COPY
ISBN 10
4339009849   COPY
出版者記号
339   COPY
Cコード
C3054  
3:専門 0:単行本 54:電気
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2022年8月26日
書店発売日
登録日
2022年7月1日
最終更新日
2022年7月29日
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紹介

【書籍の特長】
本書の特徴は電気電子工学で使える数学を目指し、数学を解く手法の説明に重点を置き、電気電子工学の関係を示すための実験を掲載したことです。
目に見えない電気電子の動きを可視化し、理解・解析する手法の1つが電気数学です。従って、電気数学では公式の導出や理論より使えること、すなわち問題を解けることが最重要です。そこで、解くための要点を「解き方」としてまとめ、その使い方を例題で丁寧に説明しました。
学んだことが使える・役立つと分かれば、学習意欲は自ずと高まります。そこで、章の終りには、電気数学の活用する実験を示しました。とくに、電気電子工学は好きだけ数学には興味が持てないという学生には、電気数学を学習する大きなモチベーションになるハズです。

【各章について】
1章と2章では、行列を取り上げます。1章で2行2列、2章で3行3列以上と2章分を使って習得するよう構成しました。3章は三角関数で、交流波形を三角関数で記述する方法の習得を目指します。4章は指数・対数関数で、ネイピアン数eに関する指数・対数関数と、電気電子工学で重要な時定数について学びます。5章の複素数では、交流回路の記述に使われる複素数を取りあげ、交流をベクトル表示するフェーザについても学びます。6章は微分・偏微分です。各種関数の微分と微分の計算で重要な公式を修得し、多変数の微分である偏微分を学びます。7章は積分です。微分前の関数を求める不定積分と、関数の合計値を求める敵積分について学びます。8章と9章では微分方程式の解法で、8章で1階、9章で2階の微分方程式について学びます。10章と11章はラプラス変換です。ラプラス変換は、電気電子工学科では重要な数学手法なので、2章分をかけて丁寧に説明しています。12章はフーリエ級数です。方形波のフーリエ変換を通して、フーリエ級数の求め方を理解できるように構成しました。13章はベクトルです。ベクトルの内積・外積、さらには勾配、発散、回転までを説明しています。

【読者対象】
電気電子工学を学ぶ学生、特に大学1, 2年に設定される電気数学のテキストとしての使用を想定しています。同時に大学の3, 4年次生で電気電子の専門科目を学んでいる学生、大学院や企業ですでに研究・開発を行っている研究者・技術者が数学で困った時に容易に自主学習できるよう構成してあります。

【著者からのメッセージ】
著者(髙木)は数学が得意ではなく、大学の時に電気数学を修得するのにとても苦労しました。教える立場になってからは、定理の意味や解き方についてじっくり考えました。この過程で、学生が公式の理解や解き方で苦しむところが把握できました。そうした躓きどころの解決方法をふんだんに盛り込んだことが、他のテキストとの決定的な違いです。まずは実験のページからページをめくってもらい、少しでも数学に興味が湧けばと思います。
本書を通して、1人でも多くの学生が電気数学を習得し、電気電子工学部分野で活躍することを切に願います。

目次

1. 行列(基本編:2×2の行列)
1.1 行列ことはじめ
 1.1.1 用語の定義
 1.1.2 和・差・スカラ倍・転置
1.2 普通の掛け算とはやや異なる行列の積
1.3 行列計算で最も重要な逆行列(2×2の行列)
 1.3.1 定義と具体例
 1.3.2 行列式・余因子行列・逆行列の導出
1.4 行列方程式の解法(2×2の行列)
 1.4.1 連立方程式への変換を用いた行列方程式の求解
 1.4.2 逆行列を用いた行列方程式の求解
1.5 実験で試す:電気回路と行列
 1.5.1 回路方程式を行列で解く
 1.5.2 回路方程式で解いた電流と実際の値の比較
章末問題
2. 行列(応用編:3×3の行列)
2.1 逆行列(3×3の行列)
 2.1.1 小行列式
 2.1.2 ここが踏ん張りどころ:余因子・余因子行列・行列式の導出
 2.1.3 逆行列の導出
2.2 行列方程式の解法(3×3の行列)
2.3 実験で試す:電気回路と行列
 2.3.1 回路方程式を行列で解く
 2.3.2 回路方程式で解いた電圧電流と実際の値の比較
章末問題
3. 三角関数
3.1 三角関数の基礎となる三角比
 3.1.1 度数法と弧度法
 3.1.2 単位円による三角比の一般定義
 3.1.3 三角比の公式
 3.1.4 微分・積分でも重要な加法定理
 3.1.5 (発展)和積・積和の公式
3.2 三角関数
 3.2.1 三角関数の定義とグラフ
 3.2.2 逆三角関数
 3.2.3 電気系学生が毎日目にする正弦波
 3.2.4 正弦波の足し合わせ
3.3 実験で試す:交流100Vの電圧波形
章末問題
4. 指数と対数およびその関数
4.1 指数と対数
 4.1.1 指数の基本事項
 4.1.2 対数の基本事項
 4.1.3 電気電子工学の現象を表すのに便利なネイピア数e
4.2 指数や対数を用いた関数
 4.2.1 指数関数
 4.2.2 理解しづらいが重要な対数関数
 4.2.3 ここで理解しておくと便利:対数関数から指数関数への変換
4.3 三角関数と似て非なる双曲線関数
 4.3.1 双曲線関数の種類と定義
 4.3.2 双曲線関数の公式
 4.3.3 双曲線関数の加法定理
4.4 電気回路の指数関数
 4.4.1 電気回路の動きを表す指数関数
 4.4.2 時定数
4.5 実験で試す:時定数を調べる実験
章末問題
5. 複素数
5.1 複素数の定義と計算
 5.1.1 複素数の定義
 5.1.2 直交座標表示
 5.1.3 複素数の計算
5.2 極座標表示と三角関数表示
 5.2.1 極座標表示
 5.2.2 極座標表示と直交座標表示をつなぐ三角関数表示
 5.2.3 極座標表示の計算
5.3 指数関数表示
 5.3.1 極座標表示と指数関数表示
 5.3.2 指数関数表示の計算
 5.3.3 指数関数表示と三角関数表示
5.4 フェーザ
 5.4.1 交流のフェーザと複素数表記
 5.4.2 フェーザと複素数
5.5 実験で試す:二つの交流のフェーザによる合成
章末問題
6. 微分・偏微分
6.1 変化量を数学的に記述する微分
 6.1.1 微分の定義
 6.1.2 初等関数の導関数
6.2 これをマスターすれば大丈夫:微分で重要な五つの公式
6.3 電気回路の微分
6.4 多変数関数の微分を表す偏微分
 6.4.1 山の登山ルートと偏微分
 6.4.2 多変数関数と偏微分
6.5 偏微分に関する定理・公式
6.6 全体の傾き量を表す全微分
6.7 実験で試す:インダクタ電流波形の微分
 6.7.1 インダクタ電流波形の微分と電圧波形
 6.7.2 実験でインダクタの電流波形と電圧波形を求める
章末問題
7. 積分
7.1 不定積分
 7.1.1 不定積分の定義
 7.1.2 基本的な公式
7.2 これが重要:積分を求める三つの公式
 7.2.1 部分積分
 7.2.2 置換積分
 7.2.3 三角関数の積分
7.3 定積分と面積(時間合計値)
 7.3.1 定積分の定義と公式
 7.3.2 定積分と面積
 7.3.3 定積分と時間合計・平均
7.4 電気回路の積分
7.5 実験で試す:キャパシタ電流波形の積分
 7.5.1 キャパシタ電流波形の積分と電圧波形
 7.5.2 実験でキャパシタの電流波形と電圧波形を求める
章末問題
8. 1階の微分方程式
8.1 微分方程式の定義・分類
 8.1.1 微分方程式の定義
 8.1.2 微分方程式の解と解の判定
 8.1.3 初期条件
 8.1.4 微分方程式の分類
8.2 1階の微分方程式の解き方(全体の流れ)
8.3 変数分離法で補関数を求める(Step1)
8.4 定常解あるいは特殊解を求める(Step2)
8.5 一般解と解の決定(Step3,4)
8.6 電気回路と微分方程式
8.7 実験で試す:計算結果の比較
 8.7.1 キャパシタ充電の実験
 8.7.2 実験と同じ回路の微分方程式を解く
章末問題
9. 2階の微分方程式
9.1 2階の微分方程式の分類と解き方の流れ
 9.1.1 2階の微分方程式と同次・非同次
 9.1.2 2階の微分方程式の解き方(全体の流れ)
9.2 2階の微分方程式の解き方(=0)は二次方程式を解く問題に(Step1)
 9.2.1 2階の微分方程式は二次方程式を解く問題に置き換わる
 9.2.2 二次方程式と2階の微分方程式の解
9.3 特殊解あるいは定常解を求める(Step2)
9.4 一般解と解の決定(Step3,4)
9.5 LCR直列回路を2階の微分方程式で解く
 9.5.1 LCR直列回路の微分方程式
 9.5.2 LCR直列回路における3種類の挙動
9.6 実験で試す:実際のLCR直列回路で電圧を測定
章末問題
10. ラプラス変換
10.1 ラプラス変換の定義
10.2 定義から代表的関数のラプラス変換を求める
 10.2.1 ユニットステップ関数u(t)のラプラス変換
 10.2.2 三角関数sin atのラプラス変換
10.3 コツをつかめば簡単:変換表を使ったラプラス変換
10.4 最も重要な推移則と微分・積分のラプラス変換
 10.4.1 推移則の説明
 10.4.2 推移則を使ったラプラス変換の解き方
 10.4.3 微分と積分のラプラス変換
10.5 ラプラス逆変換
 10.5.1 ラプラス逆変換の定義
 10.5.2 変換表を使ったラプラス逆変換の求め方
 10.5.3 推移則を使った逆変換((s±a)nが含まれる場合)
10.6 実験で試す:インダクタとキャパシタのラプラス変換
 10.6.1 実際のインダクタとキャパシタのラプラス変換
 10.6.2 微分・積分,複素数,フェーザ,ラプラス変換の比較
章末問題
11. ラプラス変換で微分方程式を解く
11.1 ラプラス変換で微分方程式を解くための二つの準備
11.2 微分定理を理解する(準備その1)
 11.2.1 微分定理とその導出
 11.2.2 微分定理の意味と使い方(解き方)
11.3 部分分数展開(準備その2)
 11.3.1 単純な因数分解の場合
 11.3.2 少し工夫が必要:重根がある場合
11.4 ラプラス変換による微分方程式の解法
11.5 実際の回路方程式で解き方を比較
 11.5.1 ラプラス変換で解く
 11.5.2 ラプラス変換を使わない(8,9章)の解き方との比較
章末問題
12. フーリエ級数
12.1 フーリエ級数で方形波の近似を検討してみよう
12.2 フーリエ級数の定義
12.3 フーリエ級数の解き方(求め方)
12.4 フーリエ級数を確認してみよう
12.5 フーリエ級数展開を容易にする偶関数・奇関数
 12.5.1 偶関数・奇関数
 12.5.2 偶関数・奇関数とフーリエ級数
12.6 周波数解析(離散スペクトル)
 12.6.1 フーリエ級数と電気電子工学
 12.6.2 周波数解析の数学的準備
12.7 実験で試す:実際の波形でフーリエ級数
章末問題
13. ベクトル
13.1 ベクトルの基本:空間ベクトル
 13.1.1 定義
 13.1.2 基本演算
 13.1.3 内積(ドット積)
 13.1.4 外積(クロス積)
13.2 空間での変化量を扱う:ベクトル解析の基礎
 13.2.1 勾配
 13.2.2 発散
 13.2.3 回転
 13.2.4 勾配・発散・回転の比較
13.3 電磁気学とベクトル解析
 13.3.1 静電場のガウスの法則
 13.3.2 静磁場のアンペールの法則
章末問題
章末問題略解
索引

上記内容は本書刊行時のものです。