版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
電磁波による生体内イメージング 桑原 義彦(著/文) - コロナ社
..
【利用不可】

電磁波による生体内イメージング (デンジハニヨルセイタイナイイメージング) 原理からMATLABを用いた数値解析まで (ゲンリカラマトラボヲモチイタスウチカイセキマデ)

工業・工学
このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:コロナ社
A5判
縦210mm 横148mm
254ページ
定価 3,700円+税
ISBN
978-4-339-00981-1   COPY
ISBN 13
9784339009811   COPY
ISBN 10h
4-339-00981-4   COPY
ISBN 10
4339009814   COPY
出版者記号
339   COPY
Cコード
C3055  
3:専門 0:単行本 55:電子通信
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2022年3月8日
書店発売日
登録日
2022年1月12日
最終更新日
2022年2月16日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

【本書の特徴】
本書が扱う内容は電磁波を用いた生体内部のイメージングである。X線を使わず,携帯電話の出力電力程度の小さな装置で生体内部のイメージングができれば,医学に革新的な変化をもたらすだろう。しかし,この研究領域は難解な電波伝搬,信号処理,数値解析が絡み合い,初学者がこの領域に入るには非常にハードルが高いのが現実である。そのため,これまでの研究で得た知見をプログラムとともに公開する。電波伝搬解析や逆散乱問題を扱う場合,難解な数式から逃れることはできないが,プログラムを見てそれを実行することで,具体的な解析手法を確実に理解することができる。
本書は基礎から解説しているが,解析手法を限定し,できるだけ踏み込んだ解説を心がけた。プログラムはMATLAB上で動作する。複雑な構造のセンサやオブジェクトの解析は市販の電磁界解析シミュレータCST Studio Suiteが必要だが,これがなくても簡単な構造のセンサやオブジェクトの解析は可能である。その他,コラムを設けて研究開発のエピソードを紹介するとともに,付録を設け,本文では取り扱えなかった技術を解説する。

【各章の概要】
第1章では電磁波を用いた生体内部のイメージングの研究開発の意義と,現在の研究開発状況を紹介。第2章では理論の基本となる生体組織の電気的特性について解説。第3章では電波伝搬解析理論を説明した後,シミュレーションプログラムとその動作例を示す。複雑なオブジェクトを解析するためにCST Studio Suiteを使用するが,MATLABと連接して機能を拡張する方法も解説。第4章以降でイメージングの各論に入り,第4章では共焦点イメージングの理論とその限界について計算機シミュレーション結果に基づいて解説。第5章が本書のハイライトで,逆散乱問題の理論,MATLABとCST Studio Suiteを使用した画像再構成プログラムとその解析結果を紹介。第6章では近年注目されているマイクロ波ホログラフィの理論と画像再構成プログラムを紹介。第7章で第4章から第7章で述べた3つのイメージング手法を実装した実験システムとその実験結果を紹介し,第8章で本書のまとめと将来の展望を述べる。

【著者からのメッセージ】
本書の執筆の動機は,電磁界解析や逆散乱問題のハードルを下げ,多くの研究者・技術者がこの分野の研究開発に取り組んでほしいとの願いです。電波応用機器の開発は,機能の明確化,目標仕様決定,計算機シミュレーションによる性能予測評価,(部分)試作評価,製品設計・製造のステップを踏みます。特に機能の明確化,目標仕様決定,計算機シミュレーションによる性能予測評価が装置開発では重要なステップです。本書は初期の3つの開発ステップで大いに活用できると思います。本書の内容は生体内部のほか,地下や構造物の非破壊イメージングなど幅広い分野での活用ができます。プログラムコードもどんどん改変し,読者ご自身の研究分野にあったものにしていただきたいと願っています。

目次

1.マイクロ波・ミリ波イメージング
1.1 マイクロ波・ミリ波イメージング技術の医用イメージングへの展開の期待
 1.1.1 乳がん
 1.1.2 脳血管障害
1.2 マイクロ波・ミリ波イメージングと既存の医用画像装置の比較
1.3 マイクロ波・ミリ波イメージングの概要
 1.3.1 データ取得システム(ハードウェア)
 1.3.2 画像再構成(ソフトウェア)
1.4 研究の動向
 1.4.1 乳房イメージング
 1.4.2 頭蓋内イメージング
1.5 本書の構成
2.生体組織の電気的特性
2.1 複素誘電率
 2.1.1 デバイモデル
 2.1.2 生体組織の誘電率と導電率
2.2 複素誘電率の測定
2.3 乳房組織の測定と分析
2.4 数値ファントム
 2.4.1 公開情報
 2.4.2 オリジナルの乳房数値ファントムの作成
コラム1 生体から切り離した検体の比誘電率や導電率は変化するか?
3.生体内部での電磁界解析
3.1 概論
3.2 モーメント法
 3.2.1 定式化
 3.2.2 プログラム例
3.3 電磁界解析シミュレータの活用
 3.3.1 CSTStudioSuiteを使った散乱場の取得
 3.3.2 計算例
4.コンフォーカルイメージング
4.1 前処理
 4.1.1 不要信号の除去
 4.1.2 伝搬速度の推定
4.2 DAS
 4.2.1 基本アルゴリズム
 4.2.2 改良アルゴリズム
4.3 ビームフォーミング法
 4.3.1 MIST
 4.3.2 MAMI
4.4 超分解法
4.5 計算例
 4.5.1 数値乳房ファントム
 4.5.2 シミュレーション評価
コラム2 マルチスタティックMISTを使った画像再構成実験
5.逆散乱問題
5.1 逆問題の基礎
 5.1.1 条件数
 5.1.2 逆問題の解法
 5.1.3 最適化の手法
5.2 逆散乱問題
 5.2.1 ニュートン法に基づく方法
 5.2.2 BIM/DBIM
 5.2.3 計算例
5.3 CSTStudioSuiteを使用した画像再構成
 5.3.1 アンテナの入出力の扱い
 5.3.2 画像再構成プログラム
 5.3.3 実行例
5.4 キャリブレーション
5.5 課題
コラム3 地中のオブジェクトのイメージング
6.近傍界マイクロ波ホログラフィ
6.1 2次元イメージング
 6.1.1 反射率関数の再構成
 6.1.2 Sパラメータの利用
6.2 3次元イメージング
6.3 分解能
6.4 キャリブレーション
6.5 円筒スキャン
6.6 プログラム例
7.マイクロ波イメージングシステムの実際
7.1 コンフォーカルイメージング
 7.1.1 マイクロ波マンモグラフィ
 7.1.2 臨床撮像例
 7.1.3 所見
7.2 マイクロ波トモグラフィ
7.3 近傍界マイクロ波ホログラフィ
 7.3.1 測定システム
 7.3.2 測定
8.今後の展望
付録
A.1 FDTD法:1次元モデルによる周波数依存性媒質の評価
 A.1.1 1次元モデル
 A.1.2 分散性媒質の扱い
 A.1.3 プログラミング
 A.1.4 計算例
A.2 アンサンブル経験的モード分解
 A.2.1 EMDの手順
 A.2.2 EEMDの手順
 A.2.3 EEMDを用いた不要信号除去
A.3 独立成分分析
A.4 MUSIC法による平均誘電率推定
引用・参考文献
索引

上記内容は本書刊行時のものです。