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スマートグリッドと蓄電技術 福井 正博(著/文) - コロナ社
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スマートグリッドと蓄電技術 (スマートグリッドトチクデンギジュツ)

工業・工学
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発行:コロナ社
A5判
縦210mm 横148mm
144ページ
定価 2,000円+税
ISBN
978-4-339-00978-1   COPY
ISBN 13
9784339009781   COPY
ISBN 10h
4-339-00978-4   COPY
ISBN 10
4339009784   COPY
出版者記号
339   COPY
Cコード
C3054  
3:専門 0:単行本 54:電気
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2022年2月18日
書店発売日
登録日
2021年12月14日
最終更新日
2022年1月14日
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紹介

本書の特徴は,多くの紙面をリチウムイオン蓄電池のモデル化と最適制御および管理,活用技術の説明に割いたことである。安全かつ長寿命な蓄電システムの構築に必要な技術を初めて学ぼうとする人たちが,エネルギー活用技術の全体像を把握しながら,無理なく読み進めることができるよう,以下の構成とした。

1章,2章は導入であり,社会規模でのエネルギーシステムの全体像と課題,その中での蓄電システムの位置づけと役割について説明した。さまざまな発電方法における再生可能エネルギーの特徴は,発電と需要の調整技術が課題であることである。それらの調整のために,社会実装としてキーとなるのが蓄電システムであり,大きな価値を生むということを示し,3章以降を通読するための動機づけとした。
3章では,蓄電池の進化と役割の変化を歴史的背景から振り返り,より過去の時代から長期にわたり活用されている鉛蓄電池や将来高い安全性かつ高効率な蓄電デバイスの主流として期待されている固体電池との比較を行いながら,現在および今後主流の一翼として期待されるリチウムイオン蓄電池の動作原理や実装,特徴について詳しく解説した。
4章と5章ではBMS(battery management system)の観点から,電気化学的なデバイスをコンピュータ制御するために必要な技術を解説した。まず,4章で等価回路を用いたリチウムイオン蓄電池の電気的特性と温度特性のモデル化およびシミュレーション技術について解説し,電流に対する電圧応答から内部インピーダンスの特徴を理解し,その後,内部インピーダンスの温度特性や充放電動作に伴う温度分布の変化を解析するための手法を示した。また,単一セルの特性だけではなく,組電池にした場合のモデル化方法や特性ばらつきの扱い方に関しても解説を行った。5章では蓄電池の内部状態を推定するための技術として制御工学で用いられるカルマンフィルタや逐次最小二乗法などの最適化技術を丁寧に解説した。マイコンなどを用いてプログラミング実装する場合にも理解が容易となるように配慮した。また,蓄電池の代表的な劣化現象と等価回路モデルでの変化から劣化モードや劣化割合を認識する方法を解説した。将来的には蓄電池セルに搭載されたBMSが高機能化し,内部抵抗のリアルタイム測定や機械学習による劣化現象の把握,さらには,残寿命,残価値の推定が可能となることが予想されるので,それらの高度な状態把握に向けた技術の紹介も行った。
最後に6章では,BMSシステムへの要求や機能についていくつかの使用シーンを想定して,全体のまとめを行った。

目次

1.序論
1.1 スマートグリッド
1.2 地球環境とエネルギー事情
章末問題
2.エネルギー環境の変化
2.1 発電・送電・蓄電の役割
2.2 再生可能エネルギー活用による変化とマネジメント
2.3 VPP,アグリゲーション
2.4 蓄電池の役割
章末問題
3.リチウムイオン蓄電池
3.1 蓄電池の進化と役割の変化
3.2 各種蓄電池の特徴と使い分け
3.3 鉛蓄電池の動作原理
3.4 リチウムイオン蓄電池の動作原理
3.5 リチウムイオン蓄電池の構造的特徴
3.6 リチウムイオン蓄電池の材料と組み立て
3.7 固体電池の動作原理
章末問題
4.蓄電池のモデル化とシミュレーション
4.1 等価回路モデルと抽出方法
4.2 温度特性とその表現,抽出方法
4.3 温度管理(発熱,伝熱の理論)
4.4 開回路電圧,充電率,満充電容量
4.5 組電池のモデル化とばらつきの考慮
章末問題
5.蓄電池の状態推定
5.1 充電状態の推定方法(カルマンフィルタの基礎と電池への応用)
 5.1.1 充電状態のSOC推定方法
 5.1.2 電流積算法
 5.1.3 カルマンフィルタの導入
 5.1.4 電池モデルの生成
 5.1.5 カルマンフィルタの適用
 5.1.6 システムノイズと観測ノイズの推定
5.2 内部インピーダンスの推定方法(逐次最小二乗法)
 5.2.1 逐次最小二乗法の導入
 5.2.2 逐次最小二乗法で用いる電池モデルの生成
 5.2.3 逐次最小二乗法の適用
5.3 劣化現象と劣化診断方法
 5.3.1 交流内部抵抗法
 5.3.2 交流インピーダンス法
 5.3.3 矩形波インピーダンス法
 5.3.4 過渡応答変換法
 5.3.5 放電曲線微分法
 5.3.6 充電曲線解析法
 5.3.7 適応フィルタ
 5.3.8 差電圧法
 5.3.9 機械学習
5.4 劣化診断システムの例
5.5 寿命推定
5.6 動的状態推定
章末問題
6.蓄電池管理システム(BMS)
6.1 BMSの機能
6.2 大規模蓄電池システムのBMS
6.3 安全性を高める工夫
 6.3.1 BMS装置
 6.3.2 使用シーンとBMS
章末問題
引用・参考文献
章末問題解答
索引

上記内容は本書刊行時のものです。