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マナ・タブー・供犠 R.R.マレット(著/文) - 国書刊行会
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マナ・タブー・供犠 (マナタブークギ) 英国初期人類学宗教論集 (エイコクショキジンルイガクシュウキョウロンシュウ)

哲学・宗教
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発行:国書刊行会
A5判
488ページ
定価 6,200円+税
ISBN
978-4-336-07111-8   COPY
ISBN 13
9784336071118   COPY
ISBN 10h
4-336-07111-X   COPY
ISBN 10
433607111X   COPY
出版者記号
336   COPY
Cコード
C0314  
0:一般 3:全集・双書 14:宗教
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2023年3月14日
書店発売日
登録日
2023年2月28日
最終更新日
2023年2月28日
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紹介

〈シリーズ 宗教学再考〉【第二回配本】

ヴィクトリア時代が開く、宗教への扉

世界経済の覇者となった英国に、
植民地支配を背景にもたらされた非ヨーロッパ圏からの情報。
厖大な事象の分類と比較は新たな学問分野を生みだし、
「マナ」「タブー」「供犠」といった主題は進化論的発想と結びついて、
宗教の起源=本質が議論された。
現代の宗教研究の基礎となる諸概念の再考を期して、
英国初期人類学者たちの最重要宗教論を集成する。

【収録内容】
W・ロバートソン・スミス「供犠」(『ブリタニカ百科事典』の項目)
「供儀」を神とその崇拝者が供食する饗宴として捉え、崇拝者が社会的紐帯を形成することを指摘。さらにトーテミズムとの関連で議論を展開させる。名著『セム族の宗教』の原型となった『ブリタニカ百科事典』の項目。本邦初訳。

J・G・フレイザー「タブー」「トーテミズム」(『ブリタニカ百科事典』の項目)
「未開社会」の呪術的思考を集成した金字塔『金枝篇』以前、ロバートソン・スミスとの出会いによって人類学者としての一歩を踏み出した『ブリタニカ百科事典』の項目。古今東西の文献渉猟から編みだされた「安楽椅子の人類学」のひとつの達成。本邦初訳。

R・H・コドリントン『メラネシア人――その人類学的・民俗学的研究』(抄)
メラネシア地域での宣教活動の傍らにおこなった、ライフワークとしてのフィールド調査の成果。全19章のうち、西洋にはじめて超自然的な力である「マナ」を伝え、初期の人類学や宗教学における宗教起源論に多大な影響を与えた2章を収録。本邦初訳。

R・R・マレット『宗教への閾』 
師事したタイラーが提唱したアニミズムや、フレイザーの呪術理論を批判・修正しつつ、マナとタブーを軸に萌芽的な宗教を考察し「プレアニミズム」を提唱。当時最新の心理学を援用して「アニミズム」「タブー」「マナ」「呪術」を次世代につないだ過渡期の人類学者による8本の論集。新訳。

目次

W. ロバートソン・スミス「供犠」(『ブリタニカ百科事典』の項目) 
J. G. フレイザー「タブー」「トーテミズム」(『ブリタニカ百科事典』の項目)
R. H. コドリントン『メラネシア人――その人類学的・民俗学的研究』
R. R. マレット『宗教への閾』
解題
解説

著者プロフィール

R.R.マレット  (ロバートレナルフマレット)  (著/文

Robert Ranulph Marett(1866-1943)
英国ジャージー島生まれ。オックスフォード大学のベリオールカレッジで古典学、哲学、倫理学を学び、1891年には同大学エクセターカレッジにフェローとして在籍。1910年にオックスフォード大学で人類学の教授に準ずる職をタイラーから引き継いだのちは、同大学における社会人類学の設立に尽力した。その研究においてはプレアニミズムやアニマティズム、マナの概念を提示することによってタイラーの宗教起源論を修正するとともに、とりわけ宗教の感情的側面に着目し、心理学的視点を重視した。邦訳に『先霊観』(岡書院)、『原始文化』(生活社)、『宗教と呪術』(誠信書房)。

J.G.フレイザー  (ジェームズジョージフレイザー)  (著/文

James George Frazer(1854-1941)
スコットランド・グラスゴー生まれ。1874年、ケンブリッジ大学トリニティカレッジで学んだあと、特別研究員となる。その後、古典研究と人類学に関する研究を深め、1890年『金枝篇』初版出版。1908年リヴァプール大学の社会人類学の教授に就任するも一年で退職。1914年ナイト爵受勲。1920年英国学士院会員に選出。『金枝篇』は、人類学の書物として異例なほど広く読まれ、20世紀の文化に多大な影響を与えた。邦訳に『金枝篇』(国書刊行会)、『サイキス・タスク』(岩波文庫)、『火の起原の神話』(ちくま学芸文庫)等。

W.ロバートソン・スミス  (ウィリアムロバートソンスミス)  (著/文

William Robertson Smith(1846-1894)
スコットランド・アバディーン生まれ。アバディーン大学、エジンバラ大学で数学や古典語、聖書研究を学んだあと、ボン大学、ゲッティンゲン大学に留学し、高等批評を学ぶ。1870年、アバディーンの自由教会カレッジの教授に就任。異端の疑いで告発され、『ブリタニカ百科事典』の記事により、失職。以後、同事典の編集・執筆に携わる。1883年ケンブリッジ大学講師、1886年同大学図書館員に就任。聖書研究に比較宗教学的な方法と人類学的な知見を持ち込み、その供犠論はフランス社会学やフレイザー、フロイトらに影響を与えた。邦訳に『セム族の宗教』(岩波文庫)。

R.H.コドリントン  (ロバートヘンリーコドリントン)  (著/文

Robert Henry Codrington(1830-1922)
イングランド・ロートン生まれ。英国国教会の司祭の次男で、オックスフォードのウォダムカレッジで学んだのち、1855年に叙階。南太平洋地域を担当する宣教師に任命されてニュージーランドへ移住し、メラネシアでの宣教活動に従事。長年にわたりメラネシアの社会や宗教などに関する調査活動を行ない、多くの人類学的な知見をヨーロッパにもたらすが、特に彼によって伝えられた「マナ」概念は初期の人類学、宗教学に大きな影響を与えた。主著として『メラネシアの言語』『メラネシア人』など。

江川純一  (エガワジュンイチ)  (監修

江川純一
1974年福井県生まれ。2008年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学。博士(文学)。明治学院大学国際学部付属研究所研究員、桐朋学園大学非常勤講師。著書に『イタリア宗教史学の誕生――ペッタッツォーニの宗教思想とその歴史的背景』(勁草書房)、翻訳書にマルセル・モース『贈与論』(共訳、ちくま学芸文庫)。

山﨑亮  (ヤマザキマコト)  (監修

山﨑亮
1958年石川県生まれ。1986年東北大学大学院文学研究科博士課程中退。島根大学人間科学部教授。著書に『デュルケーム宗教学思想の研究』(未来社)、翻訳書にエミール・デュルケーム『宗教生活の基本形態――オーストラリアにおけるトーテム体系』上下(ちくま学芸文庫)。

佐々木雄大  (ササキユウタ)  (翻訳

佐々木雄大
1978年東京都生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学。博士(文学)。日本女子大学専任講師。著書に『バタイユ――エコノミーと贈与』(講談社選書メチエ)、翻訳書にエッカート・フェルスター『哲学の25年』(共訳、法政大学出版局)。

比留間亮平  (ヒルマリョウヘイ)  (翻訳

比留間亮平
1979年東京都生まれ。2007年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学。東洋英和女学院大学非常勤講師。主な論文に「数の中の神――西洋における数の哲学の源流」(共著、『越境する宗教史』下巻、リトン)、翻訳書に『宗教――相克と平和』(共訳、秋山書店)など。

藤井修平  (フジイシュウヘイ)  (翻訳

藤井修平
1986年東京都生まれ。2019年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学。博士(文学)。東京家政大学ほか非常勤講師。翻訳書にミルチャ・エリアーデ『アルカイック宗教論集』(共訳、国書刊行会)、アラ・ノレンザヤン『ビッグ・ゴッド』(共訳、誠信書房)など。

金瞬  (キンシュン)  (翻訳

金瞬
1990年岐阜県生まれ。2016年早稲田大学文化構想学部卒。

徳田安津樹  (トクダアツキ)  (翻訳

徳田安津樹
1991年東京都生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程。

上記内容は本書刊行時のものです。