書店員向け情報 HELP
出版者情報
イヴのことを少し
- 初版年月日
- 2019年12月25日
- 書店発売日
- 2019年12月25日
- 登録日
- 2019年11月22日
- 最終更新日
- 2019年12月18日
紹介
赤毛の青年ジェラルドが先祖ドム・マニュエルのロマンスの執筆に没頭していたところに、悪霊が現われ、お前の肉体に乗り移ってお前の現世を引き受けてやろうと言う。又従妹イヴリンとの不義の関係に手を焼いていたジェラルドは申し出をうべなう。さらに以前の魔術仲間から銀の馬カルキを贈られ、彼は勇んで彼方の都アンタンに向かう。あらゆる神の終着地である彼の地を統べる文献学匠になり代わり、その王座に座るつもりなのだ。その途上、不思議な鏡の魔力によって、プロメテウス、ソロモン、オデュッセウス、ネロ、タンホイザーと、ボルヘス「不死の人」のカルタフィルスにも見まごう転生を体験したジェラルドは、あらゆる神の上に立つ至上神としての己の運命をますます深く確信するのだが――『黄金の驢馬』『ガルガンチュアとパンタグリュエル』『ファウスト』『ドン・キホーテ』などの自在な変奏により展開される〈造物主/詩人への悲歌〉。
目次
第一部 発端の書
第一章 いかに誘惑者は来たか
第二章 リッチフィールドのイヴリン
第三章 二人のジェラルド
第四章 書斎の悪魔
第二部 薄明の書
第五章 雄馬の洗礼
第六章 黄昏のイヴァドネ
第三部 ドーンハムの書
第七章 最初の水隙のイヴァシェラー
第八章 あらゆる姫の母
第九章 一匹の蝶の末路
第四部 デルサムの書
第十章 ケア・オムンの妻たち
第十一章 鏡の民
第十二章 黄金の旅の混乱
第十三章 神という奥付
第十四章 鏡のイヴァルヴァン
第五部 リトレイアの書
第十五章 テンホーの卓にて
第十六章 リトレイアの聖なる鼻
第十七章 ペテロ霊廟のイヴェイヌ
第十八章 女狐の最期
第十九章 覆いの向こう側
第六部 テューロインの書
第二十章 奇跡を起こす者らの勤め
第二十一章 毛布を被る者たち
第二十二章 スフィンクスの段パラグラフ落
第二十三章 タオルの不思議な変化
第七部 詩人たちの書
第二十四章 ミスペックの沼地にて
第二十五章 神はなじむ
第二十六章 なんという芸術家が!
第二十七章 星々へのまなざし
第八部 魔法使いの書
第二十八章 マーヤの懇ろな魔術
第二十九章 レウコテアーの歌
第三十章 ソロモンの望んだもの
第三十一章 マーリンの騎士道
第三十二章 いてもいい子供
第九部 ミスペックの沼地の書
第三十三章 ガストンの限界
第三十四章 茶色男の曖昧さ
第三十五章 カルキとドッペルゲンガーについて
第三十六章 タンホイザーの狼狽した目
第三十七章 場違いな神の満足
第十部 大詰めの書
第三十八章 主教の過去について
第三十九章 マスグレイヴの洗礼
第四十章 裏返る木の葉
第四十一章 あらゆる父の子
第四十二章 テオドリックは出発する
第四十三章 救済の経済学
第四十四章 常識の経済学
第四十五章 あらゆる幸福との別れ
第十一部 残余の書
第四十六章 廃墟への灰色の静かな道
第四十七章 いかにホルヴェンディルはその一族を見捨てたか
第十二部 黙従の書
第四十八章 サイランの勤勉の成果
第四十九章 二つの真理の勝利
第五十章 グラウムの脱出
訳注
玩具作りの栄光 垂野創一郎
上記内容は本書刊行時のものです。