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出版者情報
人間に魂はあるか?
本山博の学問と実践
- 書店発売日
- 2013年9月11日
- 登録日
- 2015年8月13日
- 最終更新日
- 2015年8月13日
紹介
領域横断的な科学者にして宗教者である稀代の見者、本山博の仕事を通して、スピリチュアリティと宗教のあり方やありうべき研究のパースペクティブについて、根本的・本質的に考究する。
本山は、比較宗教学、宗教哲学、電気生理学、超心理学などの多領域を越境・統合する諸研究によって、世界と人間の宗教的/スピリチュアルな存在構造とその動態を解明しようとしてきた世界的な碩学である。
それゆえ、スピリチュアリティや宗教について議論する際には真っ先に当たらなければならない存在である。しかしながら本山は、海外では「スピリチュアリティといえばこの人」と言われ、その著書がユネスコより哲学部門優良図書に挙げられるほどに著名な「スピリチュアリティの巨人」であるにもかかわらず、国内では一部を除き、その業績や人となりが人口に膾炙されることはほとんどない。本書はこの意味で、本山の仕事の研究史的・実践的な意義について議論する世界初の画期的な書であると言えよう。
第1部では、公共性、および他界性と社会性という不可視の共同性の2つの位相をめぐる人文社会科学の議論において、本山の研究がどのように位置づけられ、どのような学問的貢献を果たす(果たしている)のかについて、論じられる。
第2部では、「本山学」がヨーガを中心とした瞑想実践をその研究の核に据えている点に大いに着目し、
①比較瞑想論の方法論的意義と学問的広がりに関する宗教学的研究
②唯識瑜伽行派と密教ヨーガに関する仏教学的論考
③止観をそのモデルとする瞑想の一般的構造に関する仏教心理学的考察
という3つの観点から、問題提起を行う。
第3部では、本山と親交のある同世代の経営者、稲盛和夫と、生命科学者、村上和雄の2人の「かずお」氏が、それぞれの実践や研究の領域で、魂や神仏についてインタビュー形式で語り、本山へのオマージュを表現する。
第4部では、本書の題名とした「人間に魂はあるか」というラディカルな問いに関して、電気生理学的な実証研究を行ってきた本山博本人の公演と、その質疑応答が、まず所収されている。次いで、本山の宗教的後継者である本山一博が、「本山博神学」全体に通底する「相互内在」という核心部について、総合的に論じる。
第5部では、第1・2部の執筆者である樫尾直樹、影山教俊、小林正弥の3名が、「地球時代のスピリチュアリティと宗教」というテーマで鼎談を行い、本山の仕事を批判的に検討し、その将来への発展と継承を展望することを通して、これからの新しい学問/科学のビジョン、地球時代に希求されるスピリチュアリティと宗教のあり方とその方向性について、徹底討論する。
今日の唯物論的な知やライフスタイルは限界にきている。本書は、二十一世紀型の新しい学問/科学のフロンティアを切り開く、知のブレイクスルーとなるであろう。
目次
稲盛和夫 村上和雄 本山博 スピリチュアリティ 宗教 比較宗教学 宗教哲学 電気生理学 超心理学 ユネスコ 他界性 社会性 公共性 ヨーガ 唯識瑜伽行派 密教ヨーガ 止観 瞑想 仏教心理学 生命科学者 経営者 魂 神仏 相互内在 学問/科学のビジョン
上記内容は本書刊行時のものです。