書店員向け情報 HELP
出版者情報
日常に侵入する自己啓発
生き方・手帳術・片づけ
- 書店発売日
- 2015年4月9日
- 登録日
- 2015年8月13日
- 最終更新日
- 2015年8月13日
書評掲載情報
2015-06-07 | 日本経済新聞 |
2015-05-24 |
朝日新聞
評者: 荻上チキ(「シノドス」編集長、評論家) |
MORE | |
LESS |
紹介
自己啓発書はどのように生み出され、誰によってどのように読まれているのか。自己啓発書には結局のところ何が書かれてあるのか。各年代の生き方指南書、「手帳術」ガイド、掃除・片づけで人生が変わるとする書籍、さらには自己啓発書の作り手と読者へのインタビュー、質問紙調査の分析から「自己啓発の時代」を総合的に考究する。
目次
はじめに
第一章 ハビトゥスとしての自己啓発
1 日常を差異化する自己啓発書
2 ハビトゥスとしての自己啓発
3 「自己啓発界」の構造
4 自己啓発書の読者とは誰か
5 「薄い文化」としての自己啓発書購読
6 本書の目的と分析枠組
第二章 「ヘゲモニックな男性性」とそのハビトゥス――男性向け「年代本」の分析
1 煽るメディアとしての男性向け「年代本」
2 「群れ」からの脱出――二〇代論
3 仕事・プライベートの一元的統御――三〇代論
4 「自分らしさ」の再文脈化――四〇代論
5 細分化される人生
第三章 「自分らしさ」という至上原理――女性向け「年代本」の分析
1 迷い・悩みのメディアとしての女性向け「年代本」
2 「自分らしさ」という賭金=争点
3 自分らしさ志向の際限なき適用
4 「女らしさ」からの離脱?
5 自分らしさ志向の系譜
第四章 「今ここ」の節合可能性――手帳術本の三五年史
1 「日常」に特化したジャンルとしての手帳術
2 手帳語りの始まり――一九七九年
3 手帳術の発見――一九八〇・九〇年代
4 手帳術と「夢」の節合――二〇〇〇年代前半
5 手帳術の細密化と飽和――二〇〇〇年代後半以降
6 日常感覚を共有するコミュニティの形成
第五章 私的空間の節合可能性――家事の自己啓発的転回と私的空間の聖化
1 「片づけ」で人生が変わる?
2 掃除の「発見」
3 整理・収納論における自己啓発的転回
4 私的空間の節合可能性――「捨てる」・シンプルライフ・風水
5 聖なる私的空間の消費
終章 自己啓発の時代のゆくえ
1 「アイデンティティ・ゲーム化」というアイデンティティ・ゲーム
2 「コントロール可能性への専心」というハビトゥス
3 自己啓発の時代のゆくえ
あとがき
参考文献
索 引
上記内容は本書刊行時のものです。