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出版者情報
ライフデザインと希望
- 書店発売日
- 2017年3月18日
- 登録日
- 2016年11月1日
- 最終更新日
- 2024年2月1日
紹介
自立格差。若者たちの自立をうながす要因、阻む要因は何か。その構造を明らかにすると共に、社会にできること、すべきことを考える。
若者の間の格差・不平等の現状はいかなるものなのか。格差はどの時点で生まれ、連鎖していくのか。本シリーズは10年近くに亘る追跡調査データを分析したものである。第1巻では学歴を取得する過程、学校から職場への移行、職業キャリアを、第2巻では結婚と親役割の取得を、第3巻では自立をめぐるさまざまな意識を分析する。
目次
シリーズ刊行のことば[石田浩]
序章 パネル調査がみてきた若者たちの自立への歩み[佐藤香]
1 若者のトランジション問題
2 日本の若者がおかれている状況
3 「働くこと」にかかわる社会システム
4 若者の自立プロセスを明らかにするために
第I部 家族とのつながりのなかで考える
第1章 幸せ感からみた若者の多様性─ジェンダーと女性間の違いに着目して[鈴木富美子]
1 多様な若者をどう捉えるか
2 本研究の特徴と目的
3 幸せ感におけるジェンダーの違い
4 客観的状況(収入)と主観的状況(幸せ感)による類型の作成
5 幸せ感における女性間の違い──類型による分析
6 おわりに
第2章 何を重視し,どう行動するか─日米の若者の価値観・進路・家族[深堀聰子]
1 若者を取り巻く社会環境
2 データの概要
3 日米の高校生の価値観
4 高校生の価値観と高校卒業後の予定進路
5 高校卒業後の価値観と職業キャリア形成・家族形成
6 おわりに
第3章 親元にとどまる若者─のしかかる「重層的な支出」[伊藤秀樹]
1 親との同居と経済的な困難
2 データの概要
3 誰が親と同居しているのか
4 親と同居する若者の事情
5 重層的な支出へと水路づける社会の構図
6 「依存」された結果としての親との同居
第II部 社会とのつながりのなかで考える
第4章 若者の描く将来像─キャリアデザインの変容[元治恵子]
1 若者を取り巻く状況
2 若者の描く将来
3 データと変数
4 自立へのプロセス
5 30歳時のキャリアデザイン
6 女性のライフコース希望と30歳時のキャリアデザイン
7 まとめ
第5章 分化するフリーター像─共感されない非正規雇用の若者たち[山口泰史・伊藤秀樹]
1 若年非正規雇用問題の解決に向けて
2 データと変数
3 誰が非正規雇用を経験しているのか
4 非正規雇用経験者は「自己肯定」をしているのか
5 フリーター観は若者の間で分化しているのか
6 閉じ込められる非正規雇用の若者たち
第6章 投票に行く若者は誰か─雇用形態・不公平感と投票行動[長尾由希子]
1 雇用形態の違いと社会参加のひとつとしての投票行動
2 調査協力者の状況
3 雇用形態別不公平に対する感度の違い
4 誰が投票に行くのか
5 おわりに
第7章 希望は失われているのか?─格差と希望喪失の共犯関係[田辺俊介]
1 「希望喪失」として語られる現代日本社会
2 「希望」は失われつつあるのか?
3 希望に格差があるのか?──希望と社会階層
4 希望の効果についての分析
5 希望喪失論と階層格差
終章 就労支援から自立支援へ[佐藤香]
1 若者たちがおかれている現状
2 自立していないのは若者だけなのか
3 結びにかえて
付録 分析に使用した調査票の設問一覧
索引
上記内容は本書刊行時のものです。