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出版者情報
人生の歩みを追跡する
東大社研パネル調査でみる現代日本社会
- 書店発売日
- 2020年1月30日
- 登録日
- 2019年12月28日
- 最終更新日
- 2024年2月1日
紹介
若年者・壮年者を10年以上追跡した「働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査」から格差・不平等の問題を明らかにする。
ひとびとはこの10年の間にどのような経験を積み、その経験にはひとびとの間にどのような違いがあるのか。さらに、このような経験の違いは、どのような要因によって生じ、またどのような帰結を生み出すのか。これらの問題を「就業・キャリア・貧困」「生活」「家族」「社会・政治に対する意識・態度」の4つのトピックから総合的に検討する。
目次
序章 パネル調査によるひとびとの「人生の歩み」の追跡[藤原翔・石田浩・有田伸]
1.ひとびとの人生の歩みを追跡する意義と方法
2.「働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査」(JLPS)
3.パネルデータを用いた社会学的研究
4.本書の構成
参考文献
第1部 就業・キャリア・貧困
第1章 誰が所得上昇を果たしているのか?─21世紀日本社会の「右肩上がりの人生」─[有田伸]
1.年齢と所得の関係
2.個人所得の変化傾向
3.大きな所得上昇を果たしているのは誰か?
4.対象期間中のイベントが所得上昇にもたらす影響
5.「右肩上がりの人生」とその格差のゆくえ
参考文献
第2章 若年・壮年期の貧困─世帯形成と世帯の収入源からみた動態分析─[林雄亮]
1.日本社会の貧困問題と本章の目的
2.貧困の定義と基礎分析
3.貧困の動態分析
4.ライフコースのなかに潜む貧困とその課題
参考文献
第3章 ライフコースにおける男女間収入格差の生成─不平等と階層に着目して─[大久保将貴]
1.日本における男女間収入格差
2.格差指標としての不平等と階層
3.方法とデータ
4.男女間収入格差の分析結果
5.男女間収入格差の「見える化」に向けて
補遺
参考文献
第2部 生活・健康
第4章 健康格差はいかに生成されるのか?─ライフコースの流れに着目して─[石田浩]
1.健康の格差を考える
2.健康の格差に関する研究
3.健康格差をパネル調査から考える
4.主観的健康感の推移
5.健康格差が生じる要因
6.健康格差のゆくえ
参考文献
第5章 誰が持家に移行するのか─階層と家族に注目して─[村上あかね]
1.「持家社会」日本の成立と変容
2.日本型住宅システムの特徴と歴史
3.住宅所有の実態
4.ライフコースと住宅所有
5.ポスト「住宅すごろく」時代のライフスタイルと住宅
参考文献
第6章 社会的孤立を生み出す2段階の格差─友人関係の獲得と喪失の過程に着目して─[石田賢示]
1.社会的孤立と友人関係
2.社会的孤立状態の格差の背景と孤立リスクの動態への着目
3.分析に用いるデータ・変数
4.友人不在の状態と動態
5.社会的孤立を生み出す2段階の格差
参考文献
第3部 家族
第7章 どのような「婚活」が結婚へと導くのか[三輪哲・田中茜]
1.「婚活」の時代
2.「婚活」への計量的アプローチ
3.「婚活」の実相
4.「婚活」により生まれたカップルのその後
5.「婚活」の現在とその後
参考文献
第8章 職場のワーク・ライフ・バランス環境とパートナー関係[不破麻紀子]
1.職場のワーク・ライフ・バランス環境とパートナー関係
2.WLB環境の変動
3.配偶者間のコミュニケーション
4.パートナー関係の概念
5.データと分析方法
6.WLB環境の効果の分析
7.WLB環境の効果は限定的?
参考文献
第9章 高学歴志向の差異と変化─ライフイベントに注目して─[藤原翔]
1.教育意識から社会を読み解く
2.高学歴志向の差異
3.結婚による高学歴志向の変化
4.子どもによる高学歴志向の変化
5.高学歴志向のゆくえ
参考文献
第4部 社会・政治に対する意識・態度
第10章 希望と満足は政治を動かしたか?─社会・政治意識と政治状況の相互作用の解明─[田辺俊介]
1.日本社会における希望と満足
2.希望と満足の語られ方
3.2000年代日本における希望と満足の実態:社会・政治意識との関連
4.社会・政治的環境とひとびとの意識の相互作用
参考文献
第11章 福祉国家に対する支持の変容─雇用・家族リスクの拡大は何をもたらすか─[永吉希久子]
1.新たなリスクと福祉国家
2.日本型福祉国家への支持はどのように変化したか
3.福祉国家支持を変えるもの
4.福祉国家のゆくえ
参考文献
終章 人生の歩みの追跡からみる現代日本社会[有田伸・藤原翔・石田浩]
人は変わっていく
パネル調査データが明らかにしてくれるもの
リスクの経験比率は案外高い
格差の生成メカニズムを特定する
根本のフレームは変わりづらい
現代日本社会へのインプリケーション
参考文献
あとがき
索引
上記内容は本書刊行時のものです。