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出版者情報
アゲインスト・デモクラシー 上巻
- 書店発売日
- 2022年8月31日
- 登録日
- 2022年7月14日
- 最終更新日
- 2023年12月8日
書評掲載情報
2022-10-22 |
朝日新聞
朝刊 評者: 犬塚元(法政大学教授・政治思想史) |
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紹介
政治科学と政治哲学に蓄積されてきた広範な知見に基づいて、デモクラシーに挑戦する。2010年代政治思想の重要書、待望の邦訳。
「デモクラシーこそがあるべき政治体制だ」「政治体制、政治的意思決定手続きは民主的でなければならない」。こうした言説に確たる根拠があるのか。本当に他の選択肢をとることはありえないのか。デモクラシーはツールに過ぎないのではないか。哲学的・経験的な研究を数多く参照しながら、より良い制度評価及び制度選択を構想する。【原著】Jason Brennan, Against Democracy (Princeton University Press, 2016)
目次
二〇一七年のペーパーバック版への序文
序文と謝辞
第一章 ホビットとフーリガン
政治参加で人々は高潔になるか、堕落するか?:ミルVSシュンペーター
デモクラシーの衰退の利点
デモクラシーにおける市民の三つの種族
デモクラシー至上主義に抗して
政治的諸自由は他の諸自由と同じようなものではない
デモクラシーをいかに価値づけるか:道具主義VS手続き主義
デモクラシーとエピストクラシー、どちらがより良いハンマーか?
政治的不平等の恣意的な根拠VS非恣意的な根拠
「アゲインスト・ポリティクス」は必ずしもより小さい政府を意味しない
本書の概要
第二章 無知で、非合理で、誤った知識を有するナショナリスト
市民が知らないこと
大半の投票者は愚かなのではなくて、無関心なだけである
一部の市民は他の市民よりもはるかに多くのことを知っている
知識が政策選好を変える
なぜみんなが無知ではないのか?
政治的非合理性
政治的部族主義
政治における認知バイアスの他の事例
なぜ政治的非合理性は合理的なのか
少なくとも、投票者は(ある意味)善意で動いている
ホビットとフーリガン
結 論
第三章 政治参加は堕落をもたらす
教育説は事実に依存する
単なる参加は知識を向上させない
熟議デモクラシー
熟議の影響は私たちの心理に依存する
熟議デモクラシーについての経験的研究
なぜニュートラルな結果はネガティブな結果であるのか
「単に人々が正しく熟議していないから」
結論:アゲインスト・ポリティクス
第四章 政治はあなたにも私にも力を与えない
リベラリズムと政治的諸権利
同意説
同意VS情報に基づいた同意
自らの利害関心を促進する力
参加と自律
世界の中に居場所を持つこと
支配を阻止する
二つの道徳的能力の涵養?
要約:本質的な無力さ
第五章 政治はポエムではない
記号論的主張の背後にある真実
デモクラシーが表すもの
優位性の判断
平等な政治的権力と自尊の社会的基盤
不利な集団に対する侮辱
デモクラシーと自己表現
結 論
上記内容は本書刊行時のものです。