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アゲインスト・デモクラシー 上巻 ジェイソン・ブレナン(著/文) - 勁草書房
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アゲインスト・デモクラシー 上巻 (アゲインストデモクラシージョウカン)

社会科学
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発行:勁草書房
四六判
272ページ
定価 3,200円+税
ISBN
978-4-326-35186-2   COPY
ISBN 13
9784326351862   COPY
ISBN 10h
4-326-35186-1   COPY
ISBN 10
4326351861   COPY
出版者記号
326   COPY
Cコード
C3031  
3:専門 0:単行本 31:政治-含む国防軍事
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2022年7月14日
最終更新日
2023年12月8日
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書評掲載情報

2022-10-22 朝日新聞  朝刊
評者: 犬塚元(法政大学教授・政治思想史)
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紹介

政治科学と政治哲学に蓄積されてきた広範な知見に基づいて、デモクラシーに挑戦する。2010年代政治思想の重要書、待望の邦訳。

「デモクラシーこそがあるべき政治体制だ」「政治体制、政治的意思決定手続きは民主的でなければならない」。こうした言説に確たる根拠があるのか。本当に他の選択肢をとることはありえないのか。デモクラシーはツールに過ぎないのではないか。哲学的・経験的な研究を数多く参照しながら、より良い制度評価及び制度選択を構想する。【原著】Jason Brennan, Against Democracy (Princeton University Press, 2016)

目次

二〇一七年のペーパーバック版への序文

序文と謝辞

第一章 ホビットとフーリガン
 政治参加で人々は高潔になるか、堕落するか?:ミルVSシュンペーター
 デモクラシーの衰退の利点
 デモクラシーにおける市民の三つの種族
 デモクラシー至上主義に抗して
 政治的諸自由は他の諸自由と同じようなものではない
 デモクラシーをいかに価値づけるか:道具主義VS手続き主義
 デモクラシーとエピストクラシー、どちらがより良いハンマーか?
 政治的不平等の恣意的な根拠VS非恣意的な根拠
 「アゲインスト・ポリティクス」は必ずしもより小さい政府を意味しない
 本書の概要

第二章 無知で、非合理で、誤った知識を有するナショナリスト
 市民が知らないこと
 大半の投票者は愚かなのではなくて、無関心なだけである
 一部の市民は他の市民よりもはるかに多くのことを知っている
 知識が政策選好を変える
 なぜみんなが無知ではないのか?
 政治的非合理性
 政治的部族主義
 政治における認知バイアスの他の事例
 なぜ政治的非合理性は合理的なのか
 少なくとも、投票者は(ある意味)善意で動いている
 ホビットとフーリガン
 結 論

第三章 政治参加は堕落をもたらす
 教育説は事実に依存する
 単なる参加は知識を向上させない
 熟議デモクラシー
 熟議の影響は私たちの心理に依存する
 熟議デモクラシーについての経験的研究
 なぜニュートラルな結果はネガティブな結果であるのか
 「単に人々が正しく熟議していないから」
 結論:アゲインスト・ポリティクス

第四章 政治はあなたにも私にも力を与えない
 リベラリズムと政治的諸権利
 同意説
 同意VS情報に基づいた同意
 自らの利害関心を促進する力
 参加と自律
 世界の中に居場所を持つこと
 支配を阻止する
 二つの道徳的能力の涵養?
 要約:本質的な無力さ

第五章 政治はポエムではない
 記号論的主張の背後にある真実
 デモクラシーが表すもの
 優位性の判断
 平等な政治的権力と自尊の社会的基盤
 不利な集団に対する侮辱
 デモクラシーと自己表現
 結 論

著者プロフィール

ジェイソン・ブレナン  (ジェイソン ブレナン)  (著/文

ジェイソン・ブレナン(Jason Brennan)
2007年にアリゾナ大学でPh. D. 取得後、現在はジョージタウン大学マクドノー・ビジネス・スクール教授を務める。専門は政治哲学、応用倫理、公共政策など多岐に及び、リバタリアニズムの有力な論客である。主な著作に、The Ethics of Voting, Princeton University Press, 2011、Libertarianism: What Everyone Needs to Know, Oxford University Press, 2012、Why Not Capitalism?, Routledge Press, 2014、Debating Democracy, Oxford University Press, 2021 (Helene Landemore との共著)などがある。また、Routledge Handbook of Libertarianism, Routledge,2017 の編者でもある (David Schmidtz、Bas van der Vossen との共編)。

井上 彰  (イノウエ アキラ)  (翻訳

井上 彰(いのうえ あきら)
東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻教授。専門:政治哲学・応用倫理学。業績:『正義論』法律文化社、2019年(共著)。『人口問題の正義論』世界思想社、2019年(共編著)。『ロールズを読む』ナカニシヤ出版、2018年(編著)。『正義・平等・責任』岩波書店、2017年など。

小林 卓人  (コバヤシ タクト)  (翻訳

小林 卓人(こばやし たくと)
早稲田大学政治経済学術院助手。専門:政治哲学。業績:「政治的決定手続きの価値──非道具主義・道具主義・両立主義の再構成と吟味」『政治思想研究』第19号、2019年など。

辻 悠佑  (ツジ ユウスケ)  (翻訳

辻 悠佑(つじ ゆうすけ)
早稲田大学大学院政治学研究科研究生。専門:政治哲学。業績:「植民地支配と政治的集合体の自己決定」『思想』第1155号、2020年。

福島 弦  (フクシマ ゲン)  (翻訳

福島 弦(ふくしま げん)
早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程。専門:政治哲学。業績:「コンバージェンス公共的理性リベラリズムに対する自己論駁批判の検討」『早稻田政治經濟學雜誌』第396号、2020年。「これからの「正統性」の話をしよう──国家の規範的正統性の概念分析」『政治思想研究』第22号、2022年など。

福原 正人  (フクハラ マサト)  (翻訳

福原 正人(ふくはら まさと)
高崎経済大学・フェリス女学院大学非常勤講師。専門:政治哲学・応用倫理学。業績:「民主主義の境界画定──正当性と正統性」『年報政治学』2018年度第II号、2018年。「戦争での殺害と集団責任──兵士はなぜ国家のために死ぬのか」『思想』1155号、2020年など。

福家 佑亮  (フクヤ ユウスケ)  (翻訳

福家 佑亮(ふくや ゆうすけ)
京都大学非常勤講師。専門:政治哲学・倫理学。業績:「共和主義的自由の消極的自由への還元可能性について」『法と哲学』第8号、2022年。「デモクラシーを支えるもの」『実践哲学研究』42 号、2019年など。

上記内容は本書刊行時のものです。