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統治の抗争史 重田 園江(著/文) - 勁草書房
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統治の抗争史 (トウチノコウソウシ) フーコー講義1978-79 (フーコーコウギ)

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発行:勁草書房
A5判
576ページ
定価 6,400円+税
ISBN
978-4-326-30271-0   COPY
ISBN 13
9784326302710   COPY
ISBN 10h
4-326-30271-2   COPY
ISBN 10
4326302712   COPY
出版者記号
326   COPY
Cコード
C3031  
3:専門 0:単行本 31:政治-含む国防軍事
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2018年10月6日
最終更新日
2018年11月13日
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書評掲載情報

2019-01-27 産經新聞  朝刊
評者: 石原千秋(早稲田大学教授)
2019-01-26 朝日新聞  朝刊
評者: 齋藤純一(早稲田大学教授・政治学)
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紹介

国家理性、都市計画、病と衛生、人口、確率・統計、エコノミー…。キーワードと共に「統治」概念の抗争史を描き、講義の核心に迫る。

独特な用語や思考の跳躍にあふれたフーコーの講義を把握するには、読み手もある深さに達する必要がある。講義で言及される文献の読解、概念の研究史の確認を通し、核心的な発言の周囲にその思考が形をなすまでのプロセスを配置、大きな流れと主要概念を理解する。フーコーを「使う」のではなく、より深く「読む」ための必読書。

目次

はじめに─本書はどのような著作なのか

序 章 統治性研究を位置づける
 一 統治の出現経緯をたどる
 二 一九七八年、七九年講義
 三 統治性をめぐるこれまでの研究

第Ⅰ部 国家理性

第一章 統治、統治術、君主鑑
 一 統治=人の導き
 二 司牧と近代の統治との異同
 三 君主鑑におけるエコノミー
 四 法と統治の対比
 五 統治の対象としての「物事」

第二章 国家理性(一)─国家理性とマキャヴェリ
 一 国家理性という発明品
 二 国家理性研究の現状
 三 フーコーの議論の特徴
 四 国家理性とマキャヴェリ
 五 国家理性論における国家の保守

第三章 国家理性(二)─クーデタと反乱
 一 ノーデのクーデタ
 二 ベイコンの反乱
 三 ベイコンとマキャヴェリの相違
 四 ホッブズの自然状態と内戦について
 五 フーコーの国家理性論の特徴

第四章 「ウェストファリア的秩序」
 一 諸国家の競合
 二 「ウェストファリア神話」
 三 フーコーにおける「ヨーロッパの均衡」
 四 フーコーとタック
 五 力から成る世界

第五章 ポリス論
 一 ポリス論とポリス研究の国際比較
 二 仏独ポリス/ポリツァイ研究
 三 フーコーの視点の特徴
 四 フーコーのポリス論─ポリスとはなにか
 五 ポリスが生み出す対象

第Ⅱ部 人口

第六章 ポリス、都市、都市計画
 一 ポリスの特権的な場としての都市
 二 都市像の変遷と都市計画urbanisme
 三 ル・メートル『首都論』
 四 人工都市リシュリュー
 五 ナントの改革プラン

第七章 病と衛生
 一 都市の不衛生
 二 癩とペスト(一)─癩
 三 癩とペスト(二)─ペスト
 四 天然痘と接種

第八章 人口の誕生をめぐって(一)
 一 人口をめぐる議論へのアプローチ
 二 接種は正当化されるか
 三 なぜ死亡表が重要か
 四 『死亡表』をめぐる論争
 五 人口学のはじまり

第九章 人口の誕生をめぐって(二)
 一 古代近代論争
 二 人口という語
 三 人口と社会
 四 『人口論』の知
 五 人口学の誕生
 六 人口の衝撃
 七 ヒトという種

第一〇章 確率・統計と人口
 一 統計学とは
 二 確率のはじまり
 三 パスカルの賭け
 四 終身年金、生命保険、死亡表
 五 社会の統計学的概念化

補 章 ベルヌイ─ダランベール問題の迷宮
 一 問題の所在
 二 惑星軌道は神の摂理か
 三 聖ペテルブルクのパラドクス
 四 接種の判断基準
 五 ダランベールの数学観と確率

第Ⅲ部 エコノミー

第一一章 食糧難と穀物ポリス
 一 環境と人口
 二 食糧難
 三 穀物という主題
 四 穀物ポリス

第一二章 穀物自由化論
 一 自由化をめぐる攻防
 二 アベイユの自由化論
 三 フランス初期経済学と商業の自由
 四 グルネーサークル
 五 チュルゴー対ネッケル

第一三章 フーコーによる自由主義の解釈
 一 人民対人口
 二 人口の自然性(一)─重商主義
 三 人口の自然性(二)─フィジオクラット
 四 人口の自然性(三)─欲望の組み込み
 五 真理の場としての市場

第一四章 ホモ・エコノミクス
 一 ホモ・エコノミクスの思想史
 二 情念の政治経済学
 三 究極の根拠としての利益
 四 見えざる手と統治の限界
 五 コンディヤックとエルヴェシウス
 六 ベンサム

第一五章 統治とエコノミー
 一 公的なものと私的なもの
 二 統治の語義の変遷
 三 エコノミーの語義の変遷(一)─全き家
 四 エコノミーの語義の変遷(二)─『ヌーヴェルエロイーズ』
 五 エコノミー概念の錯綜
 六 ルソーのエコノミーポリティーク

第一六章 市民社会
 一 統治性と市民社会
 二 古代から近世へ─政治社会としての市民社会
 三 ヒュームとルソーにおける市民社会と文明
 四 ファーガスン『市民社会史』
 五 フーコーにおける市民社会と統治

おわりに─哲学と歴史について
あとがき
図版出典一覧
参考文献
索引

著者プロフィール

重田 園江  (オモダ ソノエ)  (著/文

重田 園江(おもだ そのえ)
1968年兵庫県西宮市生まれ. 早稲田大学政治経済学部卒業, 日本開発銀行を経て, 東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得. 現在は明治大学政治経済学部教授. 専門分野は政治思想史, 現代思想. 著作に『フーコーの穴――統計学と統治の現代』(木鐸社, 2003年), 『連帯の哲学Ⅰ――フランス社会連帯主義』(勁草書房, 2010年), 『ミシェル・フーコー――近代を裏から読む』(ちくま新書, 2011年), 『社会契約論――ホッブズ, ヒューム, ルソー, ロールズ』(ちくま新書, 2013年), 訳書にイアン・ハッキング『偶然を飼いならす――統計学と第二次科学革命』(共訳, 木鐸社, 1999年)ほか.

上記内容は本書刊行時のものです。