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学力格差への処方箋 耳塚 寛明(編集) - 勁草書房
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学力格差への処方箋 (ガクリョクカクサヘノショホウセン) [分析]全国学力・学習状況調査 (ブンセキゼンコクガクリョクガクシュウジョウキョウチョウサ)

教育
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発行:勁草書房
A5判
296ページ
定価 2,900円+税
ISBN
978-4-326-25151-3   COPY
ISBN 13
9784326251513   COPY
ISBN 10h
4-326-25151-4   COPY
ISBN 10
4326251514   COPY
出版者記号
326   COPY
Cコード
C3037  
3:専門 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2021年4月27日
最終更新日
2021年5月29日
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紹介

子どもの学力格差の状況とその規定要因とは。全国保護者調査の結果を分析し、格差克服の学校事例も示しつつ今後の改善策を提言する。

全国学力・学習状況調査の一環として実施された、保護者を対象とする質問紙調査を基に、家庭の社会経済的背景や文化的環境、保護者の学歴期待等と子どもたちの学力調査の結果を照合し、日本における現在の学力格差の姿を析出する。また、学力格差を克服している学校の取組の検討も行い、これからの教育施策への処方箋を示す。

目次

はじめに[耳塚寛明]

序 章 「学力格差への処方箋」に向けて[浜野 隆]
 1.本書の目的
 2.保護者調査の概要
 3.学力格差の実態
 4.本書の課題と各章の概要

第Ⅰ部 家庭環境と学力格差

第1章 家庭の社会経済的背景と学力[山田哲也]
 1.保護者の社会経済的背景がテストの結果に与える影響
 2.問題形式の違いは何をもたらすのか
 3.SESの違いが子どもとの接し方に与える影響

第2章 大都市において「経済的不利」を克服している家庭の特徴[浜野 隆]
 1.大都市におけるSESと学力の関係
 2.SESと「学力のばらつき」
 3.大都市で経済的不利を克服している家庭の特徴
 4.知見の要約

第3章 ひとり親世帯と二人親世帯で育つ子どもの学力格差─ジェンダーと地域規模に着目して[垂見裕子]
 1.ひとり親世帯で育つ子どもの状況
 2.ひとり親世帯で育つ子どもの学力
 3.ひとり親世帯の家庭の社会経済的背景
 4.ひとり親世帯の関係的資源
 5.家族構成による学力格差を説明する要因─経済的資源と関係的資源
 6.ひとり親世帯で育つ子どもの学力保障に向けて

第4章 社会経済的背景別に見た学力に対する学習の効果[耳塚寛明・中西啓喜]
 1.はじめに
 2.本章で用いる変数
 3.分析1:社会経済的背景と学力(各正答率)の関連
 4.分析2:学習時間と学力(各正答率)の関連
 5.分析3:社会経済的背景別に見た学習時間と学力(各正答率)の関連
 6.分析4:学習方法が学力に与える効果
 7.まとめ

第5章 社会関係資本と学力格差─社会関係資本の関係性(つながり)と規範に着目して[垂見裕子]
 1.教育における社会関係資本とは何か
 2.利用するデータと変数
 3.社会関係資本と学力の関連
 4.SESと社会関係資本の関連
 5.SESと社会関係資本と学力の関連
 6.学力格差の中で考える社会関係資本

第6章 不利な環境を克服している児童生徒の特徴[山田哲也]
 1.はじめに
 2.分析に用いる変数
 3.保護者質問紙調査データにみられた違い
 4.児童生徒質問紙調査データにみられる差異─「非認知スキル」に着目した分析

第Ⅱ部 学力格差克服に向けた学校の取り組み─統計分析

第7章 「落ち着いた学習環境」という学校風土は学力を向上させるのか?[中西啓喜]
 1.はじめに:学校風土への注目
 2.公立小中学校を対象とした教育効果検証の困難さ
 3.データと分析戦略
 4.分析
 5.知見の要約

第8章 教師からの承認・分かるまで教える指導が学力に与える影響[岡部悟志]
 1.教師の働きかけに着目した背景と本章の目的
 2.教師からの承認・指導の実態と他の変数との関係
 3.教師からの承認・指導が学力に与える効果の推定
 4.推定結果から読みとれる教師からの承認・指導の影響
 5.教育実践上の示唆─教師ができること,学校ができること

第9章 地域の社会経済的背景別に見た学校の取り組みと高い学力との関連[中島ゆり]
 1.地域の教育環境と学校の取り組み
 2.学校区の社会経済的背景尺度の説明とその特徴
 3.学校区SESによって学校の取り組みはどう違うか
 4.どのような学校の取り組みが高い学力と関連するか
 5.学校はどのように取り組みを進めていけばよいか

第10章 統計分析から見る「格差を克服している学校」の特徴[浜野 隆]
 1.はじめに
 2.成果が上がっている学校
 3.校内の学力格差を克服している学校
 4.学力格差を克服している学校の取り組み
 5.おわりに

第Ⅲ部 学力格差克服に向けた学校の取り組み─事例分析

第11章 「高い成果を上げている学校」の特定と調査方法[浜野 隆・冨士原紀絵・中西啓喜]
 1.「高い成果を上げている学校」の抽出
 2.各調査年次の特色
 3.訪問調査の概要

第12章 高い成果を上げている小学校の取り組み─訪問調査からわかること・1[石井恭子・田村恵美]
 1.はじめに
 2.高い成果を上げている小学校に共通する特徴
 3.学校の事例

第13章 高い成果を上げている中学校の取り組み─訪問調査からわかること・2[冨士原紀絵]
 1.はじめに
 2.高い成果を上げている中学校に共通する特徴
 3.学校の事例

第14章 高い成果をもたらす要因は何か─J. ハッティの学習への効果研究との照合[原田信之]
 1.「学習への効果研究」の分析枠
 2.学習への効果研究における社会経済的背景
 3.「学習への効果研究」が示す効果的な要因との照合
 4.「学習への効果研究」から外れている要因をどのように捉えるか

第15章 成果が上がりつつある学校[耳塚寛明]
 1.問題の設定
 2.低迷期から改善期へ
 3.改善期における主な改革
 4.まとめ

終 章 学力格差の克服に向けた10の提言[浜野 隆]

おわりに[冨士原紀絵]
索引

著者プロフィール

耳塚 寛明  (ミミヅカ ヒロアキ)  (編集

耳塚 寛明(みみづか ひろあき) 現在:青山学院大学コミュニティ人間科学部学部特任教授,お茶の水女子大学名誉教授。最終学歴:東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。主著:『平等の教育社会学─現代教育の診断と処方箋』(共編著,勁草書房,2019)『教育格差の社会学』(編,有斐閣,2014)『学力格差に挑む』(編,金子書房,2013)

浜野 隆  (ハマノ タカシ)  (編集

浜野 隆(はまの たかし) 現在:お茶の水女子大学基幹研究院人間科学系教授。最終学歴:名古屋大学大学院博士課程単位取得満期退学。主著:『途上国世界の教育と開発』(共著、上智大学出版、2016)『世界の子育て格差─子どもの貧困は超えられるか』(共編、金子書房、2012)『発展途上国の保育と国際協力』(共著、東信堂、2012)

冨士原 紀絵  (フジワラ キエ)  (編集

冨士原 紀絵(ふじわら きえ) 現在:お茶の水女子大学基幹研究院人間科学系教授。最終学歴:お茶の水女子大学大学院博士課程人間文化研究科単位取得満期退学。主著:『大正新教育の実践─交響する自由へ』(共著、東信堂、2021)『教育効果を可視化する学習科学』(共訳、北大路書房、2020)『コミュニケーション・デザインの学びをひらく─教科横断で育てる協働的課題解決の力』(共著、明石書店、2020)

上記内容は本書刊行時のものです。