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出版者情報
災害の倫理
災害時の自助・共助・公助を考える
- 書店発売日
- 2020年5月1日
- 登録日
- 2020年3月31日
- 最終更新日
- 2020年4月29日
書評掲載情報
2020-11-07 |
朝日新聞
朝刊 評者: 犬塚元(法政大学教授) |
2020-07-11 | 日本経済新聞 朝刊 |
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紹介
災害時の行動はいかにあるべきか。ハリケーン、テロなどの災害事例を基に、功利主義、義務論、徳倫理など倫理学の観点から検討する。
命にかかわる脅威に直面した状況では、誰がどのような行動をとるべきなのか。地震、竜巻、鳥インフルエンザなどの様々な災害の事例を挙げ、災害時の行動のあり方について、倫理学の観点から論じる。また、政治学の視点から、災害に関する道徳についても検討する。政策決定と倫理学をつなぐ一冊として、防災行政関係者にも参考となる。
目次
ペーパーバック版序論
災害倫理の概要
近年の災害
将来に向けた研究と展開
序論
本書の背景
謝辞
序章と各章の概要
災害とは何か?
「災害」の定義
第Ⅰ部および第Ⅱ部と各章の概要
第Ⅰ部 倫理
一章 防災計画──最大数を救うことが最善なのか?
戦争における医療トリアージ
日常のなかで計画を立てることの倫理
災害計画の倫理
最近の鳥インフルエンザ流行に対する計画とその広範な倫理的意味
準備計画と対応計画
最大数を救う
二章 救命ボートの倫理と災害──太った男を吹き飛ばすべきなのか?
救命ボートの倫理、道徳システム、そして災害
洞窟の中の太った男
評価と苦悩
洞窟探検隊
ウィリアム・ブラウン号の大型ボート
評価とさらなる問い
旅行者ジム
ニューオーリンズにおける殺害?
ハックルベリー・フィンと義務論
三章 災害時の徳──ミッチ・ラップとアーネスト・シャクルトン
アリストテレスと徳
アキレス
ミッチ・ラップの復讐
認識論
『ザ・ロード』における家族の価値
アーネスト・シャクルトン
災害のための新たな道徳システム?
第Ⅱ部 政治
四章 社会契約──トマス・ホッブズ、ジョン・ロック、アート・スピーゲルマン
自由(FREEDOM)と自由(LIBERTY)、道徳と法
社会契約論
自然状態
災害時の第二の自然状態
被災後のホッブズとロック
理論上の第二の自然状態
五章 公共政策──スネーク・フライト、ペンタゴンの火災、そして災害の権利
スネーク・フライトとペンタゴンの火災
国土安全保障
DHS(国土安全保障省)とハリケーン・カトリーナ
安全
災害時の権利と航空旅客の権利
平常時の人権
災害時の権利
尊厳と災害の被害者
六章 不利な人々と災害──ハリケーン・カトリーナ
恥
社会的不平等と災害
ハリケーン・カトリーナ
陰謀論
災害時の積極的行動
資本主義と災害
カトリーナ後の不利な立場の人々に対するスパイク・リーの見方
より広い見方
結論──災害の倫理綱領、その意味するところと水危機
災害の倫理綱領
災害の倫理の意味するところ
世界的な水危機
追記──人の生命の道徳的価値と金銭的価値
『災害の倫理』解説
事項索引
人名索引
上記内容は本書刊行時のものです。