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出版者情報
系統体系学の世界
生物学の哲学とたどった道のり
- 書店発売日
- 2018年4月24日
- 登録日
- 2018年3月7日
- 最終更新日
- 2018年4月21日
書評掲載情報
2018-06-30 |
日本経済新聞
朝刊 評者: 野家啓一(東北大学総長特命教授) |
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紹介
生物多様性を研究対象とする生物体系学は、20世紀に入り根本理念や哲学的基礎をめぐる論争を関連分野各地で繰り広げてきた。「体系学曼荼羅」絵師の異名をもつ著者は、本書で生物学哲学との相互関係の歴史に焦点をあてる。その“風景”をたどりつつ、変貌していく科学と科学哲学の関係という一般論まで読者を誘う、満を持しての集大成。
目次
まえがき─では、トレッキングに出発しましょうか
プロローグ 科学という営みを生き続けること─自分史をふりかえりつつ
(1) 夜明け前のこと─一九八〇年まで
(2) 結界に踏み込む─一九八〇年から
(3) いま生きている科学とともに
第1章 第一幕:薄明の前史─一九三〇年代から一九六〇年代まで
(1) 活劇としての生物体系学がたどった現代史
(2) 体系学曼荼羅〔1〕を歩く
第2章 第二幕:論争の発端─一九五〇年代から一九七〇年代まで
(1) ザ・ロンゲスト・デイ─進化体系学と数量分類学と分岐学の闘争
(2) 体系学曼荼羅〔2〕を歩く
第3章 第三幕:戦線の拡大─一九七〇年代から現代まで
(1) 生きている科学の姿を捉えること
(2) 体系学曼荼羅〔3〕を歩く
第4章 生物学の哲学はどのように変容したか:科学と科学哲学の共進化の現場から
(1) 統一科学運動とグローバルな生物学哲学の伝統─ジョセフ・ウッジャーとジョン・グレッグの公理論的方法[一九五九年以前]
(2) ローカルな個別科学への生物学哲学の適応─モートン・ベックナーの系譜とカール・ポパーの登場[一九五九年~一九六八年]
(3) 現代的総合の残響のなかでの胎動─マイアー、ギゼリン、ハル[一九六九年]
(4) 生物学哲学のローカル化は体系学に何をもたらしたか─学派間論争の時代を経て[一九七〇年~現在]
第5章 科学と科学哲学の共進化と共系統
(1) 序奏:科学者と科学哲学者のある対話から
(2) 主題:多様な科学のスペクトラムは連続している
(3) 変奏:三つのケース・スタディー
(4) コーダ:科学は科学哲学を利用し、科学哲学も科学を利用した
エピローグ 科学の百態─生まれて育って変容し続ける宿命のもとに
(1) 科学の本質をめぐる論争─スティーヴン・ジェイ・グールドvsディヴィッド・ハル
(2) 科学の系譜が問われるとき─ある歴史の蹂躙から学ぶべきこと
(3) クオ・ヴァディス?─“May you live in interesting times”
あとがき─とある曼荼羅絵師ができあがるまで
謝辞/文献リスト/事項索引・人名索引
上記内容は本書刊行時のものです。