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構造と自然 檜垣 立哉(編集) - 勁草書房
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構造と自然 (コウゾウトシゼン) 哲学と人類学の交錯 (テツガクトジンルイガクノコウサク)

哲学・宗教
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発行:勁草書房
A5判
260ページ
定価 4,000円+税
ISBN
978-4-326-10314-0   COPY
ISBN 13
9784326103140   COPY
ISBN 10h
4-326-10314-0   COPY
ISBN 10
4326103140   COPY
出版者記号
326   COPY
Cコード
C3010  
3:専門 0:単行本 10:哲学
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2022年11月1日
最終更新日
2023年1月24日
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紹介

構造主義からアクターネットワークセオリーまで、哲学と人類学という二つの知的実践は交錯してきた。その現代的な意義を考える。

ドゥルーズ=ガタリ、メルロ=ポンティ、サルトル、モース、デュルケム、ヴィヴェイロス・デ・カストロ、デスコラ、ストラザーン――いずれも「自然」をめぐり、レヴィ=ストロースの神話論理の再解釈や「構造」の捉えなおしとして進行してきた哲学と人類学について、思考様式の違いや歴史的な影響関係、主題の反復を浮き彫りにする。

目次

はじめに

第1章 自分自身の哲学者になること――文化人類学と哲学が交錯する場所で[山崎吾郎]
 1 ともに生み出される人類学
 2 自然と文化のねじれた関係
 3 形の論理――神話、制度、技術
 4 形の変化、具体の科学
 5 自分自身の哲学者になること

第2章 他者の認識と理解――「ネイティヴ」・文化・自然をめぐって[磯直樹]
 1 はじめに
 2 ネイティヴの視点から
 3 ヴェーバーの理解社会学
 4 多文化・単一自然主義を超えて――デスコラの「自然の人類学」
 5 ブルデューとサヤドの反省性
 6 おわりに

第3章 メラネシアからの思考――ストラザーン『贈与のジェンダー』における「行為」と「産む身体」をめぐって[里見龍樹]
 1 メラネシアからの思考
 2 ストラザーンの「関係論的人格」論
 3 『贈与のジェンダー』における「人格」と「行為」
 4 メラネシア民族誌の系譜
 5 『間に立つ女性たち』の行為論
 6 フェミニスト人類学と「産む身体」
 7 「メラネシア的社会性」の理論
 8 パイエラの少年たち
 9 「美学的な罠」
 10 産む身体

第4章 神話の精神分析/呪術のスキゾ分析――『千のプラトー』における人類学と人類学もどきの活用について[山森裕毅]
 1 はじめに
 2 精神分析と人類学
 3 狼はただの一匹か、それとも数匹か
 4 精神分析の何が有害か――『千のプラトー』における精神分析の捉え方
 5 逃走のための概念群――群れ、多様体、生成変化、強度
 6 D-Gと人類学/人類学もどき
 7 呪術と呪術師
 8 動物になるとはどういうことか――同盟、伝染、群れ、変則者
 9 薬物と知覚――動物への生成変化のその先へ
 10 アルトーとペヨトル・ダンス
 11 結びに代えて

第5章 生成する構造主義――フィリップ・デスコラと野生の問題[小林徹]
 1 はじめに
 2 構造人類学の方法論
 3 野生の構造主義/野生の存在論
 4 構造存在論
 5 おわりに――構造主義の生成

第6章 構造とネットワーク――レヴィ=ストロース×ラトゥール[久保明教]
 1 歪な鏡像
 2 人間ならざるものはいかに人間になるのか
 3 人間ならざるものはいかに行為するか
 4 構造のネットワーク
 5 ネットワークの構造
 6 ノーマンズランド

第7章 レヴィ=ストロースにおける階層と不均衡[近藤宏]
 1 はじめに
 2 「絶えざる不均衡」をめぐって
 3  階層をめぐって
 4 おわりに

第8章 レヴィ=ストロースの哲学的文脈――構造と時間/自然と歴史[檜垣立哉]
 1 はじめに――レヴィ=ストロースは哲学者なのか
 2 レヴィ=ストロースの複合性
 3 レヴィ=ストロースにおける「出来事」と「構造」
 4 「再びみいだされた時」としてのチューリンガ
 5 サルトルの『弁証法的理性批判』との対比
 6 「マナ」をめぐって――ドゥルーズとデリダ
 7 デリダとレヴィ=ストロース
 8 ルソー主義者レヴィ=ストロースへの批判
 9 レヴィ=ストロースはどこへ開かれるのか

第9章 デュルケムはパンドラの箱を開けたか――思考の非個人主義と非人間主義[近藤和敬]
 1 哲学と人類学のすれ違い――哲学の近代性と思考の個人主義と人間主義の問題
 2 デュルケムへの遡行
 3 デュルケムと「集合的なもの」
 4 結論――デュルケムは、自ら開いた箱の奥から最後に現れた怪物をみて、そっとその箱を閉じた

あとがき

著者プロフィール

檜垣 立哉  (ヒガキ タツヤ)  (編集

檜垣 立哉(大阪大学教授)
1964年、埼玉県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。大阪大学にて博士号取得(文学)。現在、大阪大学大学院人間科学研究科教授。専門は哲学、現在思想。主な著書に『日本近代思想論――技術、自然、生命』(青土社、2022年)、『バロックの哲学――反―理性の星座たち』(岩波書店、2022年)、『ベルクソンの哲学――生成する実在の肯定』(勁草書房、2000年/講談社学芸文庫、2022年)、『ドゥルーズ――解けない問いを生きる』(日本放送出版協会、2002年/ちくま学芸文庫、2019年)、『西田幾多郎の生命哲学―ベルクソン、ドゥルーズと響き合う思考』(講談社現代新書2005年/講談社学術文庫、2011年)ほか。主な訳書にジル・ドゥルーズ『ベルクソニズム』(共訳、法政大学出版局、2017年)エドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロ『食人の形而上学――ポスト構造主義的人類学への道』(共訳、洛北出版、2015年)ほか。

山崎 吾郎  (ヤマザキ ゴロウ)  (編集

山崎 吾郎(やまざき ごろう) 1978年生。大阪大学教授。博士(人間科学)。専門は文化人類学。著書に『臓器移植の人類学――身体の贈与と情動の経済』(世界思想社、2015年)。編著に『やっかいな問題はみんなで解く』(堂目卓生との共編、世界思想社、2022年)。主な訳書にエドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロ『食人の形而上学――ポスト構造主義的人類学への道』(檜垣立哉との共訳、洛北出版、2015年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。