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バッド・ランゲージ ハーマン・カペレン(著/文) - 勁草書房
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バッド・ランゲージ (バッドランゲージ) 悪い言葉の哲学入門 (ワルイコトバノテツガクニュウモン)

哲学・宗教
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発行:勁草書房
A5判
376ページ
定価 4,500円+税
ISBN
978-4-326-10310-2   COPY
ISBN 13
9784326103102   COPY
ISBN 10h
4-326-10310-8   COPY
ISBN 10
4326103108   COPY
出版者記号
326   COPY
Cコード
C3010  
3:専門 0:単行本 10:哲学
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2022年9月16日
最終更新日
2023年12月8日
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紹介

言葉のダークサイドに立ち向かえ。社会に溢れる言葉の悪用に着目し実践的な言語の問題を考える言語哲学の新基軸への格好の入門書。

他者が用いる言葉のダークサイドの力に対抗するためにも、そして自分がダークサイドに陥らないためにも、「悪い言葉」をよく理解しておく必要がある。これまで主流の言語哲学が見過ごしてきた「実社会の言語」の問題に切り込む画期の書。言語哲学が、より開かれたものとなり、真に私たちの哲学になるための一つの大きな契機として。
【原著】Herman Cappelen and Josh Dever, Bad Language(Oxford University Press, 2019)

目次

謝辞


第一章 理想化されたコミュニケーション
 1─1 七つの典型的な理想化
 1─2 手持ちの道具を確認し、実社会に立ち戻る
 1─3 いくつかの但し書き
 1─4 本書の概要

第二章 言葉を非理想的に使う三つの方法
 2─1 逸脱した意図:会話的推意
 2─2 なぜ推意にかかずらうのか
 2─3 逸脱した意味─前提
 2─4 逸脱したスコアボード─文脈のコントロール
 2─5 逸脱的なものから悪いものへ

第三章 真理をぞんざいに扱う
 3─1 偽なことを述べる
 3─2 嘘とミスリード
 3─3 真理を尊重することはすべてのコミュニケーションにとって根本的なのか

第四章 でたらめと根深いでたらめ
 4─1 でたらめ
 4─2 嘘、ミスリード、でたらめからフェイクニュースへ
 4─3 根深いでたらめ(つまり、ナンセンスな、意味不明な言葉)

第五章 概念工学
 5─1 概念工学への導入:私たちは言葉が何を意味するかを気にかける
 5─2 概念工学の主論証(および小史)
 5─3 概念工学者にとってのいくつかの課題

第六章 蔑称
 6─1 導入
 6─2 記述内容説
 6─3 前提説
 6─4 表出説
 6─5 禁止説
 6─6 まとめ

第七章 語彙効果
 7─1 語彙効果を導入する:言葉の非認知的・連想的効果
 7─2 非認知的語彙効果:いくつかの実例
 7─3 公の場での議論や理論的研究における語彙効果の利用
 7─4 語彙効果の一般理論
 7─5 語彙効果はなぜ言語哲学でほとんど無視されてきたのか

第八章 総称文と欠陥のある推論
 8─1 導入:総称文とは何か
 8─2 総称文の振る舞いについてより詳しく
 8─3 いくつかの興味深い実験
 8─4 総称文:意味と認識の交わり
 8─5 要約

第九章 理想的でない言語行為
 9─1 導入
 9─2 分散した聞き手
 9─3 分散した話し手
 9─4 デジタル時代の言語行為

第一〇章 言葉による抑圧と言葉による声の封殺
 10─1 言語行為とは何か:手短な導入
 10─2 言語的抑圧
 10─3 ポルノグラフィーによる言語的抑圧
 10─4 声を封殺すること

第一一章 同意という言語行為
 11─1 同意の典型例:家の訪問、医療処置、同意書、セックス
 11─2 同意に関するいくつかの問い
 11─3 暗黙の同意の不精密さ/曖昧さ
 11─4 欺きは同意を無効にしうるか
 11─5 同意を動的に捉える
 11─6 理想化がどのようにして失敗するのかを示す例としての同意

第一二章 言語の理想理論と非理想理論について考える
 12─1 理想化された理論はばかげているのか
 12─2 予測とガリレイ的理想化
 12─3 理解とミニマリストの理想化
 12─4 理想化によって何を取り除くべきか
 12─5 社会科学における理想理論と非理想理論
 12─6 言語の理想理論と非理想理論

訳者解説
 1.イントロダクション
 2.理論的理想化からの逸脱としての悪い言葉
 3.応用言語哲学と言語哲学のこれから

訳者あとがき
参考文献
索引

著者プロフィール

ハーマン・カペレン  (ハーマン カペレン)  (著/文

ハーマン・カペレン(Herman Cappelen) 香港大学哲学科教授。PhD(カリフォルニア大学バークレー校)。専門は、言語哲学、メタ哲学、概念工学、形而上学、心の哲学。Fixing Language: An Essay on Conceptual Engineering (Oxford University Press, 2018)、Philosophy without Intuitions (Oxford University Press, 2012)、アーネスト・ルポアとの共著のInsensitive Semantics (Oxford University Press, 2004)、ジョシュ・ディーバーとの共著書など、多数の著作がある。

ジョシュ・ディーバー  (ジョシュ ディーバー)  (著/文

ジョシュ・ディーバー(Josh Dever) テキサス大学オースティン校哲学科教授。PhD(カリフォルニア大学バークレー校)。専門は、言語哲学、論理学の哲学。カペレンと共著で、言語哲学入門シリーズの三冊(Contemporary Introduction to Philosophy of Language。本書はその一冊である)、Making AI Intelligible (Oxford University Press, 2021)、The Inessential Indexical (Oxford University Press, 2014)を出版している。

葛谷 潤  (クズヤ ジュン)  (翻訳

葛谷 潤(くずや じゅん)  駒澤大学非常勤講師。博士(文学、東京大学)。専門はフッサール現象学。論文に「フッサールの知覚概念とダメット的検証主義」(『現象学年報』,34 号,101─109,2018)など。

杉本 英太  (スギモト エイタ)  (翻訳

杉本 英太(すぎもと えいた)  東京大学大学院人文社会系研究科博士課程。修士(文学、東京大学)。専門は古代ギリシャ哲学。論文に「相対主義者への説得と強制:アリストテレス『形而上学』Γ巻5─6 章の論証戦略」(『論集』,40 号,118─131,2022)など。

仲宗根 勝仁  (ナカソネ カツヒト)  (翻訳

仲宗根 勝仁(なかそね かつひと)  理化学研究所AIP 特別研究員。博士(文学、大阪大学)。専門は言語哲学。論文に「ヘイト・スピーチ─信頼の壊しかた」(第12 章担当(共著),勁草書房,2018)、「AI はレイシズムと戦えるのか」(『思想』,1169 号,88─105,2021.共著)など。

中根 杏樹  (ナカネ アンジュ)  (翻訳

中根 杏樹(なかね あんじゅ)  慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程。修士(文学、慶應義塾大学)。専門は倫理学。論文に「バーナード・ウィリアムズにおける行為の理由と厚い概念」(『哲學』,147 号,1─16,2021)、「実践的推論の合理性と論証の妥当性─アンスコムの「実践的推論」再考─」(『哲學』,149 号,1─27,2022)など。

藤川 直也  (フジカワ ナオヤ)  (翻訳

藤川 直也(ふじかわ なおや)  東京大学大学院総合文化研究科准教授。博士(文学、京都大学)。専門は言語哲学。著書に『名前に何の意味があるのか─固有名の哲学』(勁草書房,2014)、論文にNothingness, Meinongianism and inconsistent mereology (Synthese,196, 3739─3772,( 2019). Filippo Casatiとの共著)など。

上記内容は本書刊行時のものです。