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ベルクソン 反時代的哲学 藤田 尚志(著/文) - 勁草書房
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ベルクソン 反時代的哲学 (ベルクソンハンジダイテキテツガク)

哲学・宗教
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発行:勁草書房
A5判
624ページ
定価 6,000円+税
ISBN
978-4-326-10300-3   COPY
ISBN 13
9784326103003   COPY
ISBN 10h
4-326-10300-0   COPY
ISBN 10
4326103000   COPY
出版者記号
326   COPY
Cコード
C3010  
3:専門 0:単行本 10:哲学
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2022年4月27日
最終更新日
2022年5月24日
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紹介

立ち止まっている人にだけ見える景色がある。概念とイメージの緊張関係を精緻に読み解き、ベルクソンを反時代的哲学として読み返す。

概念の解像度を上げるだけが哲学の仕事ではない。ベルクソンは、イメージとの往還と緊張関係を強調してやまない。本書は、最新の研究成果を踏まえつつ、『時間と自由』や『創造的進化』など主要著作の鍵概念である「持続」や「エラン・ヴィタル」を深く理解するには、「リズム」や「方向」のイメージの精確な読解が欠かせないと説く。勁草書房編集部ウェブサイトでの連載時より大幅改稿。

目次

序 論 言葉の暴力
 §1 功利性と効力
 §2 生命(vie)・生き長らえ(survie)・超-生(sur-vie)
 §3 哲学と科学、良識(ボン・サンス)と常識(サンス・コモン)
 §4 メジャーな概念とマイナーな論理
 §5 言葉のふるう暴力
 §6 言語にふるわれる暴力
 §7 「見かけに騙されないようにしよう」──言語のアナモルフォーズ
 §8 言語の速度学──遅れとしての隠喩
 §9 否定的転義学
 §10 螺旋としてのベルクソン哲学
 §11 言語の手前、言語の彼方
 §12 transports amoureux、あるいはピルエットとしての直観
 §13 マイナーな論理は何をなしうるか(本書の構成)

第Ⅰ部 測りえぬものを測る──『意識に直接与えられたものについての試論』における持続のリズム計測(rythmesure)
 §14 計測から遠く離れて(第Ⅰ部の構成)

第1章 計測のリズムを刻む──『試論』第一章の読解
 §15 「心理的諸状態」の類型論(『試論』第一章の構造)
 §16 呼びかけⅠ──リズムと共感(美的感情の分析1)
 §17 催眠的リズム(美的感情の分析2)
 §18 強度と深度(美的感情の分析3)
 §19 ベルクソンの手Ⅰ──「例えば、拳を徐々に強く握りしめてみてほしい」
 §20 中間状態の分析における「注意attention」と「緊張tension」
 §21 自由の始まりとしての感覚
 §22 「音楽の表現力、というよりむしろその暗示力」
 §23 多様性と有機組織化のあいだにある強度

第2章 リズム数論(arythmologie)──『試論』第二章の読解
 §24 数の問い──カント、フッサール、ベルクソン
 §25 場所学Ⅰ──コンパス化された存在(拡がりと空間)
 §26 メロディーからリズムへ
 §27 数(arithmos)とリズム(rhuthmos)──アリストテレスとベルクソン
 §28 リズム計測Ⅰ──構造的リズム
 §29 内在的感性論のほうへ

第3章 自由の度合い──『試論』第三章の読解
 §30 決定論批判
 §31 自由はいかにそのリズムを刻むのか(ベルクソンとハイデガー)
 §32 催眠、自我の測深
 §33 記憶の問題系へ
 §34 数に関する思考の未来

第Ⅱ部 場所なきものに場所を与える──『物質と記憶』における記憶の場所学(khorologie)
 §35 存在論的、憑在論的(第Ⅱ部の構成)
 §36 ベルクソンとカント──超図式機能のほうへ
 §37 ベルクソンによるコペルニクス的転回──場所論としてのイマージュ論

第1章 『アリストテレスの場所論』に場所を与える
 §38 場所と空間──ライプニッツの位置
 §39 『アリストテレスの場所論』から『物質と記憶』へ

第2章 知覚の位置──『物質と記憶』第一章・第四章の読解
 §40 ファイネスタイの論理としての現象学
 §41 ベルクソンの手Ⅱ──『物質と記憶』第一章における幻影肢
 §42 二つの身体の理論──距離の現象学
 §43 実在的(リアル)なもののしるし(サイン)、あるいは『知覚の現象学』における幻影肢
 §44 situsの論理──記念碑的なもの(le monumental)から記憶を絶したもの(l'immémorial)へ(『物質と記憶』第四章)
 §45 リズム計測Ⅱ──差動的リズムとしての持続のリズム

第3章 唯心論(スピリチュアリスム)と心霊論(スピリティスム)──ベルクソン哲学における催眠・テレパシー・心霊研究
 §46 亡霊を尊重すること、あるいは経験の転回点
 §47 催眠とベルクソンの記憶理論
 §48 テレパシーと共感(シンパシー)──ベルクソンの知覚理論
 §49 収束する(converger)──「歴史家と予審判事の間」にある心霊研究の方法論
 §50 転換させる(convertir)──「おそらくは〈彼岸〉であるような〈外部〉」へ

第4章 記憶の場所──『物質と記憶』第二章・第三章の読解
 §51 Spacing Imagination
 §52 運動図式──ベルクソンとサルトル(『物質と記憶』第二章)
 §53 図式機能の問い──カント、ハイデガー、ドゥルーズ
 §54 崇高と走馬灯──構想-暴力と純粋記憶の無為の暴力
 §55 場所学Ⅱ──locusの論理(『物質と記憶』第三章)
 §56 呼びかけⅡ──無為・待機・憑在論的
 §57 もう一つの「生の注意」としての膨張
 §58 もう一つの「スペクトル分析」のほうへ

第Ⅲ部 方向づけえぬものを方向づける──『創造的進化』における生の弾み(エラン・ヴィタル)の諸方向=器官学(organologie)
 §59 目的論と生気論、危険な関係?(第Ⅲ部の構成)

第1章 ベルクソンと目的論の問題──『創造的進化』第一章の読解
 §60 目的論の亡霊
 §61 場所学Ⅲ──傾向としての存在、意味=方向としての実存
 §62 リズム計測Ⅲ──「持続のリズム」から「生命の衝迫」へ
 §63 ベルクソン的目的論の四つの根本特徴
 §64 急進的な目的論への「否」──創造的目的論
 §65 内的合目的性への「否」──ベルクソンとカントの目的論
 §66 伝統的な生気論への「否」──(非)有機的生気論へ
 §67 二つの生気論──超越論的生気論と内在的生気論(ベルナールとベルクソン)
 §68 来たるべき承認のための闘争──哲学と科学

第2章 「生物の丹精=産業(industrie)」について、あるいはベルクソン的器官学──『創造的進化』第二章の読解
 §69 『創造的進化』の撒種──受容の(複数の)歴史
 §70 ベルクソンの生気論は(非)有機的である
 §71 ベルクソンの生気論は非個体的である
 §72 ベルクソンの(非)有機的生気論は一つの器官学である
 §73 ミダス王の手──延長の法則
 §74 知性と産業
 §75 人間の努力、人間という努力──生命の道具主義(ベルクソンとスティグレール)
 §76 「可塑的な溝」──知性と物質性
 §77 来たるべき生気論

第3章 ベルクソンの手Ⅲ:(非)有機的生気論──『創造的進化』第三章の読解
 §78 いかなる生気論か? ベルクソンにおける手の範例性
 §79 人間の手──人間性と動物性、自然的なものと人工的なもの
 §80 哲学者の手① 鉄のやすり屑を貫く手
 §81 哲学者の手② 抹消線を引く手
 §82 呼びかけⅢ──神の手(無限に有限な努力)
 §83 (非)有機的生気論の歴史に向けて

第Ⅳ部 呼びかけえぬものに呼びかける──『道徳と宗教の二源泉』における響存(écho-sistence)
 §84 テクストの聴診(方法論的考察)──功利性と効力、生命の二つの運動
 §85 行動の論理の探究としての『二源泉』
 §86 『二源泉』に固有のアポリア
 §87 声・火・道・息のイメージ──動的行動の論理を露わにするもの

第1章 声の射程──呼びかけと人格性
 §88 呼びかけⅣ──動的行動における人格性の孕む逆説の諸相
 §89 静的行動における人格性
 §90 生命の移調

第2章 火の領分──情動と共同体
 §91 二つの根本気分──ベルクソンとハイデガー
 §92 人類の彼方へ向かう人類愛
 §93 人格性・表象・伝播との関係における情動
 §94 熱狂とは何か──ベルクソンとカント
 §95 場所学Ⅳ──灰の共同体

第3章 道の途中──二重狂乱と政治
 §96 『二源泉』における「道」のイメージ
 §97 情動の政治学
 §98 〈道〉の哲学小史──デカルト、スピノザ、ベルクソン
 §99 デカルトの道、ベルクソンの道
 §100 交会法と神秘家の旅
 §101 疎通の論理と拡張された道
 §102 リズム計測Ⅳ──計り知れなさには計り知れなさを
 §103 「二重狂乱」と前進
 §104 計算しえぬものを計算する

第4章 ベルクソンの身体概念──フランス唯心論のもう一つの歴史に向けて
 §105 「結びの考察」の意味=方向(sens)
 §106 「二つの身体」論・再論──固有身体(corps propre)の所有・固有性(propriété)の問題
 §107 視覚に対する触覚優位の顚倒──知覚と直観の問題
 §108 ベルクソンの手Ⅳ──身体という拡張、技術(テクネー)という補綴(プロテーズ)
 §109 もう一つのフランス・スピリチュアリスムのほうへ

結 論 明日の前に
 §110 辺獄(リンボ)のベルクソン
 §111 反時代的哲学とは何か
 §112 スピリチュアリスムは新たな生を開始する

あとがき
文献表
事項索引
人名索引

著者プロフィール

藤田 尚志  (フジタ ヒサシ)  (著/文

藤田 尚志(ふじた ひさし) 1973年生まれ。九州産業大学教授。Ph.D(哲学)。専門は哲学、フランス近現代思想。共編著に、『ベルクソン『物質と記憶』を解剖する』(2016年)、『ベルクソン『物質と記憶』を診断する』(2017年)、『ベルクソン『物質と記憶』を再起動する』(2018年)(いずれも書肆心水)、共著にMécanique et mystique(Olms, 2018)ほか。訳書にアンリ・ベルクソン『時間観念の歴史』(共訳、書肆心水、2019年)、マルセル・ゴーシェ『民主主義と宗教』(共訳、トランスビュー、2010年)、ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。