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ケアの倫理と共感 マイケル・スロート(著/文) - 勁草書房
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ケアの倫理と共感 (ケアノリンリトキョウカン)

哲学・宗教
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発行:勁草書房
A5判
280ページ
定価 3,200円+税
ISBN
978-4-326-10298-3   COPY
ISBN 13
9784326102983   COPY
ISBN 10h
4-326-10298-5   COPY
ISBN 10
4326102985   COPY
出版者記号
326   COPY
Cコード
C3012  
3:専門 0:単行本 12:倫理(学)
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2021年10月20日
最終更新日
2023年12月8日
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紹介

ギリガンやノディングズが立ち上げたケアの倫理を、道徳を包括的に説明しうる規範理論として提示。共感という概念を軸に据える。

感情主義的な徳倫理学の提唱によって現代倫理学に新たな道を拓いたスロートが、本書では「成熟した共感」という観点を掘り下げることでケアの倫理を義務論や功利主義と並び立つ規範倫理学として展開。発達心理学に依拠しつつ共感概念を洗練させ、人間の情緒や関係性に根ざした道徳理解から行為や制度の正/不正、自律と尊重を論じる。

目次

序 文
謝 辞

序 論

第一章 共感に根ざすケア
 1 ケアの倫理
 2 共感の本性
 3 共感と妊娠中絶をめぐる道徳

第二章 他者を援助する責務
 1 直近性と距離
 2 共感と責務の限界

第三章 義務論
 1 共感と加害
 2 所有・約束・真実性

第四章 自律と共感
 1 尊 重
 2 自 律

第五章 ケアの倫理と自由主義
 1 論争点を確定する
 2 自由主義への反論
 3 パターナリズム

第六章 社会的正義
 1 正義における共感
 2 分配的正義

第七章 ケアと合理性
 1 道徳的であることは必ず合理的なのか?
 2 実践的合理性についての諸見解
 3 合理的な自己配慮と道具的合理性
 4 ケアか、自己配慮か

結 論

原 注
訳 注
訳者解説――感情主義的徳倫理学から共感的なケアの倫理へ[早川正祐]
訳者あとがき
事項索引
人名索引

著者プロフィール

マイケル・スロート  (マイケル スロート)  (著/文

マイケル・スロート(Michael Slote) 1941年アメリカ生まれ。現在はマイアミ大学哲学部倫理学教授(ハーバード大学で博士号取得)。コロンビア大学、ダブリン大学トリニティ・カレッジ、メリーランド大学等で哲学を教え、メリーランド大学では長年にわたって哲学部長を務めた。倫理学、心の哲学、認識論、教育哲学、政治哲学の分野で数多くの著書や論文を出版している。特に徳倫理学とケアの倫理の分野において世界的に著名である。王立アイルランド・アカデミーのメンバーでもあり、人文学における最も栄誉のある記念講演の一つであるタナー・レクチャー(Tanner Lectures on Human Values)で講演した経験ももつ。最近は中国哲学の研究に熱心に取り組んでおり、自らの哲学体系に、陰陽の概念を積極的かつ批判的に取り入れることで、心の哲学・倫理学・認識論の充実化を試みている。

早川 正祐  (ハヤカワ セイスケ)  (翻訳

早川 正祐(はやかわ せいすけ) 1979年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科死生学・応用倫理センター上廣死生学・応用倫理講座特任准教授(文学博士)。専門は哲学・倫理学・臨床死生学。三重県立看護大学看護学部准教授を経て2017 年より現職。主論文に‘The Virtue of Receptivity and Practical Rationality’ (in Moral and Intellectual Virtues in Western and Chinese Philosophy : The Turn toward Virtue, eds. C. Mi, M. Slote, and E. Sosa, Routledge, 2016)がある。

松田 一郎  (マツダ イチロウ)  (翻訳

松田 一郎(まつだ いちろう) 1933年生まれ。熊本大学名誉教授(医学博士)、元北海道医療大学学長。専門は小児科学・人類遺伝学・医療倫理。1976 年より熊本大学医学部小児科教授(~1998 年)で、熊本大学医学部附属病院長も務めた。1998~1999 年までジョンズ・ホプキンス大学客員教授(遺伝と公共政策)。その他、日本マススクリーニング学会理事長、日本人類遺伝学会理事長。人類遺伝学および小児科学等の業績により、日本先天代謝異常学会賞、日本人類遺伝学会賞、日本医師会医学賞、日本小児科学会賞、紫綬褒章、熊本県近代文化功労者顕彰。人類遺伝学に関する国際論文多数、医療倫理学に関する著書としては『生命医学倫理ノート─和の思想との対話』(日本評論社)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。