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森林の変化と人類 中静 透(編集) - 共立出版
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森林の変化と人類 (シンリンノヘンカトジンルイ)

自然科学
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発行:共立出版
A5判
274ページ
定価 3,300円+税
ISBN
978-4-320-05817-0   COPY
ISBN 13
9784320058170   COPY
ISBN 10h
4-320-05817-8   COPY
ISBN 10
4320058178   COPY
出版者記号
320   COPY
Cコード
C3345  
3:専門 3:全集・双書 45:生物学
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2018年2月21日
最終更新日
2018年2月21日
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紹介

森林の変化は,森林のもつさまざまな構造や生物多様性の変化を引き起こした。特定の有用な資源の枯渇が進むと利用する樹木の種類が変化する一方,人工林の造林・経営技術が発達する。大量の人工林の出現により,そこに棲む生物は大きな影響を受ける。食物連鎖の頂点に位置するオオカミの絶滅は,里山の利用低下ともあいまって,シカ,イノシシなどの増加,農作物被害の増加などによるさらなる里山の利用低下を招いた。森林の組成や構造の変化は森林の機能や生態系サービスの変化となり,生物多様性とそれがもたらす生態系サービスの変化が,森林管理の大きな問題へつながる。このように,森林変化は人とのかかわりを抜きには語りえない。第1巻では森林の変化と人類の関わりの歴史を振り返り,本シリーズ続巻を読む上での基礎的な知識を修得する。

目次

序章 森林と人間の歴史(菊沢喜八郎・中静 透)
0.1 寝そべっていては競争に勝てない
  0.1.1 植物の上陸
  0.1.2 森林の成立
  0.1.3 広葉樹の森
0.2 いよいよ人類の登場だ
  0.2.1 初期人類の森林利用
  0.2.2 日本の森林
  0.2.3 育成林業のはじまり
  0.2.4 明治以降の森林
  0.2.5 戦後拡大造林

【第1部 森林の変貌】

第1章 世界の森林減少の歴史(辻野 亮)
はじめに
1.1 人類の発展と人口,森林面積の関わりの歴史
  1.1.1 狩猟採集民
  1.1.2 農業を始めた人類
  1.1.3 工業化以後の変化
1.2 各地域の森林減少史
  1.2.1 中東とアフリカ北部
  1.2.2 ヨーロッパと旧ソ連地域
  1.2.3 南アジア
  1.2.4 東南アジア
  1.2.5 中国
  1.2.6 日本
  1.2.7 太平洋地域
  1.2.8 中央アジア
  1.2.9 南北アメリカ
  1.2.10 熱帯アフリカ
おわりに

第2章 日本列島の森林の歴史的変化―人との関係において―(大住克博)
はじめに
2.1 先史時代 樹木種の多様性の起源
  2.1.1 日本列島の地史
  2.1.2 日本列島の樹木種の多様性
2.2 古代から中世 採取の時代
  2.2.1 温帯性針葉樹天然林資源の利用と枯渇
  2.2.2 暖温帯林における温帯性針葉樹の位置づけ
  2.2.3 二次林の拡大
2.3 近世 採取から管理へ
  2.3.1 再び温帯性針葉樹天然林資源の利用と枯渇
  2.3.2 里山の拡大
  2.3.3 森林資源管理の発展
2.4 近代前半 林業的管理と生産の拡大
  2.4.1 森林管理の近代化
  2.4.2 林業活動の国際化
  2.4.3 里山の森林化
  2.4.4 森林保護・保全制度の近代化
2.5 近代後半 林業的管理の急進から森林管理への移行,そして混迷
  2.5.1 戦後拡大造林の展開
  2.5.2 森林資源利用の衰退
  2.5.3 生態系としての森林管理の模索
2.6 日本列島における森林と人との関係の歴史的変化を特徴づけるもの
  2.6.1 育成林業と里山
  2.6.2 変化を支えた樹林種の多様性
おわりに

【第2部 森林の構造・機能と生態系サービスの変化】

第3章 森林の変化と樹木(清和研二)
はじめに
3.1 森林のすがた
  3.1.1 手つかずの森:開拓前の原生林
  3.1.2 今も残る老熟林
  3.1.3 天然林の撹乱と再生
  3.1.4 種の多様性
3.2 拡大造林は日本の森の姿をどう変えたか
  3.2.1 天然林の伐採と針葉樹の植栽
  3.2.2 天然林の若齢化,単純化,疎林化
  3.2.3 手入れ不足の針葉樹人工林
  3.2.4 シカとクマの増加
  3.2.5 消えた川辺林
3.3 これからの森林管理:生物多様性の復元による林業の振興
  3.3.1 針葉樹人工林に広葉樹を混交する:目標林型は天然林
  3.3.2 多様な広葉樹の高度利用による地域再生
おわりに

第4章 森林の変化と生物多様性(岡部貴美子・中静 透)
はじめに
4.1 植物の多様性の変化
  4.1.1 日本の森林植生のなりたち
  4.1.2 森林利用の変化と植物の多様性
4.2 きのこ類の多様性の変化
  4.2.1 菌類ときのこ類
  4.2.2 社会・経済的変化と菌類の多様性
4.3 昆虫の多様性の変化
  4.3.1 減少しつつある昆虫の多様性
  4.3.2 社会・経済的変化と昆虫の多様性
4.4 鳥類の多様性の変化
  4.4.1 絶滅の恐れがある種
  4.4.2 社会・経済的変化と鳥の多様性
4.5 哺乳類の多様性の変化
  4.5.1 多様性の変化のトレンド
  4.5.2 社会・経済的変化と哺乳類の多様性
おわりに

第5章 森林の変化と生態系サービス(中静 透)
はじめに
5.1 森林の生態系サービス
  5.1.1 生態系サービスとは
  5.1.2 生物多様性と生態系サービス
  5.1.3 森林タイプと生態系サービス
  5.1.4 森林の変化要因と生態系サービス
5.2 日本の森林変化と生態系サービス
  5.2.1 古代~17世紀
  5.2.2 17世紀~明治時代
  5.2.3 明治時代~第二次世界大戦前後
  5.2.4 第二次世界大戦後~高度成長期
  5.2.5 1990年代以降
5.3 他の国の森林変化と生態系サービス
  5.3.1 ヨーロッパにおける森林の変化と生態系サービス
  5.3.2 アメリカ合衆国における森林の変化と生態系サービス
  5.3.3 途上国(アジアなど)における森林変化と生態系サービス
  5.3.4 森林の変化と生態系サービスの関係の地域性
5.4 21世紀における生態系サービス評価
5.5 生態系サービスの持続的利用にむけて
  5.5.1 生態系サービスに対する支払い
  5.5.2 PESのミスマッチ
おわりに

索 引

上記内容は本書刊行時のものです。