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生態学のための階層モデリング Marc Kéry(著/文) - 共立出版
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生態学のための階層モデリング (セイタイガクノタメノカイソウモデリング) RとBUGSによる分布・個体数量・種の豊かさの統計解析 (アールトバグズニヨルブンプコタイスウリョウシュノユタカサノトウケイカイセキ)

自然科学
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発行:共立出版
B5判
832ページ
定価 13,500円+税
ISBN
978-4-320-05814-9   COPY
ISBN 13
9784320058149   COPY
ISBN 10h
4-320-05814-3   COPY
ISBN 10
4320058143   COPY
出版者記号
320   COPY
Cコード
C3045  
3:専門 0:単行本 45:生物学
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2020年11月20日
最終更新日
2020年12月26日
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紹介

本書は,野生生物の分布や個体数,種の多様性の統計推測について解説した教科書である。野生生物の分布や個体数,種の多様性を定量的に把握することは難しい。野外調査では生息する種を常に観測できるとは限らず,「見落とし」が生じてしまう場合があるからである。本書ではこうした野生生物の「不完全な検出」に対処する統計モデリングとして,生態学的な過程と観測の過程の両方を明示的に考慮した「階層モデル」を用いたアプローチについて包括的に解説する。既訳本『BUGSで学ぶ階層モデリング入門』とは相補的な位置づけにあり,既訳本では個体標識を要する捕獲再捕獲法に対応するモデルの解説がメインであるのに対し,本書は個体標識を要しない観測法に対応するモデルの説明に力点が置かれている。生態系管理などの実務上有用なモデルが,この2冊によって幅広くカバーされる。

また,本書は統計モデリングの実践的な解説書でもあり,確率過程と統計モデルを深く理解するためのアプローチとして,確率シミュレーションの重要性が強調されている。この視点は,初学者が統計的データ解析の基本概念を理解する助けとなるだろう。実データによる多くの例題が含まれており,RやBUGSなどのフリーソフトを用いて実行するためのデータやコードも利用しやすい形(Rパッケージ)で提供されている。

原著:Applied Hierarchical Modeling in Ecology: Analysis of distribution, abundance and species richness in R and BUGS: Volume 1:Prelude and Static Models, 2015.

目次

【第I部 序説】

第1章 生態学における分布・個体数量・種の豊かさ
1.1 点過程・分布・個体数量・種の豊かさ
1.2 メタ・個体群デザイン
1.3 状態と率パラメータ
1.4 生態学における測定誤差モデル
1.5 分布・個体数量・種の豊かさに対する階層モデル
1.6 要約と展望
演習

第2章 階層モデルとその解析
2.1 はじめに
2.2 確率変数,確率密度関数,統計モデル,確率,統計推測
2.3 階層モデル
2.4 尤度に基づく古典的推測
2.5 ベイズ推測
2.6 基本的なマルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)
2.7 モデル選択とモデル平均
2.8 モデル適合の評価
2.9 要約と展望
演習

第3章 階層モデルの構成要素:線形モデル,一般化線形モデル,変量効果モデル
3.1 はじめに
3.2 線形モデル
3.3 一般化線形モデル(GLM)
3.4 変量効果(混合)モデル
3.5 要約と展望
演習

第4章 データシミュレーション入門
4.1 データシミュレーションの意味と,それが非常に有用な理由
4.2 典型的な定点計数データの生成
4.3 機能のすべてを関数化
4.4 要約と展望
演習

第5章 ベイズモデリングソフトウェアBUGSとJAGSによるモデルの当てはめ
5.1 はじめに
5.2 BUGS入門:WinBUGS,OpenBUGS,JAGS
5.3 正規応答の線形モデル(正規GLM):多重線形回帰
5.4 Rパッケージrjags
5.5 ベイズ解析における欠測値
5.6 正規応答の線形モデル(正規GLM):共分散分析(ANCOVA)
5.7 説明される分散の割合(R2)
5.8 zerostrickやonestrickによる尤度が標準的でないモデルの当てはめ
5.9 ポアソンGLM
5.10 適合度評価:事後予測検査とパラメトリックブートストラップ法
5.11 二項GLM(ロジスティック回帰)
5.12 過小分散を考慮した二項GLMの積率適合法
5.13 変量効果ポアソンGLM(ポアソンGLMM)
5.14 変量効果二項GLM(二項GLMM)
5.15 BUGSでモデルを構築する上での一般戦略
5.16 要約と展望
演習

【第II部 閉鎖系のモデル】

第6章 閉鎖個体群の非標識個体計数値による個体数量のモデル化:二項N混合モデル
6.1 個体数量のモデル化
6.2 階層モデリングの練習:第1原理からのN混合モデルの導出
6.3 最も単純なN混合モデルのシミュレーションと解析
6.4 共変量を含む少し複雑なN混合モデル
6.5 N混合モデルに対する一般的なデータシミュレーション関数:simNmix
6.6 研究デザインおよび二項N混合推定量のバイアスと精度
6.7 関数simNmixを用いた仮定の破れに関する検討
6.8 適合度
6.9 unmarkedによるスイスのシジュウカラ個体数量の地図化
6.10 空間の問題:有効標本面積はどのくらいか?
6.11 BUGSによるスイスのシジュウカラのベイズモデリング
6.12 時間による空間の代用
6.13 Royle-Nicholsモデルと他の標準的でないN混合モデル
6.14 マルチスケールN混合モデル
6.15 要約と展望
演習

第7章 多項N混合モデルによる個体数量のモデル化
7.1 はじめに
7.2 生態学における多項N混合モデル
7.3 Rによる多項観測のシミュレーション
7.4 多項N混合モデルの尤度推測
7.5 除去標本抽出法による鳥類の定点計数(例題1)
7.6 BUGSによる条件付き多項(3要素)モデルのベイズ解析
7.7 unmarkedによる独自の多項モデルの構築
7.8 空間層別捕獲再捕獲法モデル
7.9 スイスMHBのカケス(例題3)
7.10 要約と展望
演習

第8章 階層距離標本抽出法による個体数量推定
8.1 はじめに
8.2 標準距離標本抽出法
8.3 ベイズ法による標準距離標本抽出法
8.4 階層距離標本抽出法
8.5 ベイズ階層距離標本抽出法
8.6 要約
演習

第9章 高度な階層距離標本抽出法
9.1 はじめに
9.2 群れやグループなどの個体共変量を扱う距離標本抽出法
9.3 時間除去法と距離標本抽出法の統合
9.4 二重観測・距離標本抽出法
9.5 開放階層距離標本抽出法モデル:短期移出
9.6 開放階層距離標本抽出法モデル:非明示的な動態
9.7 開放階層距離標本抽出法モデル:個体群動態のモデル化
9.8 空間距離標本抽出法:密度の単位内変動のモデル化
9.9 要約
演習

第10章 サイト占有モデルによる静的な出現と種分布のモデル化
10.1 出現と種分布のモデル化
10.2 階層モデリングの練習再び:サイト占有モデルの導出
10.3 最も単純なサイト占有モデルのシミュレーションと解析
10.4 共変量を含むやや複雑なサイト占有モデル
10.5 静的な占有モデルの一般的なデータ生成関数:simOcc
10.6 多数の共変量を含むモデル:BUGSでのR関数model.matrixの利用
10.7 研究デザインとサイト占有推定量の偏りおよび精度
10.8 適合度
10.9 スイスのキタリスの分布のモデル化と地図化
10.10 マルチスケール占有モデル
10.11 空間による時間の代用
10.12 トランセクトに沿ったデータに対するモデル:ポアソン,指数,ワイブル,除去観測モデル
10.13 単一群集の占有モデリング
10.14 曲がりくねった共変量関係のモデル化:階層モデルにおける罰則付きスプライン
10.15 要約と展望
演習

第11章 群集の階層モデル
11.1 はじめに
11.2 メタ群集のシミュレーション
11.3 スイスMHBのメタ群集データ
11.4 いくつかのメタ群集モデルの概観
11.5 種の区別を無視した群集モデル
11.6 種が完全に区別された群集モデル
11.7 データ拡大法を用いたDorazio-Royle(DR)群集占有モデル
11.8 Z行列の推定値に基づくサイト間・種間の類似性の推測
11.9 種の豊かさの地図と種数累積曲線
11.10 群集N混合モデル:Dorazio-Royle-Yamaura(DRY)モデル
11.11 要約と展望
演習

要約と結論
A.1 『生態学のための階層モデリング』(AHM)の目的
A.2 2冊のAHMに書かれていること
A.3 展望:AHM第2巻

参考文献
欧文索引
和文索引

上記内容は本書刊行時のものです。