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プログレッシブ電磁気学 水田 智史(著/文) - 共立出版
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プログレッシブ電磁気学 (プログレッシブデンジキガク) マクスウェル方程式からの展開 (マクスウェルホウテイシキカラノテンカイ)

自然科学
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発行:共立出版
A5判
200ページ
定価 2,500円+税
ISBN
978-4-320-03612-3   COPY
ISBN 13
9784320036123   COPY
ISBN 10h
4-320-03612-3   COPY
ISBN 10
4320036123   COPY
出版者記号
320   COPY
Cコード
C3042  
3:専門 0:単行本 42:物理学
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2020年12月14日
最終更新日
2021年1月19日
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紹介

 本書は理工系の学部の授業のために書かれた電磁気学の教科書です。従来の電磁気学の教科書では,最初に歴史にそって実験事実が述べられて,その後に様々な事象を説明するための理論の構築が展開される,という構成がスタンダードであり,高等学校などで最初に電磁気学を学ぶ際には電磁気学を身近に感じ,電磁気学に慣れ親しむという観点から考えて,この順序に従うことが適当であろうと思われます。
 しかし,筆者の学生時代の経験では,そうして学び終えた後に改めて振り返ってみると,授業で得た知識が断片的で,何かを定量的に導き出そうとしたときに,どの公式を用いたらよいか迷ったり,たとえ公式に代入して計算することができたとしても,どうしてそれで結果が出るのか理解できずに今ひとつ結果に自信がもてなかったり,といったことが少なからずあったように思います。
 もし,そのような断片的な知識の間の相互関係を明確に理解し,それらを有機的に関係付けることができていれば,先に述べたようなもやもや感も払拭され,それらがもっと生きた知識として身に付いていたであろうという気がするのです。
 そこで本書では,標準的な教科書とは異なる構成をとることにしました。すなわち,電磁気学における基礎方程式であるマクスウェル方程式を出発点として,実験から得られる様々な法則や事象をそこから導き出す,という流れにそった構成です。こうすることで,それらの法則や事象がマクスウェル方程式を中心としてすべて相互に関係しているということが実感としてイメージできるようになるのではないかと期待されます。
 本書の大きな特徴である、マクスウェル方程式から出発することで,電磁気学の幅広い世界の見識を感じ取ってもらえることを期待しています。

目次

第1章 電磁気学における基礎方程式
1.1 ニュートンの運動方程式
 1.1.1 速度が従う微分方程式
 1.1.2 位置座標が従う微分方程式
1.2 マクスウェル方程式
1.3 電荷とローレンツ力
 1.3.1 電荷
 1.3.2 ローレンツ力

第2章 数学的道具立て
2.1 ベクトルの内積と外積
 2.1.1 内積
 2.1.2 外積
2.2 場の概念
2.3 偏微分とナブラ
2.4 場の偏微分
 2.4.1 勾配
 2.4.2 発散
 2.4.3 回転
 2.4.4 微小距離だけ離れた位置の場の値

第3章 静的な電場
3.1 静電場に関するマクスウェル方程式
3.2 ガウスの定理とガウスの法則
 3.2.1 ガウスの定理
 3.2.2 ガウスの法則
 3.2.3 点電荷が作る電場
 3.2.4 クーロンの法則
3.3 ガウスの法則のほかの応用例
 3.3.1 球の内部に一様に分布した電荷が作る電場
 3.3.2 無限に長い直線上に分布した電荷が作る電場
 3.3.3 広い平板上に一様に分布した電荷が作る電場
3.4 分布した電荷が作る電場
3.5 電位
 3.5.1 ポアソン方程式
 3.5.2 電位の物理的意味
 3.5.3 ストークスの定理
 3.5.4 2 点間の電位差
 3.5.5 等電位面
3.6 電気力線
3.7 導体
 3.7.1 電場の中に置いた導体
 3.7.2 帯電した導体球が作る電場
3.8 平行平板キャパシターと静電容量
 3.8.1 平行平板キャパシター
 3.8.2 平行平板キャパシターが作る電場
 3.8.3 平行平板キャパシターの静電容量
 3.8.4 平行平板キャパシターがもつエネルギー
3.9 電場のエネルギー密度

第4章 物質のあるところの静電場
4.1 電気双極子
 4.1.1 電気双極子が作る電位
 4.1.2 電気双極子が作る電場
 4.1.3 電気双極子がもつポテンシャルエネルギー
 4.1.4 電気双極子が電場から受ける力
 4.1.5 電気双極子が電場から受ける力のモーメント
4.2 誘電体
 4.2.1 誘電分極
 4.2.2 分極ベクトル
 4.2.3 分極電荷の表面電荷密度
 4.2.4 分極電荷の体積密度
4.3 電束密度
 4.3.1 電束密度に対するガウスの法則
 4.3.2 誘電体が充填された平行平板キャパシター
4.4 誘電体の接触面における境界条件
 4.4.1 電場に対する境界条件
 4.4.2 電束密度に対する境界条件

第5章 静的な磁場
5.1 静磁場に関するマクスウェル方程式
 5.1.1 磁束線
 5.1.2 電流密度
 5.1.3 電荷と電流の連続方程式
5.2 導線を流れる電流
 5.2.1 電流素片
 5.2.2 電流が磁場から受ける力
5.3 アンペールの法則
5.4 ベクトルポテンシャル
 5.4.1 クーロンゲージ
 5.4.2 電流密度が作るベクトルポテンシャル
5.5 ビオ・サバールの法則
 5.5.1 無限に長い直線電流が作る磁束密度―ビオ・サバールの法則から
 5.5.2 円電流が中心軸上に作る磁束密度
5.6 ソレノイドが作る磁束密度
 5.6.1 磁束密度の方向
 5.6.2 中心軸上の磁束密度
 5.6.3 中心軸以外の位置の磁束密度

第6章 物質のあるところの静磁場
6.1 磁気双極子
 6.1.1 小さな円電流が作る磁束密度
 6.1.2 磁気双極子が作るベクトルポテンシャル
 6.1.3 磁気双極子が磁場から受ける力
 6.1.4 磁気双極子が磁場から受ける力のモーメント
 6.1.5 磁気双極子がもつポテンシャルエネルギー
6.2 磁化と磁場
 6.2.1 磁化
 6.2.2 分子電流
 6.2.3 磁場
6.3 磁性体
 6.3.1 常磁性体
 6.3.2 反磁性体
 6.3.3 強磁性体
6.4 物質の接触面における境界条件
 6.4.1 磁場に対する境界条件
 6.4.2 磁束密度に対する境界条件

第7章 時間に依存した電磁場
7.1 電磁誘導とファラデーの法則
 7.1.1 磁束密度の時間変化に伴う誘導起電力
 7.1.2 動いている回路に生じる誘導起電力
 7.1.3 ファラデーの法則
7.2 変位電流
7.3 インダクタンス
 7.3.1 自己誘導と自己インダクタンス
 7.3.2 相互誘導と相互インダクタンス
 7.3.3 コイルがもつエネルギー
7.4 磁場のエネルギー密度
7.5 電磁場のエネルギー密度とポインティングベクトル
7.6 マクスウェル方程式のポテンシャルによる表現
 7.6.1 時間に依存する場のポテンシャルによる表現
 7.6.2 ポテンシャルが満たす方程式

第8章 電磁波
8.1 自由空間中の電磁場
 8.1.1 波動方程式
 8.1.2 波動方程式の解
8.2 空間を伝わる電磁場
 8.2.1 電磁波が伝わる速さ
 8.2.2 電磁波における電場と磁束密度の関係
 8.2.3 電磁波のエネルギーの流れ
8.3 正弦波
付録
A.1 ベクトル解析の公式
A.2 円電流の周回積分
章末問題解答
参考文献

上記内容は本書刊行時のものです。