版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
量子エンタングルメントから創発する宇宙 須藤 彰三(監修) - 共立出版
..
【利用不可】

量子エンタングルメントから創発する宇宙 (リョウシエンタングルメントカラソウハツスルウチュウ)

自然科学
このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:共立出版
A5判
136ページ
定価 2,000円+税
ISBN
978-4-320-03543-0   COPY
ISBN 13
9784320035430   COPY
ISBN 10h
4-320-03543-7   COPY
ISBN 10
4320035437   COPY
出版者記号
320   COPY
Cコード
C3342  
3:専門 3:全集・双書 42:物理学
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2020年7月22日
最終更新日
2020年8月4日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

 物質が「原子のつぶつぶ」から構成されているように,宇宙空間は「情報のつぶつぶ」から構成されているのではないか?このような考え方が,超弦理論と量子情報理論の境界領域から生まれ,理論物理学の最先端の話題となっています。情報のつぶつぶとは,「量子ビット」のことで,量子情報の最小単位を意味します。ミクロな世界の自然法則である量子論では,情報の在り方も,マクロな古典的な世界とは大きく異なります。その最たる理由がミクロな世界に特有な二体相関を意味する「量子エンタングルメント」の存在です。この本では,主に学部生レベルの物理の予備知識をもとに,この話題のエッセンスをひも解いていきます。
 学部生の読者は,是非,まず第1章「本書のガイド」を最初に読んでいただき,話の流れをつかんで頂ければ全体が読みやすくなると思います。そこでは,初読の際に読み飛ばしてよい部分も提案しております。また巻末の用語解説もご活用ください。2章以降では,まずこの話題の基礎となる量子エンタングルメントやエンタングルメント・エントロピーの解説にかなりの紙面を割いています。その後で,最近の超弦理論の主たる研究テーマとなっているゲージ重力対応とそれを用いたエンタングルメント・エントロピーの計算を平易に解説します。その後で,エンタングルメント・ウェッジやブラックホール情報問題とアイランド公式,量子エンタングルメントからの時空の創発など,最新の話題にも触れており,理論物理学を研究する大学院生にとっても読みごたえがあるのではと思います。本書が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

目次

第1章 本書のガイド
―量子論からブラックホールやゲージ重力対応,そして宇宙創発まで

第2章 量子エンタングルメント
2.1 量子力学の復習
2.2 量子エンタングルメントとは
2.3 ベルの不等式の破れ
2.4 混合状態の量子エンタングルメント
2.5 エンタングルメント・エントロピー
2.6 量子テレポーテーション
2.7 エンタングルメント・エントロピーの操作的な解釈
2.8 エンタングルメント抽出

第3章 場の理論におけるエンタングルメント・エントロピー
3.1 量子多体系のエンタングルメント・エントロピー
3.2 自由スカラー場の理論
3.3 エンタングルメント・エントロピーの計算
3.4 面積則
3.5 経路積分
3.6 レプリカ法による計算
3.7 2次元共形場理論におけるエンタングルメント・エントロピー
3.8 エントロピックC定理
3.9 スカラー場のエンタングルメント・エントロピー計算の詳細

第4章 ゲージ重力対応と量子エンタングルメント
4.1 ブラックホールのエントロピー
4.2 ホログラフィー原理
4.3 ゲージ重力対応
4.4 エンタングルメント・エントロピーの計算公式
4.5 2次元共形場理論に対するゲージ重力対応の場合
4.6 笠-高柳公式のゲージ重力対応からの導出
4.7 高次元のゲージ重力対応の場合
4.8 第一法則とアインシュタイン方程式

第5章 ホログラフィック・エンタングルメントの最近の発展
5.1 ホログラフィック・エンタングルメントの量子補正
5.2 エンタングルメント・ウェッジ
5.3 エンタングルメント・ウェッジの共形場理論からの導出
5.4 純粋化エンタングルメントとゲージ重力対応
5.5 量子誤り訂正符号とゲージ重力対応
5.6 ブラックホール情報パラドクスへの応用

第6章 創発する時空と量子エンタングルメント
6.1 量子エンタングルメントから創発する時空
6.2 テンソルネットワーク
6.3 経路積分の効率化とゲージ重力対応
6.4 量子計算の複雑性とゲージ重力対応

用語解説

上記内容は本書刊行時のものです。