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相関電子と軌道自由度 石原 純夫(著/文) - 共立出版
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相関電子と軌道自由度 (ソウカンデンシトキドウジユウド)

自然科学
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発行:共立出版
A5判
192ページ
定価 2,000円+税
ISBN
978-4-320-03542-3   COPY
ISBN 13
9784320035423   COPY
ISBN 10h
4-320-03542-9   COPY
ISBN 10
4320035429   COPY
出版者記号
320   COPY
Cコード
C3342  
3:専門 3:全集・双書 42:物理学
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2020年1月20日
最終更新日
2020年2月10日
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紹介

 超伝導,磁性,誘電性,熱現象などの物質が示す興味深い性質の多くは,互いに強く相互作用しあう天文学的な数の電子により引き起こされる。強相関電子と呼ばれるこれらの電子には,小さな磁石としての性質であるスピン自由度のほかに,電子がどの方向に運動するかという自由度が存在し,これは軌道自由度とよばれる。
 軌道自由度は,上記のような興味深い性質を裏から支える舞台や素材としての役割を果たしていると同時に,これ自身が新奇な量子多体現象をもたらす隠れた自由度として多くの注目を集めている。
 本書は,物理学・物理工学・化学・マテリアル工学などを専攻する学生から研究者までを対象とし,孤立イオンにおける電子軌道や電子格子相互作用などの基礎的な項目から,軌道秩序,軌道励起,これらを観測する共鳴X線散乱法や最近の軌道物理の話題まで解説しており,本分野の全体像を見渡すことができる。

目次

第1章 軌道自由度と物性物理
 1.1 相関電子系の軌道物理のおもしろさ
 1.2 歴史的なこと

第2章 相関電子における軌道自由度
 2.1 孤立イオンの電子軌道
 2.2 電子間相互作用
 2.3 結晶場分裂
 2.4 軌道角運動量とスピン軌道相互作用
 2.5 多重項分裂と軌道自由度
 2.6 場の量子論と多体粒子系

第3章 軌道自由度と格子自由度
 3.1 幾何学的位相
 3.2 断熱近似と断熱ポテンシャル
 3.3 Jahn-Teller効果

第4章 強相関系の軌道模型
 4.1 軌道擬スピン演算子
 4.2 軌道自由度間の相互作用
 4.3 Mott絶縁体とHubbard模型
 4.4 eg軌道自由度間の相互作用と有効模型
 4.5 2軌道縮退系における様々な模型
 4.6 3軌道縮退系の模型
 4.7 2重交換模型
 4.8 協力的Jahn-Teller効果

第5章 軌道秩序
 5.1 軌道秩序
 5.2 Mott絶縁体における軌道秩序・磁気秩序の具体例
 5.3 金属相における軌道秩序・磁気秩序の具体例
 5.4 eg軌道模型と揺らぎによる秩序化
 5.5 コンパス模型と方向秩序

第6章 軌道自由度の観測と共鳴X線散乱
 6.1 軌道秩序の観測
 6.2 電子とX線との相互作用
 6.3 X線の散乱断面積
 6.4 共鳴X線散乱による軌道秩序の観測

第7章 軌道励起とその観測
 7.1 軌道励起
 7.2 軌道励起の観測
 7.3 非弾性X線散乱

第8章 軌道物理の新しい展開
 8.1 軌道物理としての励起子絶縁体
 8.2 ダイマー型分子性固体と分子軌道自由度
 8.3 軌道物理学の今後の展望

上記内容は本書刊行時のものです。