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SSA 印牧岳彦(著/文) - 鹿島出版会
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SSA (エスエスエー) 緊急事態下の建築ユートピア (キンキュウジタイカノケンチクユートピア)

工業・工学
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発行:鹿島出版会
A5判
384ページ
定価 3,500円+税
ISBN
978-4-306-04699-3   COPY
ISBN 13
9784306046993   COPY
ISBN 10h
4-306-04699-0   COPY
ISBN 10
4306046990   COPY
出版者記号
306   COPY
Cコード
C3052  
3:専門 0:単行本 52:建築
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2023年1月6日
最終更新日
2023年3月2日
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紹介

一九三〇年代、大恐慌下のアメリカ。フラー率いる建築家集団SSAから発生した建築と社会の変革をめぐる活発な議論を、現代から参照する

第一次・第二次世界大戦間期の建築家たちによるユートピアへの希求とその帰結について、本書では運動の中心地であったヨーロッパにおける事例ではなく、アメリカ合衆国におけるひとつの展開に着目する。すなわち、一九三〇年代初頭のニューヨークにあらわれた「構造研究会(Structural Study Associates, SSA)」を名乗るバックミンスター・フラー率いる建築家集団と、彼らを取り巻く人々とのあいだでの議論の諸相である。大恐慌という資本主義社会の危機のさなかに活動を開始したこの団体は、産業化に立脚点をおいた建築観を背景として、大恐慌という「緊急事態(emergency)」をユートピアの「発生(emergence)」の契機へと転じるような、建築、都市、そして社会全体にわたる変革構想を提示していた。

目次

序章 見えない団体 
第I部 産業化・コミュニティ・美学――近代建築の三つの立脚点
第1章 摩天楼の都市と建築家の疎外―アメリカ建築界の状況と課題
1「時―空間」建築をめざして
2 「紙上建築」論争 

第2章 産業化とコミュニティ―建築雑誌の変容と近代建築をめぐる二つの立場
1産業時代の建築
2「テクニカル・ニュース・アンド・リサーチ」
3工場生産住宅論争  

第3章 「インターナショナル・スタイル」を定義する―MoMA「近代建築」展への道のり
1建築の没落と再生
2一九三一年の前哨戦 

第II部 エマージェンシーからエマージェンスへ――転換点としての一九三二年
第4章「インターナショナル・スタイル」への迎撃―SSAの建築思想
1 SSAの登場と『シェルター』の創刊 
2「近代建築」展から「SSAシンポジウム」へ 
3 もうひとつの「インターナショナル・スタイル」、あるいはソヴィエト建築の問題 

第5章 大恐慌と「産業共産主義」―SSAの社会変革構想 
1緊急事態と発生
2エンパイア・ステート・アパートメント 
3マルクス主義者との対決

第III部 シェルターか、革命か?
――ニューディール期における分岐と相克
第6章 SSAからFAECTへ―建築家と労働組合運動
1労働者としての建築家
2ハウジング政策批判
3資本主義下のハウジング 

第7章 モビリティのユートピア―「移動住宅」をめぐる構想と論争
1 トレーラー・フィーバーと「移動住宅」
2 「モービルタウン」への旅 
3モビリティVSコミュニティ 

第8章 産業化の二つの戦線―建築生産の理論化とユートピアの行方
1 技術と政治
2 環境制御と文化戦線
3 崩壊するユートピア
終章 反復される問い

著者プロフィール

印牧岳彦  (カネマキタカヒコ)  (著/文

印牧岳彦(かねまき・たかひこ)/1990年福井県生まれ。2014年東京大学工学部建築学科卒業。2021年東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程修了。博士(工学)。東京大学大学院工学系研究科学術専門職員を経て、現在、神奈川大学建築学部特別助教。専門は第一次・第二次世界大戦間期を中心とした近代建築史。共訳書に『芸術の都 ロンドン大図鑑 英国文化遺産と建築・インテリア・デザイン 』(フィリップ・デイヴィース著、加藤耕一監訳、西村書店、2017年)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。