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白い壁、デザイナードレス マーク・ウィグリー(著/文) - 鹿島出版会
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白い壁、デザイナードレス (シロイカベ デザイナードレス) 近代建築のファッション化 (キンダイケンチクノファッションカ)

工業・工学
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発行:鹿島出版会
A5判
474ページ
定価 4,200円+税
ISBN
978-4-306-04687-0   COPY
ISBN 13
9784306046870   COPY
ISBN 10h
4-306-04687-7   COPY
ISBN 10
4306046877   COPY
出版者記号
306   COPY
Cコード
C3052  
3:専門 0:単行本 52:建築
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2021年7月21日
最終更新日
2021年10月6日
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紹介

これまで語ることが避けられてきたル・コルビュジエ建築の白の意味、そして、モダニズム建築はなぜ白いのかを解き明かす書、待望の邦訳。

私たちは従来、装飾批判の観点からモダニズムを理解してきた。ところがマーク・ウィグリーは、モダニズム成立の背景に「ファッション」を見出した! 彼の徹底的なリサーチと執拗な叙述は、近代建築誕生の背後にあった被覆とファッションをめぐる建築家たちの闘争と挑戦を鮮やかに描き出す。伝統的なモダニズム理解を全面的に塗り替える、真っ白な必読書である。――加藤耕一

「モダニズム建築のデザインは当時の服飾改革運動に影響されていることを明らかにするのである。つまり白とはファションにおける装飾を剝ぎ取った改革された服の建築的翻訳ということである。加えて、ファッションに強く影響を受けた建築家たちは数多くいたものの、その実態を否定的に捉える歴史家が、ファッション否定の歴史を編纂していったことをも示していくのである。なぜこんなことが、今まで明るみに出なかったのだろうか? それは白を語ることが避けられてきたからである」
「白は十九世紀の装飾的な衣服を脱ぎ捨て、過去と断絶することを示すもの、という程度に理解するのでは不十分であると。白は脱皮した抜け殻を示すものではなく、新たな服としての意味を内包すると説くのである。その意味内容を解き明かすヒントは、建築家とファッションの密接な関係である。一般的にファッション史と建築史は独立した歴史として語られる。しかし双方は類似した様相を呈する。装飾的な服がココ・シャネルなどの近代のファッションデザイナーの手によって簡素で機能的なものに変化していく様は、近代建築誕生の様子と近しいのである」(まえがきより――坂牛 卓)

目次

近代建築の読み替え 坂牛 卓
謝辞
序文
テイク1 裸の王様
 モダニティの外見/空間の衣服/人工器官の組み立て/「眼」以降の建築
テイク2 流行警察
 血統書付きの番犬/クローゼット探偵
テイク3 表面を傷つける
 近代の服を作る/建築家のドレス/フェミニンを𠮟りつける
テイク4 建築に服を着せ直す
 線を緩める/ファッションポリスを捕まえる/面を統制する/テニスでもいかが?
テイク5 アンチファッションというファッション
 アンチファッションドレスの建築/建築をタイプスーツに合わせる/モードからモダン、そしてまた戻る
テイク6 白はいい噓をつく
 改革ファッション/白い塗装を塗る/白いコートを着せる/ファッションの純粋化
テイク7 ディープスキン
 まばゆい色/錯乱する白/ミルクピッチャーの先へ
テイク8 機械時代の壁紙
 白い個室を語る/ノマドを着飾る/ウインドウ・ショッピング
テイク9 性を負わされて
 さんご色の指先/皮膚による苦悩
テイク10 ホワイト・アウト
 色覚異常/流行遅れのスーツ/色付けされた歴史/自然化した白//ヌードカラーのドレス/表面への回帰/結局
解題 邉見浩久
訳者あとがき

著者プロフィール

マーク・ウィグリー  (マーク ウィグリー)  (著/文

マーク・ウィグリー(Mark Wigley)
1956年ニュージーランド生まれ。建築家、建築史家。1988年ニューヨーク近代美術館での「脱構築主義建築」展をフィリップ・ジョンソンとともにキュレーションを担当。2005年レム・コールハース、オレ・ボウマンとともに『Volume』誌を創刊。2004年から2014年まで米国ニューヨーク市コロンビア大学建築・計画・保存学大学院の学部長を務め、現在同大学で引き続き教鞭をとる。建築の理論と実践について幅広く執筆活動を行っている。

坂牛 卓  (サカウシ タク)  (翻訳

坂牛 卓(さかうし たく)  
  建築家/東京理科大学教授。1959年東京生まれ。1985年UCLA大学院修士課程修了。1986年東京工業大学大学院修士課程修了。1998年よりO.F.D.A. associates を主宰。2006年信州大学工学部教授。2007年博士(工学)。2011年より現職。主な作品=「松ノ木のあるギャラリー」(インターナショナル・アーキテクチャー・アウォード2015)。運動と風景(SD賞2017)など。
著書・翻訳として『言葉と建築――語彙体系としてのモダニズム』(監訳、鹿島出版会、2005年)、『人間主義の建築』(監訳、鹿島出版会、2011年)、『αスペース』(共著、鹿島出版会、2013年)、『建築プレゼンのグラフィックデザイン』(鹿島出版会、2016年)、『建築の条件』(LIXIL出版、2017年)、『建築の設計力』(彰国社、2020年)など。

邉見浩久  (ヘンミ ヒロヒサ)  (翻訳

邉見浩久(へんみ ひろひさ)
建築家/鹿島建設建築設計本部、シニアマネージャー。1959年生まれ。1985年東京工業大学大学院修士課程修了。1987年イェール大学大学院建築学部修了。1987~88年リチャード・マイヤー・アンド・パートナーズを経て、現在に至る。作品=「鎌倉の家」、「鎌倉の家2」、担当作品=「東京海上東日本研修センター」、「本郷カトリック教会」「ベネトン表参道(現YSL)」、「フェアモントホテル、ジャカルタ」、「フォーシーズンスホテル大手町東京」など。著訳書=『篠原一男経由東京発東京論』(共著、鹿島出版会)、『言葉と建築』(監訳、鹿島出版会)、『人間主義の建築』(監訳、鹿島出版会)、『メディアとしてのコンクリート』(共訳、鹿島出版会)、『住宅論』ほか、Kazuo Shinohara, Casas, 2G #58/59(英訳)など。

岩下暢男  (イワシタ ノブオ)  (翻訳

岩下暢男(いわした のぶお)
建築家/鹿島建設 Kajima Development (シンガポール) Director of Design。1960年東京生まれ。1986年東京工業大学大学院修士課程修了。鹿島建設建築設計本部、1991年コロンビア大学大学院建築学部修了。1991~92年KPF(ニューヨーク)、1999~2005年Hualalai Development Company(ハワイ)を経て現在に至る。1998~2004年京都造形芸術大学通信教育学部非常勤講師。作品=「横浜Ⅰ邸」、担当作品=「池袋前田ビル」、「ガーデンステージ五月台」「フアラライリゾート(ハワイ)」、「アバディーナ・ヒルズ(プーケット)」「ラッフルズホテル、バリ(バリ)」など。著訳書=『篠原一男経由東京発東京論』(共著、鹿島出版会)、『建築家の小屋 プライベート・リトリート』(翻訳、鹿島出版会)。

天内大樹  (アマナイ ダイキ)  (翻訳

天内大樹(あまない だいき)
美学芸術学/建築思想史、静岡文化芸術大学准教授。1980年東京生まれ。東京大学大学院修了、博士(文学)。日本学術振興会特別研究員(PD、大阪大学)、東京理科大学工学部第二部建築学科PD研究員などを経て現職。著書=『ディスポジション──配置としての世界』(共著、現代企画室)、『博覧会絵はがきとその時代』(共著、青弓社)、『分離派建築会』(共著、京都大学学術出版会)など。訳書=『帝国日本の生活空間』(岩波書店)、『言葉と建築──語彙体系としてのモダニズム』『人間主義の建築』『メディアとしてのコンクリート』(共訳、鹿島出版会)、『図鑑デザイン全史』『図鑑1900年以後の芸術』(共訳、東京書籍)など。「錯視ブロックワークショップ」で2017年度(第11回)キッズデザイン賞優秀賞(経済産業大臣賞)。

岸 佑  (キシ ユウ)  (翻訳

岸 佑(きし ゆう)
歴史学/日本近現代史・近現代建築思想、国際基督教大学アジア文化研究所研究員・東洋大学人間科学総合研究所客員研究員。1980年仙台市生まれ。国際基督教大学大学院修了、博士(学術)。現在は国際基督教大学、青山学院大学、東洋大学などで非常勤講師を務める。著書=『建築家ヴォーリズの「夢」』(共著、勉誠出版)、『明治、このフシギな時代3』(共著、新典社)、『日本の図書館建築』(共著、勉誠出版)。論文=「モダニティのなかの『日本的なもの』:建築学者岸田日出刀のモダニズム」(国際基督教大学アジア文化研究所『アジア文化研究』別冊20号)、“Buildings that Embody Memory: Early Architecture on the ICU Campus,” Proceeding of the 16th DOCOMOMO International Conference 2020+1 Tokyo, 2021など。

呉 鴻逸  (ゴ コウイ)  (翻訳

呉 鴻逸(ご こうい)
建築家。1975年東京生まれ。東京大学卒業、Berlage Institute (Rotterdam) 修了。Cesar Pelli & Accocites Japan, Foreign Office Architectsでの勤務を経て、Whiteroom Architectsを設立。東京理科大学非常勤講師。訳書=『メディアとしてのコンクリート』(共訳、鹿島出版会)。

上記内容は本書刊行時のものです。