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光源氏の運命物語
「かたり」から読み解く新しい『源氏物語』
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2018年3月
- 書店発売日
- 2018年4月20日
- 登録日
- 2018年3月16日
- 最終更新日
- 2018年4月19日
紹介
国文学者、伊井春樹ワールド開幕!
本当の源氏物語が見えてくる。
物語の「語り手」は周到な構想のもとに、
源氏を通じて新たな歴史を紡ぎ出し、
そこにうごめく人間の姿を詳述していく。
はなやかな恋物語とは異なる、
もう一つの源氏物語が語られる。
目次
はじめに─『源氏物語』への招待
一 光源氏の須磨での危機
1 桐壺院の出現
暴風雨と落雷/巳の日の禊
2 桐壺院の告白
地獄からの救出/桐壺院の行動
3 源氏の危機的状況
藤壺の出家/朧月夜への通い
4 御陵における桐壺院の姿
藤壺中宮の身のふり方/桐壺院の出現
二 源氏の須磨行きの決意
1 源氏の寂寥
藤壺中宮への恋慕/六条御息所の伊勢下向/源氏の運命の変転
2 須磨への左遷説
源氏の須磨行き/須磨での生活
三 流罪された人々の運命と源氏の須磨での謫居
1 源高明と源氏
高明の配流/高明の騒動/高明と紫式部
2 伊周の悲劇
一族の繁栄/伊周の須磨から筑紫へ
3 菅原道真の流罪
栄華からの転落/天神となった道真
四 朧月夜事件と藤壺中宮との密事
1 朧月夜との出会い
藤壺中宮への思慕/朧月夜との逢瀬/朧月夜との再会/「花宴」の巻末表現
2 右大臣の腹立ち
桐壺院の崩御/朧月夜の尚侍
3 犠牲となった朧月夜
朧月夜の待遇/藤壺中宮の出家
五 源氏の須磨での生活
1 朧月夜との奇妙な関係
源氏の朧月夜への思惑/右大臣の憤懣/源氏の危機的状況
2 源氏の流謫
須磨での生活/住吉の神の「さとし」/弘徽殿大后の言い分/源氏の召喚
3 梅壺女御の入内
無罪の配流/無実の主張/前斎宮の帰京/梅壺女御の入内/六条御息所の年齢/藤原氏と源氏の争い
六 須磨の絵日記
1 絵日記の整理
紫上と見る絵日記/冊子から巻子本へ/源氏の絵
2 絵日記の意義
源氏と紫上の絵日記/帝前の絵合/古代への憧憬/旅日記の勝利
3 源氏の栄華への階梯
『土佐日記』の絵日記/絵草子の流行/絵日記の場面/絵日記の行方/明石姫君の入内
七 明石君一族の宿世
1 明石入道の野心
明石入道の夢/桐壺院の霊/明石入道の半生/運命の糸/明石君の結婚話
2 源氏と明石一族
明石入道と桐壺更衣/明石入道の訴え/明石姫君の誕生
3 明石の入道の夢
明石君の上京/六条院の造営/明石君出生の秘密
八 桐壺更衣の運命
1 桐壺院の更衣への寵愛
若宮の誕生/若宮の春宮位断念/故大納言一家
2 大納言と明石一族の運命
大納言の夢/桐壺更衣と藤壺中宮/源氏と冷泉天皇
九 桐壺院の贖罪
1 高麗人の運勢
若宮誕生/高麗人の予言
2 源氏の臣籍降下
源氏の帝王の相/源氏の後見者としての相/桐壺院の決断
3 桐壺院の歴史語り
醍醐帝と桐壺院/道真と光源氏
4 源氏と桐壺更衣のもう一つの姿
源氏の運命/源氏と冷泉帝
あとがき
前書きなど
私は物語の「かたり」を通じ、語られていない背景を掘り起こし、これまでにない人物の役割や『源氏物語』の世界の解釈を試みた。あらためて源氏の運命物語として読むと、桐壺更衣も桐壺院も、新しい機能のもとに、これまでとは異なった役割を果たして登場していると読める。複雑な構想が絡む物語だけに、これから展開する私の解釈の手引きになればと思い、序文として添えた次第である。...「はじめに」より
上記内容は本書刊行時のものです。