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万葉をヨム 上野誠(編集) - 笠間書院
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万葉をヨム

発行:笠間書院
A5判
価格 6,000円+税
ISBN
978-4-305-70871-7
Cコード
C0092
一般 単行本 日本文学詩歌
出版社在庫情報
品切れ・重版未定
書店発売日
登録日
2019年4月23日
最終更新日
2019年6月10日
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紹介

本書の書名「万葉をヨム」には、さまざまな意味合いが込められている。「万葉」には、万葉集の文字列、万葉集の歌作品、万葉集というテキスト、万葉集を成り立たせた時代状況、万葉集が伝わってきた経歴等々の意味合いが、「ヨム」にはさまざまな意味での考察・分析・把握・理解の意味が込められている。さまざまな方法論によって押し進められてきた研究の成果を受け継ぎ、見直し、正当に乗り越えて、多角的に万葉集を読み解く手立てを獲得してゆくことこそが、今後の万葉集研究を拓くものと信じての書名である。ーー本書より

目次

目次

万葉をヨムーー「方法論」のために……大浦誠士

I 東アジア世界の中でヨムーー比較文学

引用書名に見る漢籍の利用ーー比較文学の研究史を踏まえて……仲谷健太郎
比較文学の手法と目的
上代文献における漢籍受容の記述
万葉集の比較文学的研究史
上代文献にみえる漢籍名の引用ーー『文選』を問う
『養老令』と『唐令』の所引漢籍名一覧

中国故事受容と和歌表現……廣川晶輝
問題の所在
「古に恋ふ」の訓釈をめぐって
中国故事の受容
中国故事の受容と和歌表現の変容

II 文字・ことばが作る世界をヨムーー作品論・テキスト論

「作品論」という方法ーー作品分析の試み……小田芳寿
「作品論」という方法の検証
従来の「作品論」
「作品論」という概念
作品分析の試みと作品の規定
作品を相対化する視座

万葉集の作品論的研究……影山尚之
歌人論の潮流
画期としての身ヵ論文
歌人論と、作品論・テキスト論
歌びとの「生」と詠歌
作品としての鏡王女作歌

III 重層する文化の深みからヨムーー民俗学

フィールドから読む『万葉集』……太田真理
なぜ文学研究者がフィールドにでるのか
民俗学的文学研究のあゆみーー近代以降
方法論としての民俗学
「ひね」をめぐることば世界
民俗学的アプローチの有効性

民俗学的研究が残したものーー文化の連続・非連続、あるいは等質・異質……上野誠
伝統のなかにいる私
民俗学的知見の応用、その是非
巻頭歌をどう読むか
文化の連続性のなかで

IV 歌表現の基盤からヨムーー様式論・表現論

様式論ということ……山崎健太
様式を考えるということ
様式を問題とした時に
様式論を含めて作品を見て
課題

コトと「言霊」……大浦誠士
「言霊信仰」ーー「言霊」信仰
「言霊」の用例
コト〈事・言〉
歌の表現として

IV 研究の立ち位置からヨムーー享受史論

古葉略類聚鈔の本文と訓ーー廣瀬本との比較を通して……新沢典子
廣瀬本万葉集と享受研究の進展
廣瀬本の何が問題かーー定家との関わり
春日本と廣瀬本
古葉略類聚鈔について
古葉略類聚鈔と廣瀬本(巻十一以降)
古葉略類聚鈔と廣瀬本(巻十以前)
古葉略類聚鈔の本文と訓

「萬葉精神」をめぐってーー戦争下の久松潜一・武田祐吉の萬葉論〈戦争と萬葉集〉……小松(小川)靖彦
敗戦後の日本文学研究の出発点
「萬葉集=日本精神」論・「萬葉精神」論の概況と研究状況
久松潜一の〈まこと〉の思想
武田祐吉の「国民精神」という装置

VI 文字使用の分析からヨムーー文字論・表記論

万葉集の文字……井上幸
漢字だけで記された万葉集
万葉集の文字・表記についての先行研究と対象資料
万葉集の所用文字
万葉集の文字と古代の実例
万葉集とその周辺の文字生活の解明へ

文字論のこれからーー個別論から全体論へ……村田右富実・川野秀一
全体論と個別論
多変量解析について
音仮名の様相
『日本書紀』(ウタ)のα群とβ群についての目視による判断
『日本書紀』のウタについてのクラスター分析の結果
『日本書紀』の訓注についてのクラスター分析の結果
『日本書紀』におけるα群とβ群のまとめ
『古事記』、『万葉集』、『日本書紀』の書記者について
学際研究へ

VII ことばと文字のはざまでヨムーー書記論・音韻論

日本語の音韻と書記に関わる諸問題……鈴木喬
上代特殊仮名遣
字余り
上代日本語の音韻と書記

字余り研究の課題と表記研究……乾善彦
字余り研究の射程
唱詠と音節構造
母音脱落想定表記と字余り
字余り句の縮約表記と非縮約表記
まとめにかえて

あとがき……上野誠

著者プロフィール

上野誠  (ウエノマコト)  (編集

奈良大学文学部教授。著書『万葉文化論』(ミネルヴァ書房・2019)、論文「讃酒歌十三首の示す死生観―『荘子』『列子』と分命論―」(『萬葉集研究』第36集・塙書房・2016)など。

大浦誠士  (オオウラセイジ)  (編集

専修大学文学部教授。著書『万葉集の様式と表現 伝達可能な造型としての〈心〉』(笠間書院・2008)、論文「万葉集『旋頭歌』の本義―人麻呂歌集旋頭歌を中心に―」(『万葉集研究』第35集・塙書房・2014)など。

村田右富実  (ムラタミギフミ)  (編集

関西大学文学部教授。著書『柿本人麻呂と和歌史』(和泉書院・2004)、論文(川野秀一との共著)「多変量解析から見る万葉短歌の一般性と特殊性―巻を単位として―」(『全国大学 文学・語学』第220号・2017)など。

上記内容は本書刊行時のものです。