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〈狂気〉と〈無意識〉のモダニズム
戦間期文学の一断面
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2013年2月
- 書店発売日
- 2013年3月12日
- 登録日
- 2013年2月5日
- 最終更新日
- 2013年10月17日
紹介
理性の崩壊または損壊、すなわち〈狂気〉。
人間心理の中の、意識せざる意識、すなわち〈無意識〉。
戦間期(一九一八~三七年ごろ)の文学にみられる
<狂気>と<無意識>の表象を分析することによって、
<脱近代>としてのモダニズムの様態を解き明かす。
【本書は、戦間期の文学に表象された〈狂気〉と〈無意識〉のありようを分析し、その特性を論じるものである。
〈狂気〉と〈無意識〉に共通するのは、それらが〈非理性〉であるということだ。戦間期の文学は、近代性の重要な柱であった〈理性〉に反抗することによって、ある種の〈脱近代〉を実現したように思える。そこで私は本書において、文学作品における〈狂気〉と〈無意識〉の表象に着目することで、戦間期文学の〈脱近代〉性を解明しようと考えたのである。 】...「プロローグ」より
目次
プロローグ
序章 近・現代文学史における戦間期モダニズムの心理描写
--〈自然科学的心理観〉と〈心身〉の観点から--
第1部 〈自然科学的心理観〉と〈心身〉の文学
第一章 明治期における〈自然科学的心理観〉と文学
第二章 狂気に関する戦間期以前の〈科学〉と文学
第三章 戦間期の〈精神科学〉と身体・無意識・病理
第2部 戦間期モダニズム文学と〈狂気〉の表象
第一章モダニティとしての〈狂気〉の再発見
--中村古峡作品及び 『変態心理』 記事を中心に--
第二章方法としての〈狂人の一人称語り〉
--芥川龍之介 「河童」--
第三章〈人格〉の異常と表現行為をめぐる物語
--川端康成 「或る詩風と画風」--
第3部 モダニティとしての〈無意識〉と〈心身〉
第一章他者の心理を〈科学〉的に〈探偵〉すること
--江戸川乱歩 「D坂の殺人事件」 「心理試験」--
第二章〈無意識〉という機構、 支配される自己
--横光利一 「機械」--
第三章「象徴」 による無意識の表象
--川端康成 「水晶幻想」--
第四章時間と空間の中の〈心身〉
--横光利一 「時間」--
第五章物理的現象としての〈心〉
--横光利一 「雅歌」--
終章 脱近代・反理性としての戦間期モダニズム
初出一覧
あとがき
索引 [人名・書名]・(左開き)
上記内容は本書刊行時のものです。