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図解即戦力 医薬品業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書
- 書店発売日
- 2021年6月9日
- 登録日
- 2021年4月8日
- 最終更新日
- 2021年5月18日
紹介
「新型コロナワクチンや治療薬の開発に、なぜ日本は出遅れたのか?」
そんな疑問をもつ一般の方にも“ため”になる、医薬品業界のしくみや国内メーカーの経営環境を本書では解説しています。身近な調剤薬局やドラッグストアなどの販売、医薬品業界のビジネスの前提となる社会保険システムについても学ぶことができます。治療用アプリやオンライン服薬指導など、最新の業界トピックも満載!
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国内市場の売り上げ約9.5兆円の医薬品業界。そのうちの9割は医療用医薬品(処方箋の必要な薬)で、1割はドラッグストアなどで販売されているOTC医薬品という売り上げ構成です。新薬の創出には1剤1千億円の費用と10年以上の研究開発期間がかかる一方、当たれば兆を超える巨大な利益を生み出すこともある、ハイリスク・ハイリターン事業です。遙かに資本力のある海外企業と競争するため、国内300社あまりの製薬会社は統合・再編、得意分野の事業を売買して生き残りを図っています。一方、患者に身近な存在である調剤薬局やドラッグストアなどの医薬品販売業も、国の制度や報酬が経営に大きな影響を与えることもあり、複雑で理解しにくいビジネスですが、本書を読めばしくみと最新動向がわかります。MSLやMR、PM、MSなど製薬会社や医薬品卸業の専門職の業務内容や、薬剤師の仕事など業界で働く人のキャリアについても学べます。
目次
Chapter1 医薬品業界の現状
01 拡大し続ける130兆円市場
02 世界3位も国内市場は伸び止まり
03 研究開発型のハイリスク・ハイリターン事業
04 求められる新たな成長戦略
05 医薬品市場を席捲するバイオ医薬品
06 世界規模で進む業界再編
07 後発医薬品への対応が急務の先発医薬品メーカー
08 異例となる早期のワクチン開発 医薬品業界へのインパクト
09 ワクチン・治療薬の開発 日本の製薬会社の出遅れの背景
10 国内医薬品メーカーへの医療費抑制政策の影響
11 生き残りをかけて海外市場へ進出
Chapter2 国内外の大手製薬会社の歴史と動向
01 治療薬と診断薬で個別化医療を開拓 ロシュの躍進
02 事業拡張から「選択と集中」へ ファイザーのさらなる成長
03 新型コロナワクチンで存在感を示す創薬ベンチャーの実力
04 医療用医薬品と一般用医薬品を扱う国内メーカー
05 欧州大手製薬会社を買収 武田薬品工業の戦略
06 1剤で市場を変える新薬の開発力 大塚ホールディングスと小野薬品工業
07 外資傘下でも独自経営を維持 中外製薬の戦略
08 海外企業に対抗する営業網を強化するアステラス製薬の戦略
09 認知症治療薬開発のフロントランナー エーザイの戦略
10 漢方薬メーカーと眼科薬メーカー
11 後発医薬品(ジェネリック)メーカー
Chapter3 医薬品業界の組織と仕事
01 医薬品にかかわるさまざまなプレイヤー
02 製薬会社の基本的な組織体制
03 研究開発部門の仕事と創薬ベンチャーの活用
04 医薬品の適正使用の情報を伝えるスペシャリストのMR
05 製薬会社の最初の仕事はMRからが原則
06 MRに求められる専門性と地域医療への貢献
07 プロダクトマネージャー(PM)の仕事
08 メディカル・サイエンス・リエゾン(MSL)の仕事
09 学術情報部門の仕事
10 業界ルールから国のガイドラインへ
11 医薬品の流通を支える医薬品卸業
12 医薬品卸業の販売担当者(MS)
Chapter4 医薬品業界の法律と規制
01 開発、製造、流通、使用のすべてのプロセスに規制あり
02 薬事行政の中核省庁である厚生労働省
03 医薬品ビジネスの根拠法である薬機法
04 厳しい基準をクリアして医薬品の有効性と安全性を確保
05 医薬品発売後の情報収集と報告の義務
06 グローバル化の進展に応じた国際標準化の推進
07 薬害を防ぐための安全性情報の収集・提供システム
08 厚生労働省が原案を作成して検討が進められる薬価
09 優先審査・優先相談により新薬を迅速に市場投入
10 国際競争力向上へ 医薬品産業の支援策
Chapter5 新薬開発の流れ
01 医薬品承認・販売に至る長く険しい道
02 発見、生成、スクリーニングにより薬剤としての可能性を探求
03 臨床試験の前に安全性を確認する 細胞や動物に対する検査
04 新薬開発の最終段階であるヒトを対象とした試験
05 有効性や安全性の審査と薬価決定を経て販売開始へ
06 大規模治験の大きな壁があるワクチン開発
07 治験業務をサポートする外部の専門事業者
08 ジェネリック医薬品(後発医薬品)
09 医薬品にかかわる4つの特許
10 医療用アプリの承認のガイドラインを新設
11 医療用アプリによる治療法の変革
Chapter6 医薬品の処方と適正使用
01 治療薬選択の基本概念である科学的根拠に基づく医療(EBM)
02 効果に影響する医薬品のさまざまな剤形
03 効果と副作用のバランスによる医薬品の選択
04 医師が処方する“薬”と“市販薬”の違い
05 薬剤師の専門性と調剤業務の流れ
06 医薬品の相互作用の確認と対応
07 医薬品を適切に飲んでもらうための薬剤師による服薬指導
08 薬剤師による在宅患者への訪問支援
09 オンライン診療・服薬指導で市場拡大を目指す
10 健康を広くサポートする「かかりつけ」の機能
Chapter7 調剤薬局とドラッグストアの行く末
01 保険薬局、調剤薬局、ドラッグストアの違い
02 医薬分業の推進で6万か所にのぼる薬局数
03 調剤報酬の薬剤料と技術料
04 セルフメディケーションを支援
05 病院前に立ち並ぶ薬局の損益率の低下
06 対物業務から対人業務へ 調剤薬局が果たす役割
07 薬局を巡る不正事件の背景
08 ドラッグストアチェーンと中小事業者の事業環境
09 受診控えも単価上昇により問われるオンライン対応
10 医薬品を軸とした地域の健康ステーションに
Chapter8 ビジネスの前提となる社会保障システム
01 社会保障制度で賄われる医療費
02 医療費全体の1割にとどまる自己負担分の割合
03 給付と負担のバランスをとる医療費抑制政策
04 マイナス改定が続くなかでも薬剤費は約1.5倍の伸び率
05 市場実勢価格に合わせて薬価引き下げを検討
06 薬価設定の背景と適切な薬価の追求
07 飲み残しや多剤併用をなくし患者の服用を適正化
08 後発医薬品(ジェネリック医薬品)の利用の推進
Chapter9 革新的新薬開発に向けてのトレンド
01 ゲノム創薬や個別化医療へ向かう医薬品開発の潮流
02 アンメット・メディカル・ニーズ
03 分子標的薬とDDSで患部に届ける手法
04 免疫チェックポイント阻害剤
05 認知症治療薬開発の難しさ
06 ドラッグ・リポジショニングによる治療薬開発
07 患者自身の細胞で行う薬剤スクリーニング
08 個別化医療を実現するゲノム創薬
09 AIを用いた創薬の時代へ
10 体外診断薬(検査薬)の開発
Chapter10 医薬品業界の将来像
01 オンラインで問診が行えるアプリがコロナ禍で急成長
02 健康志向の高まりによるライフスタイル・ドラッグの伸張
03 関税引き下げや医薬品需要の向上で海外企業の参入が進む中国市場
04 グローバル競争に打ち勝つための国内製薬会社の事業変革
05 個別化医療や予防医療の進展
06 GAFAが医療健康領域に次々に参入
07 クラウドファンディングによる医薬品開発
08 変化が求められる製薬会社のアプローチ
09 生き残りをかけた業態変化
上記内容は本書刊行時のものです。