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次世代電池2022-2023
- 書店発売日
- 2022年9月28日
- 登録日
- 2022年8月5日
- 最終更新日
- 2022年8月31日
紹介
次世代蓄電池の開発や応用展開の最新動向を
徹底取材と調査に基づき詳説
2021年12月に勃発したロシアによるウクライナ侵攻によって、石油や天然ガスといった天然資源に頼るエネルギーの脆弱さが表面化しました。地球温暖化の深刻化による、CO2排出の大幅削減も待ったなしの状況で、今後、いっそう自然エネルギーの導入の加速を進めざるを得ません。変動の激しい自然エネルギーを使いこなすには大量の蓄電システムが必要です。一方で、世界的な電気自動車シフトも鮮明になっており、自動車メーカーの間で、リチウムイオン2次電池(LIB)の争奪戦が繰り広げられています。本書では、このトレンドを捉え、次世代蓄電池の開発や応用展開の最新動向を徹底取材と調査に基づき詳説しました。
蓄電技術では、重力による位置エネルギーや圧縮空気などを使った古典的な蓄電技術も取り上げました。もはや蓄電に使える技術は、総動員で臨む必要があるためです。もちろん、LIBや、次世代の固体電池、ナトリウムイオン電池といった新しい電池技術についても解説しています。
今後、LIBの大量導入が進むことで、問題になるリサイクル技術についても調査しました。また、LIBの最大の購入者である自動車メーカーの戦略についても、分析しています。
蓄電池のみならず、蓄電技術も含めた、今後のエネルギー関連技術や、ビジネス環境、その応用、キープレイヤーなどの基礎知識を得るのに、最適な一冊です。
目次
Chapter 1 次世代電池技術
・“脱リチウム”電池時代到来 エネルギー密度10倍も視野に
・Li-S電池が1000サイクル超え 全固体で500Wh/kgも視野に
・中国NIOのEVに採用の電池メーカーも判明
EV向け固体電池が本格量産へ 電解質は半固体が主流
・電池だって3Dプリンター 全固体との相性抜群
・定置用での2020年代半ばの実用化を目指す
東芝が燃えないLIBを開発 弱点を克服で電解液を水系に
・1000Wh/Lを達成、充放電800回でも少ない性能低下
ゲイツ氏やVWも出資の米新興 全固体電池が示す驚きの性能
・パウチ型では全固体の可能性も
数秒で満充電の「G+Al電池」 まずはコイン型をサンプル出荷
・釘刺し試験にも耐える高い安全性
450Wh/kgのLi金属電池 Enpowerがサンプル出荷へ
・2025年のEV搭載目指すもエネルギー密度は非公開
Li-S電池でブレークスルーか サイクル寿命1400回達成
Chapter 2 EV用電池の技術と市場
・液系か、全固体か EV電池最前線
Part1:内製に走る自動車メーカー
パナ離れトヨタ・テスラの真意
Part2:テスラやVWが液系に注力
ドライ電極、液系LIBの切り札へ
Part3:ゲームチェンジならず
全固体電池、2030年以降か
・EV狂乱、電池争奪戦
Part1:欧州のもくろみ
「消え去る」鉄系電池に脚光
Part2:EU電池規制の衝撃
電池リサイクル「技術が丸裸」
Part3:800V化の新潮流
対応避けられぬトヨタ、SiC後押し
・軽EV時代の幕開け
Part1:EVの常識を覆す
航続距離を追わない独自路線
Part2:設計と開発でコストを抑える
200万円台の価格で利益を確保
Part3:コストを抑えて造る
生産性を維持する工場の極意
・中国50万円EVのインバーター 超低コスト実現の見事な設計力
・“苦い過去”乗り越えられるか いすゞやENEOS、電池交換式EVに本腰
・負極に金属リチウムやSi、組成非公開の電池メーカーに群がる
EVメーカーがベンチャー争奪 大穴はIBM発「革命的」電池か
・22年秋から開始
ホンダやENEOSら2輪EV 電池交換式サービスを展開
・低温耐性の高さや急速充放電性能の高さをアピール
CATLがNaイオン電池 EV向けでLIBと併用
・VW本気のEV「ID.3」を分解 専用PFやソフト基盤を初搭載
Chapter 3 エネルギー応用と競合技術
・蓄エネマシン猛レース
第1部:技術比較
蓄電池の大量導入が急加速 新旧蓄エネ技術も続々参戦へ
第2部:位置/運動エネルギー
位置エネ利用は山陸海に拡大 回転や圧縮でもアイデア爆発
第3部:グリーン水素とその貯蔵技術
東レの水電解に世界が驚愕 吸蔵合金はアルミと鉄で実現
・ナトリウムイオン電池が本格量産 定置型では将来の主役級に
・利用コストの安さでリチウム(Li)2次電池と競合へ
重力蓄電システムが欧米で台頭 ソフトバンクなどが出資
・次世代キャパシターが再点火 電力回生需要が契機
Chapter 4 環境資源問題
・LIBリサイクル大躍進
絵に描いた餅がリアルビジネスに
第1部:動向
事業規模は一気に数十倍 電池工場の“青田買い”が進む
第2部:技術革新
再生正極は新品より高性能か Li回収の経済性にもめど
・ニッケル一時価格10倍に 3割ロシア企業産でEVに暗雲
・「InterBattery 2022」報告
ウクライナ危機でニッケル高騰 韓国バッテリー業界がLFPに注目
・FCセルの元素組成を分析
ミライのFCスタックに 8万円超のプラチナ
上記内容は本書刊行時のものです。