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自動車の軽量化を支える 異種材料接着技術 若林 一民(著/文) - 日経BP
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自動車の軽量化を支える 異種材料接着技術 (ジドウシャノケイリョウカヲササエル イシュザイリョウセッチャクギジュツ)

工業・工学
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発行:日経BP
A4変型判
220ページ
定価 100,000円+税
ISBN
978-4-296-10775-9   COPY
ISBN 13
9784296107759   COPY
ISBN 10h
4-296-10775-5   COPY
ISBN 10
4296107755   COPY
出版者記号
296   COPY
Cコード
C3050  
3:専門 0:単行本 50:工学・工学総記
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2020年8月22日
最終更新日
2020年9月17日
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紹介

接着を知らずにCASE時代の車体設計はできない
設計を劇的に進化させる接着技術を体系的に解説

本書は、自動車の軽量化を支える異種材料接着技術について、基礎とメカニズムから応用に至るまで、体系的に解説した唯一の書。
日本の接着業界の重鎮である著者が、実用になる接着技術を念頭にユーザー目線で解説しました。

自動車のボディー設計のこれからのキーワードは、「異種材料の接着」および「マルチマテリアル化への対応」です。自動車の軽量化を一段と進めるために、鋼の代替としてアルミニウムをはじめとする軽金属や、炭素繊維強化樹脂(CFRPやCFRTP)などの複合材料、エンジニアリングプラスチック(エンプラ)およびスーパーエンプラのようなプラスチックを適材適所で積極的に使うニーズが高まっているからです。

しかし、「鋼材と軽金属の接着」や「金属とプラスチックの接着」といった異種材料同士の接合では、溶接という最も一般的な接合技術が使えません。ここに接着(接着剤接合)の出番があります。すなわち、異種材料接着技術を適用しなければ、自動車の軽量化が止まってしまう可能性があります。

自動車関連の接着技術は、接着技術の中でも最先端になります。そのため、鉄道車両や電気・電子部品分野や、工作機械分野、ロボット分野、建築・土木分野の人たちにも大いに役立ちます。

設計者や生産技術者をはじめ、軽量化設計を究めたい技術者にお勧めです。また、本書を職場に備え、困ったときのバイブルとしてご利用ください。

■目次
第1章 接着の基礎と接着のメカニズム
1.1 接着の基礎
1.2 接着のメカニズム

第2章 異種材料の接着技術
2.1 種材料の接着技術で知っておきたいこと
2.2 金属とプラスチックの接着
2.3 金属とゴムの接着
2.4 構造用接着剤の種類と設計および性能
2.5 接着設計と接着評価

第3章 自動車の軽量化を支える接着技術
3.1 自動車の製造工程と接着剤およびシーリング材の使い方
3.2 構造接着および構造用接着剤
3.3 短時間接着へのアプローチ

目次

第1章 接着の基礎と接着のメカニズム
1.1 接着の基礎
1.1.1 接着・接着剤とは
1.1.2 接着の位置づけ
1.1.3 接着剤の種類と分類
1.1.3.1 主成分による分類
1.1.3.2 固化および硬化方法による分類
1.1.3.3 形態による分類
1.1.3.4 接着強さによる分類
1.1.3.5 機能による分類
1.1.3.6 市場(産業分野)別の分類
1.1.3.7 接着剤開発のコンセプトから見た分類
1.1.4 接着剤の構成
1.1.4.1 接着剤の主成分
1.1.4.2 (有機)溶剤
1.1.4.3 老化防止剤
1.1.4.4 粘着付与剤
1.1.4.5 可塑剤
1.1.4.6 充てん剤
1.1.4.7 増粘剤
1.1.4.8 顔料
1.1.4.9 その他
1.2 接着のメカニズム
1.2.1 「接する」ということ
1.2.1.1 接着理論の分解図
1.2.1.2 「濡れ」と「接触角」の関係
1.2.1.3 濡れと接着の仕事の関係
1.2.1.4 接触角の測定
1.2.1.5 表面張力の測定
1.2.1.6 固体の表面張力と測定方法
1.2.2 「着く」ということ
1.2.2.1 接着界面の強さ
1.2.3 接着剤の凝集力(接着剤皮膜の強さ)
1.2.4 接着の破壊
1.2.5 接着の阻害因子

第2章 異種材料の接着技術
2.1 異種材料の接着技術で知っておきたいこと
2.1.1 なぜ異種材料の接合なのか
2.1.2 接着(接着剤接合)の利点、欠点
2.1.3 接着の阻害因子
2.1.4 信頼性を達成するための基本条件
2.1.5 異種金属の接合
2.1.5.1 鋼同士の接合
2.1.5.2 鋼材/アルミニウムの異種金属接合
2.2 金属とプラスチックの接着
2.2.1 被着材の種類と特性
2.2.1.1 金属
2.2.1.2 プラスチック
2.2.1.3 エンプラおよびスーパーエンプラ
2.2.1.4 ポリマーアロイ
2.2.1.5 複合材料
2.2.2 被着材の表面処理
2.2.2.1 金属の表面処理
金属表面処理の実際
金属表面の洗浄・脱脂・研磨
金属表面の薬品処理
アルミニウムの表面処理法
プライマー塗布による金属表面の改質
金属の物理的処理
2.2.2.2 樹脂の表面処理
樹脂表面の洗浄
樹脂表面の研磨
樹脂表面の改質:表面の極性を変える
シランカップリング剤
有機チタン系カップリング剤
2.2.3 表面処理効果の判定
2.2.4 異種材料の接着事例
2.2.4.1 金属(軟鋼板)とCFRPの接着
2.2.4.2 金属(軟鋼板)とポリプロピレン(PP)の接着
2.2.5 接着剤を使用しない金属と樹脂の接合
2.2.5.1 アルミニウムとPBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンスルファイド)、芳香族PA(ポリアミド)の接合
2.2.5.2 マグネシウム合金物品、マグネシウム合金部材およびその製造方法
2.2.5.3 アルミニウム合金物品、アルミニウム合金部材およびその製造方法
2.3 金属とゴムの接着
2.3.1 接着の対象になるゴムの性質を知る
2.3.2 各種ゴムの表面処理
2.3.3 加硫ゴム用接着剤
2.3.3.1 合成ゴム系接着剤
2.3.3.2 熱可塑性エラストマー系接着剤
2.3.3.3 ポリウレタン系接着剤
2.3.3.4 シアノアクリレート系接着剤
2.3.3.5 エポキシ樹脂系接着剤
2.3.3.6 シリコーンゴム系接着剤
2.4 構造用接着剤の種類と設計および性能
2.4.1 エポキシ樹脂系接着剤
2.4.1.1 エポキシ樹脂系接着剤とは
2.4.1.2 エポキシ樹脂系接着剤の設計
2.4.1.3 エポキシ樹脂系接着剤のタイプ
2.4.1.4 エポキシ樹脂系接着剤の性能
2.4.1.5 エポキシ樹脂の機能化変性(構造用接着剤への入口)
2.4.2 ポリウレタン系接着剤
2.4.2.1 ポリウレタン系接着剤のタイプ
2.4.2.2 ポリウレタン系接着剤の機能化対応
2.4.2.3 ポリウレタン系接着剤の将来の技術展開
2.4.2.4 ポリウレタン系接着剤の組成例
2.4.3 反応形アクリル系接着剤
2.4.3.1 反応形アクリル系接着剤
2.4.3.2 第二世代アクリル系接着剤(SGA)
2.4.3.3 SGAの基本組成
2.4.3.4 SGAの組成例
2.4.3.5 SGAの問題点と対応
2.4.4 変成シリコーン樹脂系接着剤
2.4.4.1 変成シリコーン樹脂系接着剤の特徴
2.4.4.2 変成シリコーン樹脂系接着剤の組成
2.4.4.3 各種樹脂による変成シリコーンの改質
2.4.4.4 変成シリコーン樹脂系接着剤の用途
2.5 接着設計と接着評価
2.5.1 接着設計(接着接合部の設計)
2.5.1.1 接着設計(接着接合部の設計)で考えなければいけないこと
2.5.1.2 突き合わせ継手(Butt joint)
2.5.1.3 重ね継手(Lap joint)
2.5.1.4 アングルおよびコーナーの接合
2.5.1.5 フランジの接合
2.5.1.6 接着剤接合部設計上の注意点
2.5.2 接着および接着剤の評価
2.5.2.1 性状に関する試験 (JIS K 6833-1)
2.5.2.2 接着強さに関する試験方法
2.5.3 環境条件への耐性に関する試験方法
2.5.4 信頼性評価のための耐久性・疲労試験方法
2.5.5 接着強さを低下させる要因
2.5.6 接着・接着剤の信頼性評価
2.5.7 接着剤の硬化物で測定される代表的特性
2.5.8 非破壊検査方法

第3章 自動車の軽量化を支える接着技術
3.1 自動車の製造工程と接着剤およびシーリング材の使い方
3.1.1 代表的な接着関連材料
3.1.2 自動車における粘着、接着材料の使用部位
3.1.3 スポットウェルドボンディング技術とは
3.1.3.1 疲労強さに及ぼす板厚の影響
3.1.3.2 接着、スポット溶接、スポットウェルドボンディングの疲労特性比較(接着剤:二液形ウレタン系接着剤)
3.1.3.3 接着、スポット溶接、スポットウェルドボンディングの疲労特性の比較(接着剤:SGA)
3.1.4 一液加熱硬化形エポキシ樹脂系接着剤の性能
3.1.5 ウインドーガラスの接着
3.1.5.1 ダイレクトグレージングによるフロント/リアガラスの接着
3.1.5.2 ウインドーガラス用接着剤の要求性能
3.1.6 ブレーキ部品の接着(ドラムブレーキの場合)
3.1.7 軽量化達成の条件
3.1.8 被着材の表面処理法サマリー
3.2 構造接着および構造用接着剤
3.2.1 構造用接着剤の規格(FS MMM-A-132B : 米国連邦規格の概要)
3.2.2 航空機構造用接着剤に学ぶ
3.2.3 エポキシ樹脂系構造用接着剤の設計
3.2.3.1 接着界面の応力緩和を目的にしたエポキシ樹脂の機能化変性
3.2.3.2 C-NBR変性エポキシ樹脂の調整
3.2.3.3 新規変性SBRを使用した柔軟性エポキシ樹脂の調整
3.2.3.4 ウレタンエラストマー変性エポキシ樹脂の調整
3.2.3.5 ポリサルファイド変成による柔軟性エポキシ樹脂の調整
3.2.3.6 強靭化エポキシ樹脂系接着剤の調整
3.2.3.7 コアセルゴム粒子による柔軟エポキシ樹脂の調整
3.2.3.8 エポキシ樹脂系接着剤が金属表面へよく接着する理由
3.2.3.9 エポキシ-エラストマーハイブリッド構造用接着剤の組成
3.2.3.10 コアセル粒子を応用したエポキシ樹脂組成物及び構造用接着剤の性能
3.2.4 第二世代アクリル系接着剤(SGA : Second Generation Acrylic Adhesive)
3.2.4.1 第二世代アクリル系接着剤(SGA)の基本組成
3.2.4.2 デュポンのSGAの組成(プライマータイプ)
3.2.4.3 デュポンのSGAの硬化モデル
3.2.4.4 デンカのSGAの組成例(二液両主剤タイプ)
3.2.4.5 デンカのSGAの硬化時間と接着強さ
3.2.4.6 SGAの問題点と対応
3.2.5 ポリウレタン系接着剤
3.2.5.1 ポリウレタン系接着剤の特徴
3.2.5.2 ダイレクトグレージング用(シーリング)接着剤(一液形)の組成例
3.2.6 弾性接着剤(エポキシ-変成シリコーンマトリックス系)
3.2.6.1 弾性接着剤のモデル組成(エポキシ-変成シリコーンマトリックス系)
3.2.6.2 弾性接着剤(エポキシ-変成シリコーンマトリックス系)硬化物の透過形電子顕微鏡写真
3.2.6.3 変成シリコーン系弾性接着剤の種類および性状と性能
3.2.6.4 ポリプロピレン用変成シリコーン系接着剤
3.2.6.5 ポリプロピレン用反応形アクリル系接着剤(表面処理なしで構造強度を得る)
3.2.6.6 ポリプロピレンの表面処理を行って極性接着剤で接着
3.2.6.7 自動車構造用接着剤のポジショニング
(1)CFRP/CFRP、金属/CFRP用のウレタン接着剤
(2)超高張力鋼板(ハイテン材)用の強靭性エポキシ樹脂接着剤の開発
(3)金属相互、金属-プラスチック・CFRP用強靭化接着剤の開発
3.2.7 二液形接着剤を一液形として使用(二液定量混合吐出装置)
3.3 短時間接着へのアプローチ
3.3.1 接着工法と接着剤および接着速度
3.3.2 短時間硬化接着剤の開発事例(シアノアクリレート・エポキシハイブリッド接着剤)
3.3.3 高周波加熱による接着剤の硬化(誘電加熱、誘導加熱)
3.3.4 電磁誘導加熱での金属の種類と発熱温度の関係
3.3.5 マイクロ波加熱による接着剤の硬化
3.3.6 超音波加熱による接着

著者プロフィール

若林 一民  (ワカバヤシ カズタミ)  (著/文

エーピーエスリサーチ代表 1967年、東京理科大学理学部応用化学科卒業、ノガワケミカル入社。1967~70年、通商産業省(現 経済産業省)工業技術院東京工業試験所(現 産業技術総合研究所)に出向、高分子合成を研究。その後、ノガワケミカルにて新規接着剤の開発や技術サービス、販売、製造などの実務と管理・監督業務に携わる。2000年に代表取締役社長に就任。2007年に取締役を退任し、接着・粘着・シーリングの技術コンサルタント事務所であるエーピーエスリサーチを設立。日本接着学会副会長や日本接着工業会副会長などの要職を歴任。「接着技術ノウハウ 基礎編」「同 応用編」(日経BP)や「接着管理(上)」「同(下)」(高分子刊行会)など著書も多数。日経BP社の企業向けセミナーの講師も務める。

上記内容は本書刊行時のものです。