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資本主義再興 危機の解決策と新しいかたち
- 書店発売日
- 2024年12月14日
- 登録日
- 2024年12月3日
- 最終更新日
- 2024年12月3日
書評掲載情報
2025-02-01 |
日本経済新聞
朝刊 評者: 江川雅子(成蹊学園学園長) |
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紹介
資本主義によって世界経済は驚異的に成長し、豊かになった。しかし、同時に資本主義システムは、格差や不平等、気候変動、環境悪化、社会的排除など様々な弊害を生み出し、近年それらは悪化の一途をたどり、大きな批判を受けている。資本主義が抱えているこれらの深刻な問題をどのように解決すればいいのか。どうすれば資本主義を望ましい形に修正できるのか。オックスフォード大学教授で世界的経済学者のコリン・メイヤーは、本書でその答えを出した。
メイヤー教授は、ビジネスの目的(パーパス)とは何か、利益とは何かを問う。
利益は進歩を促し、進歩は繁栄を生み出すが、一方で深刻な問題を引き起こす。なぜなら、利益は、他者や社会の問題や課題を解決することよってもたらされるが、他者や環境、社会などを犠牲にしても得ることができるからだ。
ビジネスの目的(パーパス)は、人々と地球の問題に対する有益な解決策を生み出すことであるべきで、問題を生み出すことではない。つまり、企業は、問題を生み出して利益を得るべきではない。企業はお金を追い求めるのではなく、問題の解決策を追い求めるべきであり、それを実現するためには、資本主義システムの様々な部分に、「道徳律(他者がしてほしいと望むことを、他者にする)」を根づかせていく必要がある、とメイヤー教授は主張する。この主張は単なる理想論ではない。企業経営、コーポレートガバナンス、法律、会計、金融などにどうやって「道徳律」を組み込んでいけるのか。具体例を交えて、本書でそのフレームワークを明確に提示する。
目次
◎『資本主義再興』の主な内容
パート1 問題 THE PROBLEM
第1章 システム
第2章 課題
パート2 義務 THE DUTY
第3章 道徳律
第4章 法の役割
パート3 方法 THE METHOD
第5章 問題を所有する
第6章 優れた解決策
パート4 真の価値 THE PRIZE
第7章 自然の価値評価
第8章 正しい利益
パート5 コミットメント THE COMMITMENT
第9章 リスクキャピタルの供給
第10章 人類共通のパーパス
解説 宮島英昭(早稲田大学商学学術院教授)
上記内容は本書刊行時のものです。